※この記事は『Mac Fan』2023年11月号に掲載されたものです。
とある人と食事をしたあと、支払いのときにこう突っ込まれた。
「野呂さん、アメックスのグリーンカードなんですね!」
そう、僕はアメックスの普通のカードを使っている。ゴールドとかプラチナカードは持っていない。というのも、年会費が高いからである。なので、“一番下っ端”のグリーンカードを使っている。
とはいえ、毎月結構な金額を使っている。
「ゴールドにご興味はありませんか?」
「プラチナカードはいかがでしょうか?」
何度もカード会社から電話をいただいた。超立派なプラチナカードの申込書を送られたこともある。
「選ばれた!」と勝手に舞い上がって、毎回申し込みそうになる。無料ならOKだが、ゴールドやプラチナに変えたらもちろん年会費が高くなる。でも、脳のどこからで「まあ、いいか!」と思うこともある。
「だってかっこいいじゃん」と思う。そう、お店やホテルなどで高級なカードで支払いするとちょっとかっこいい気もする。
「さすが!」と思われるだろう。
でも、「さすが!」とはなんだろうか? 「お金持ち!」ということだろうか?
もちろん、お金持ちだと思われたいという欲求はある。皆さんにはないだろうか? ブランド品のロゴをわざわざ外して身につけようとは思わないだろう。それと同じだ。
カードもブランドである。で、いろいろと考える。「なんでお金持ちに思われたいか?」ということも。
実は、アメックスをグリーンカードにしているのには意味がある。ビル・ゲイツさんもウォーレン・バフェットさんもグリーンだからである。別にお金が払えればそれでいいのだ。「便利」という道具に「かっこいい」という付加価値を乗せる必要があるかどうかである。いろいろと考える。いらないのかもしれない。
そうしているうちに「まあ、今のままでいいか!」という結論に至った。面白いのかどうかは別問題として、そう至ったのである。ケチは美しいと思う。これからもグリーンカードで頑張ろうと思う。

著者プロフィール
野呂エイシロウ
放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。




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