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第2回 「使ったら取り返す」が僕の流儀

第2回 「使ったら取り返す」が僕の流儀

今、この原稿を上空1万メートルで書いている。フィリピン・セブ島へ出張だ。残念ながらフィリピンエアラインにはWi-Fiがついておらず、メールのやりとりができないので原稿を書いている。先ほど、某テクノロジー系企業の企画書を書き終えた。

その後、Kindleで糸川英夫さんの『驚異の時間活用術』という本を読み終えた。糸川さんはロケットの父で、小惑星のイトカワの名前にもなった人だ。搭乗前には、Apple Musicで「美女と野獣」のサントラをダウンロードして聞いたのでご機嫌だ。「ラ・ラ・ランド」にも出演していたジョン・レジェンドの歌声が渋い。

その前は、成田エクスプレスの中で新聞の連載の原稿を書き上げ、飛行機に乗り込んだ。ビジネスクラスが一席空いていたのでアップグレードする。新幹線も基本的にはグリーン席に乗ることが多い。「ケチなのにビジネスクラスやグリーン席?」と思うかもしれないが、ケチだから乗るのだ。席が広いし環境もいい。だから、追加料金3万5000円をはるかに超える金額の仕事ができている。5時間の移動中は、もったいなくて酒を飲んだり寝たりはできない。

今回、偶然にも隣の席の人が来ずに資料を広げられた。運がいい。そういえば、今、「運」に関する本を書いている。Facebookで出版プロデューサーと盛り上がって決まった。僕は大した能力がないのだが、運だけはいい。ずっとそうだ。

話を戻そう。僕は、 人に関してもケチだ。せっかく出逢ったのだから仕事をするなり、遊ぶなりしないともったいないと思う。そんなこともあって、約10年ぶりの再会で仕事をすることに。

先ほど、ホテルのプールで泳いでいる写真をInstagramにアップしたら、別の出版プロデューサーに話しかけられた。帰国したら仕事の話をしようと約束。iPhone 7が耐水なのでプールで挑戦。この安心感はすごい。でも水中でシャッターを押す自信はなかった…。やはりそこは、ケチなのか?(笑)。

ホテルでも施設は使い倒すようにしている。たとえば、朝からプールで平泳ぎ。以前はビジネスセンターも使っていたが、今はiPad Proなので不要だ。夜はホテルのマッサージを呼んだら3000円程度で最高の技術だった。ジムで筋トレし、明朝はヨガに参加する予定だ。せっかくホテルに設備があるのだから使わないのはもったいないのだ。ケチだからどんどん使う。さらに時間があれば情報収集のためにいろんな店に入る。変なものを食べてみる。ケチだから少しでも多くの体験をしようと心がけている

今回の出張でQQEnglishの卒業式に参加した。海沿いの美しい学校だった。DJもいてすごいノリで、毎週金曜日は大騒ぎだという。その後、理事長の藤岡頼光さんと社外取締役の柴田明恭さんのセミナーがあり、学生20名ほどが参加。その後の懇親会で挨拶をしたが、残念ながら若者たち誰一人として僕のことを知らなかった。それはマズイ。自己PRが足らない。誰一人として僕の本を読んだことがないという。

もっともっと面白いことをやって知られなければと反省する。

人生は一度っきりだ。だからできる限り分厚く生きたい。(体はすでに分厚い)僕は文字と企画で世の中を面白くしたいと思っている。

だからキーボードを撃ち続けるのだ。 そのために今回もApple SIMカードを使っている。セブ島では、SMARTという会社につながっている。1GBあれば大丈夫なので1500円程度である。ちょっと不安定な地域もあるがまずまずだ。

僕はケチだから金を使う。なぜなら、表現をし続けたいからである。せっかく使ったならそれを取り返す。せっかく生きているのだから精一杯能力を使う。

ケチだからできる限り人生にいろいろと詰め込みたいのだ。それがケチの流儀だ。

iPhone 7で撮影。耐水だが、水中撮影にはためらった。

※この記事は『Mac Fan』2017年7月号に掲載されたものです。

著者プロフィール

野呂エイシロウ

野呂エイシロウ

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。

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