データ肥大化時代の救世主、Thunderbolt 5 SSDが登場
最近、扱うデータの大きさに悩まされることが増えました。
高画素化が進むデジタル一眼レフでは1枚の写真が数十MBに達し、映像編集では4Kが当たり前。そのうえ、iPhone 13~17 Proでは高画質なApple ProRes形式で撮影できるようになりました。数分の動画でもファイルサイズは数十GBに及び、Macの内蔵ストレージだけではとても足りません。私も仕事で映像編集を行うことがあるのですが、外部SSDに動画ファイルをコピーすると、転送待ちの時間が長く、作業が途切れがちでした。
こうしたストレスを一掃してくれるのが、次世代規格「Thunderbolt 5」です。理論値は最大80Gbpsで、従来のUSB規格をはるかに上回ります。
Thunderbolt 5は、2023年9月に正式発表されたばかりの新しい規格で、対応ストレージはまだ少数。その中で国内メーカーとしていち早く登場したのが、アイ・オー・データ機器の「SSPU-TFC」です。最新のMacと組み合わせることで、転送速度と作業効率を劇的に高めてくれます。
SSPU-TFC
- 【発売】
- アイ・オー・データ機器
- 【価格】
- 8万3380円(2TB)、12万2760円(4TB)、24万5740円(8TB)
【URL】 https://www.iodata.jp/product/hdd/ssd/sspu-tfc/
※価格については、2025年11月末時点での情報です。
冷却ファン内蔵のアルミボディで、高速性能を長時間維持
SSPU-TFCは、Thunderbolt 5に対応したポータブルSSDです。本体から直接伸びたThunderbolt 5ケーブルをMacに接続するだけで、すぐに使えます。
公称速度は、Thunderbolt 5接続時で読み込み約6000MB/秒、書き込み約5000MB/秒。既存の高速USB規格の理論値(最大4000MB/秒)をすでに上回っています。
さらに、Thunderbolt 5非対応のMacでも、Thunderbolt 3/USB4/Thunderbolt 4接続のSSDとして利用可能です。その場合でも、公称値で読み込み約3900MB/秒、書き込み約3200MB/秒という高速性能を発揮します。
外観は一般的なポータブルSSDと比べるとやや大きく、重さもあります。ただし、このサイズと重量には理由があります。高い放熱性を持つアルミボディを採用し、内部には温度を検知して自動制御する冷却ファンを搭載しているのです。高速動作を長時間続けても発熱を効果的に抑え、安定したパフォーマンスを維持できる設計です。



Thunderbolt 5対応Macで検証。圧倒的な速さを体感できる!
それでは、SSPU-TFCがMacでどれほどのパフォーマンスを発揮するのか、その実力を検証していきましょう。
現在、Thunderbolt 5に対応しているのは、MacBook ProやMac Studioの最新ハイエンドモデルの一部です。今回は、その最速環境としてM4 Proチップを搭載した14インチMacBook Pro(メモリ48GB/内蔵ストレージ2TB)を使用しました。
検証に使用したのは2TBモデルの「SSPU-TFC2」。比較対象として、USB 40Gbps対応の「R-SSPT-UF1(1TB)」とUSB 10Gbps対応の「SSPA-USC2K(2TB)」の2製品も用意しました。


R-SSPT-UF
- 【発売】
- アイ・オー・データ機器
- 【価格】
- 2万8820円(1B)、4万7960円(2TB)、8万3600円(4TB)
【URL】 https://www.iodata.jp/product/hdd/ssd/r-sspt-uf/index.htm
※価格については、2025年11月末時点での情報です。
SSPA-USC
- 【発売】
- アイ・オー・データ機器
- 【価格】
- 1万6940円(500GB)、2万5520円(1TB)、4万6420円(2TB)
【URL】 https://www.iodata.jp/product/hdd/ssd/sspa-usc/index.htm
※価格については、2025年11月末時点での情報です。
検証1:Finderでのコピーも「待たない」レベルへ
まずはストレージの基本性能を確認するため、「Blackmagic Disk Speed Test」を使ってベンチマークを実施しました。結果は、公称値(読み込み約6000MB/秒、書き込み約5000MB/秒)とほぼ同等。比較対象の既存規格製品を大きく上回る数値を記録しました。Thunderbolt 5規格の性能差がはっきりと現れた結果です。

続いて、より実際の利用環境に近いFinder上でのファイルコピー速度を検証しました。10GBの動画をコピーし、その所要時間を比較しています。
Macの内蔵ストレージから外部SSDへコピーした場合、Thunderbolt 5対応の「SSPU-TFC」は、USB 10Gbps対応製品の約5分の1の時間で完了しました。これまで煩わしかった「コピー待ち」の時間が大幅に短縮され、中断を気にせずに作業を進められると感じました。


検証2:Final Cut Proで検証。8K編集もコマ落ち知らず!
大容量データを扱う代表的な作業といえば映像編集です。ここでは、Macユーザに馴染みの深い「Final Cut Pro」を使って検証を行いました。
8K動画を使った手ぶれ解析やレンダリング時間の計測では、ストレージ性能の差が明確に数値として現れました。さらに、レンダリング前のタイムライン再生でも、SSPU-TFCと既存規格のSSDとの違いをはっきりと体感できました。
比較対象のSSDでは、高負荷なエフェクトを適用した後にタイムラインを再生すると、キャッシュが追いつかずコマ落ちや一時停止が発生することがありました。一方、SSPU-TFCではそのような状況でもコマ落ちせず、滑らかに再生できました。
これは、プレビュー確認のために何度もレンダリングを繰り返す手間を減らし、試行錯誤にかかる時間を大幅に短縮できることを意味します。外部ストレージでありながら、まるで内蔵ストレージのような軽快なレスポンスで作業でき、映像編集のストレスを根本から解消してくれるでしょう。


