※本記事は『Mac Fan』2023年5月号に掲載されたものです。
iPadのパソコン化。すなわち、iPadをメインデバイスとした作業環境を構築したいと考える人が増えてきた一方で、かねてからiMacやMacBookをメインデバイスとして愛用している方もいるでしょう。
筆者もその1人であり、iPadとMacの使い分けに悩むことがあります。しかし、両者を別のものとして隔なくとも、組み合わせることでより便利に使える機能が多数あります。
iPadをMacのサブディスプレイ化する「Sidecar」
今回紹介するのは、「Sidecar」という、Macのデスクトップを拡張、あるいはミラーリングするディスプレイとして、iPadを活用できる機能です。わかりやすくいえば、iPadがMacの外付けディスプレイとして使えます。
同機能に対応するのは、iPad Proの全世代、iPad Airの第3世代以降、iPadの第6世代以降、iPad miniの第5世代以降のモデル。
これらの機種がiPadOS 13以降をインストールしていればSidecarは使用可能。Mac側も同機能に対応していることや、所定の設定項目がオンになっていることも必要です。
SidecarはMacを使う延長線上にある機能です。ゆえにそのコントロールはMac側で行うようになっています。
MacからiPadを指定して、Sidecarを起動しよう
具体的には、Macで「システム設定」を起動し、[ディスプレイ]の項目を開きます。画面上部には使用中のディスプレイが並んでいるので、その欄の右端にある[+]をクリック。[ミラーリングまたは拡張]の欄に表示されたiPadを選択しましょう。

Sidecarが正常に機能すれば、iPadのディスプレイにMacの画面が表示されます。Macのポインタを画面端に向かって動かせば、画面を飛び越えてiPad側へ移動します。

なお、物理的なディスプレイの配置と、画面端同士のつながり方が異なる場合には、ディスプレイの配置を変更しましょう。
同じくMacの「システム設定」の[ディスプレイ]画面から上部欄の左側にある[配置]をクリック。表示される画面をドラッグ&ドロップして並び替えましょう。
1つのマウスでMacとiPadを行き来できる「ユニバーサルコントロール」を使おう!
Sidecarの話をしたので、類似した機能として「ユニバーサルコントロール」の説明もしておきましょう。先述のSidecarは「iPadにMacの画面を拡張して表示する」機能でした。
一方、ユニバーサルコントロールを使えば、「iPadの画面をそのまま、Macのマウスやキーボード、トラックパッドなどからコントロール」することができます。
ユニバーサルコントロールはiPadOS 15.4以降を搭載したiPadと、macOS Monterey 12.4以降を搭載したMacで利用できます。なお、対応するiPadやMacの世代など、OSバージョン以外の必要なシステム条件はおおむねSidecarと共通しています。
MacからiPadを指定して、Sidecarを起動しよう
ユニバーサルコントロールを使うメリットの1つはiPad・Mac間でファイルをドラッグ&ドロップできることです。たとえばiPadでApple Pencilを使って、資料を作成していたとします。
そのときにユニバーサルコントロールを有効にしておけば、検索などの作業をMacの広いディスプレイで行い、さらに資料に挿入したいデータをMacからiPad側にドラッグ&ドロップで移動させるといった使い方ができるのです。
ほかには、Macとの併用時にわざわざiPad用のキーボードを設置せずに済むことも便利なポイントです。
ユニバーサルコントロールを有効にする手順は、先述したSidecarの手順ととても似ています。Macで「システム設定」を起動し、[ディスプレイ]を選択します。あとは、[+]をクリックしたあとに、[キーボードとマウスをリンク]の欄に表示されるiPadの名称を選択すればOKです。

また、画面配置の調整方法はSidecarのときと同じです。


先述したSidecarに比べると、ユニバーサルコントロールの運用は、その用途を見出すという点で、少々上級者向けではあります。
しかし、活用の幅は広いのでiPadのサブディスプレイ化に慣れてきたらユニバーサルコントロールにもぜひ挑戦してみてください。

著者プロフィール

井上晃
スマートフォン・タブレット・スマートウォッチなど、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌で、速報やレビュー、コラムなどを執筆している。新製品やサービスのレビュー、比較検証記事の執筆本数は年間100本以上。