Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

「仮想国家」を目指すエストニア①/四角大輔の「Mobile Bohemian 旅するように暮らし、遊び、働く」 【第24話】

著者: 四角大輔

「仮想国家」を目指すエストニア①/四角大輔の「Mobile Bohemian 旅するように暮らし、遊び、働く」 【第24話】

旅程にはなかったエストニアの首都タリンで、この原稿を書いている。

今ぼくは、世界遺産にもなっている旧市街地のど真ん中、17世紀に建てられた遺跡のような建物の3階にいる。

ぼくが営むライフスタイルの1つ、「移動生活」。ここは、この生活に必須の民泊サービス「Airbnb」で見つけた屋根裏部屋。モダンにリノベーションされ、内装のセンスと清潔度は抜群で、立地は過去トップクラスなうえに、価格も1万円を切り、超リーズナブル。

今年の移動生活の訪問先は、トータルで13カ国24都市を数えた。毎年もっとも長期間を費やすのが欧州だ。今まさに、欧州17都市を約1カ月半かけて回る移動生活のまっただ中にいる。前半の3週間は客船ピースボートに乗って9都市を、後半の3週間は飛行機、列車、レンタカーを駆使して8都市を訪れる。

エストニア行きを決めたのは、実は、羽田を発つわずか2週間前。ぼくが運営に関わる「旅祭」という野外フェスで、20歳の起業家コンビ、千葉啓介・谷野龍之介と、世界のモバイルボヘミアン事情について語り合ったことがきっかけだった。

彼らは、ぼくの周りの大人顔負けのグローバルノマドで、エストニアで起業を計画していたり、ポルトガルで開催された「Digital Nomad Conference(デジタルノマド会議)2017」に最年少格で参加したりと、とにかく話していて面白い。

啓介と出会ったのは、ぼくが登壇した都内のスタートアップイベントでのこと。彼はまだ高校生だった。その日、たくさんの若者に声を掛けられたが、ヤツの強烈な印象はいつまでも記憶に残った。その後、彼が龍之介と起ち上げたWEBサービスのアドバイザーをぼくが引き受けたり、ぼくの会員制コミュニティ「ライフスタイルデザイン・キャンプ」に彼が参加してくれたりして、継続的に付き合うように。そのころから、彼らをとおして断片的にエストニアの情報が入ってくるようになった。

「旅祭」で、彼らからより詳しくその国の最新状況を聞いているうちに「これは今すぐ行くべきだ」と確信。さらに、現地に通いながら最先端の情報を手にしている彼ら自ら、案内してくれるという。もう、これは行くしかない。ぼくはその場で、ヨーロッパの滞在予定を変更した。

エストニアと聞いて、すぐにその場所をイメージできる人はどれほどいるだろうか。長い間、ソ連の支配下にあり、ベルリンの壁崩壊のあと、独立を勝ち取ったバルト三国の1つである。

フィンランドの首都ヘルシンキまでフェリーで1時間の距離にあり、人種や気質、文化や気候は、ロシアより北欧に近い。九州と同じくらいの国土に、わずか130万人が暮らす小国が今、超IT立国として世界から注目を集めている。

Skypeを生み出したことでも知られるこの国。場所の制約を受けたくないワークスタイル哲学を持つぼくにとって、Skypeは過去もっともお世話になったツールの1つだ。今では、誰もが当たり前のように使っているが、登場時、震えるほど感動したことを今でも覚えている。(この最先端国家の現地レポは次号で)

エストニアの首都タリンの倉庫街にある起業家コミュニティスペース「LIFT99」にて。左から、千葉啓介、谷野龍之介。(Photo: Daisuke YOSUMI’s iPhone)

※この記事は『Mac Fan 2017年12月号』に掲載されたものです。

著者プロフィール

四角大輔

四角大輔

作家/森の生活者/環境保護アンバサダー。ニュージーランド湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営み、場所・時間・お金に縛られず、組織や制度に依存しない生き方を構築。レコード会社プロデューサー時代に、10回のミリオンヒットを記録。Greenpeace JapanとFairtrade Japanの日本人初アンバサダー、環境省アンバサダーを務める。会員制コミュニティ〈LifestyleDesign.Camp〉主宰。ポッドキャスト〈‪noiseless‬ world〉ナビゲーター。『超ミニマル・ライフ』『超ミニマル主義』『人生やらなくていいリスト』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『バックパッキング登山大全』など著書多数。

この著者の記事一覧