検証3:Premiere ProやDaVinci Resolveでも確かな効果を確認できた
さらに、ほかの映像編集ソフトでもSSPU-TFCの性能を検証しました。Final Cut Proと比べると、ストレージ性能の差が表れやすい場面は限られますが、確かな効果を確認できました。
たとえば「Adobe Premiere Pro」では、「シーン編集の検出」機能の処理時間で高速化を実感できました。また「DaVinci Resolve」では、映像クリップのスタビライズ(手ぶれ補正)処理にかかる時間が明らかに短縮されました。
総じて、Macユーザがハードウェア性能の差をもっとも体感しやすいのはFinal Cut Proだと感じます。これは、Final Cut ProがAppleシリコンとmacOSの環境に最適化されているためでしょう。とはいえ、SSPU-TFCの超高速かつ安定したパフォーマンスは、Premiere ProやDaVinci Resolveを使ったワークフローにも確実に恩恵をもたらします。


検証4:Parallels Desktopでの仮想環境も高速起動!
Mac上でWindowsやLinuxを動かすための仮想化ソフト「Parallels Desktop for Mac」でも検証を行いました。
テストでは、仮想OSイメージ(VM)を外部SSDに保存し、ゲストOSの起動時間を計測しました。その結果、内蔵ストレージにVMを置いた場合とほとんど変わらない、高速な起動を確認できました。これは、SSPU-TFCの高いランダムアクセス性能とシーケンシャルリード性能が、OS起動時の大量データ読み込みを瞬時に処理できるためと考えられます。
また、ゲストOSの起動後も、アプリケーションの起動やファイル操作といった一連の動作が非常に軽快で、内蔵ストレージ上で動かしているのと変わらない感覚で利用できました。
仮想OSイメージは数十GB、場合によっては数百GBにも及び、内蔵ストレージを圧迫する大きな要因になります。SSPU-TFCに仮想OSを置くことで、Macの内蔵ストレージ不足を解消しつつ、高速かつ安定した仮想環境を維持できる実用的な運用方法だと感じました。

外付けSSDを「起動ボリューム」に。Mac環境を丸ごと持ち歩ける
Thunderbolt 5ストレージには、単なるデータ保管場所としての役割以外に、もう一つ注目すべき活用法があります。それは、外部ストレージをMacの起動ボリューム(起動ディスク)として使う方法です。
従来の規格ではデータ転送速度が十分でなく、Mac全体のパフォーマンスが低下してしまうため、実用的とは言えませんでした。しかし、SSPU-TFCの圧倒的なスピードがあれば、この方法が現実的な選択肢になります。
実際にSSPU-TFCにmacOSをインストールし、内蔵ストレージからの起動と比較検証を行ったところ、OSの起動速度はほとんど差がなく、Finderでの大容量ファイルのコピーでも遜色のない結果が得られました。ファイル操作やWebブラウジングでも動作のもたつきは見られず、SSPU-TFCを起動ボリュームとして利用するのは十分に実用的だと感じました。
この方法は、自宅と職場でMacを使い分けているクリエイターに特に有効です。SSPU-TFCに作業環境を構築しておけば、ストレージを持ち歩いて別のMacに接続するだけで、同じ環境のまま作業を続けられます。Mac本体を持ち運ぶことなく、使い慣れた環境をそのまま携帯できるのです。2TB~8TBという大容量も、MacBook Proの内蔵ストレージを上回る十分な余裕があります。




※起動ドライブとしての使用はメーカー動作保証外です。
SSPU-TFCはプロが信頼できる高速SSD。国内メーカーならではの安心感がうれしい
Thunderbolt 5に対応したストレージは、一般的なUSB接続の製品に比べると価格が高めです。単なる「データの一時的な置き場」として使うなら、より手頃なモデルを選びたくなる気持ちも理解できます。
しかし、「大容量データを活用する」という視点で見れば、SSPU-TFCの存在感が際立ちます。映像編集や仮想化ソフトを使った業務では、高速な転送速度が確実なアドバンテージになります。さらに、Finderでのコピー速度の速さは、幅広い作業効率の向上に直結します。「待たなくていい」という体験は、単なる時間短縮にとどまらず、作業時のストレスを大きく減らしてくれるはずです。
国内メーカーとしていち早くThunderbolt 5対応モデルを投入したアイ・オー・データ機器は、技術力・先見性の面で評価できるうえ、国内メーカーならではのサポート体制にも安心感があります。日本語での問い合わせがしやすく、保証期間も1年間付帯。プロの現場でも安心して導入できる、信頼性の高い製品と言えるでしょう。
SSPU-TFC
- 【発売】
- アイ・オー・データ機器
- 【価格】
- 8万3380円(2TB)、12万2760円(4TB)、24万5740円(8TB)
【URL】 https://www.iodata.jp/product/hdd/ssd/sspu-tfc/
※価格については、2025年11月末時点での情報です。
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著者プロフィール
小平淳一
Apple製品を愛するフリーランスの編集者&ジャーナリスト。主な仕事に「Mac Fan」「Web Desinging」「集英社オンライン」「PC Watch」の執筆と編集、企業販促物のコピーライティングなど。ときどき絵描きも。Webの制作・運用も担う。




