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サファリのプライバシー設定を見直す!

著者: 栗原亮

サファリのプライバシー設定を見直す!

無料のものにはワケがある。そんなシンプルなことを思い起こさせる事態がインターネットで起きています。これを機に「プライバシー」の設定を見直してみませんか?

最近のWEB広告はエグい

WEBブラウズしていると、クッキー(Cookie)の利用についての同意のメッセージがポップアップ表示されることが増えました。これは、今年5月に施行されたEUの一般データ保護規則「GDPR」の影響です。個人情報の取得を禁じたわけではありませんが、取得にはユーザの同意が必須となったのでメッセージが表示されるわけです。

そもそもクッキーは、WEBサイトのログイン情報や設定をブラウザに保存しておくもので、そのWEBサイトを訪れているのが同じユーザであるのかを判断する場合に用いられます。サファリにもクッキーの使用をオフにする設定がありますので、検討してみてください。

また、WEBブラウズしていると行動履歴に応じて配信されるターゲティング広告に関しても、今後はGDPRのような規制が強化される流れにあることは間違いありません。

一方で、アップルはユーザのプライバシーを利用して収益を上げない姿勢を鮮明に見せているので、サファリの環境設定にトラッキング広告の制限といった項目をすでに搭載しています。そして最新のmacOSモハベ(Mojave)からはOSレベルでもターゲティング広告の制約を行う設定が追加されています。

機能拡張でブロック

ほかにも、WEB広告の表示やトラッキングをブロックするサファリ機能拡張も増えており、人気のジャンルとなっています。以前は、ブロックするリストから外すための費用を開発者が広告主側に請求するといった問題もありましたが(厳密にはホワイトリストへの登録費)、現在は、Macアップストアの審査も厳格に行われているためそのような問題は少なくなっているようです。ただし、サファリ機能拡張の場合は、ソフトのアップデートなどによって使えなくなるものもあったりするので、定期的に設定やアップデートをチェックする必要があります。

一部の悪質なWEB広告を排除する動きは重要です。しかし、サービスを無料で便利に使うための広告モデルというのも一定の意義はあるでしょう。場合によってはWEBサイトの閲覧履歴や検索キーワードを広告主に渡してもいいと考える人もいるでしょう。

一番大きなポイントとなるのは、誰が何の目的でどの情報を収集しているのかということをユーザにもオープンに確認できる仕組みづくりです。

アップル自身も例外ではなくGDPR施行を受けて、サービス向上のために収集しているプライバシー情報をユーザ自らがダウンロードできる仕組みを作りました。こうしたプライバシーの取り扱いについては、ユーザ側も正しい知識を身につけておくことが求められているわけです。

(1)WEBサイトでCookieの利用や同意に関するポップアップが表示されることが増えました。これはEUで2018年5月25日に施行された一般データ保護規則「GDPR」に対応するための措置です。

(2)Safariの環境設定の[プライバシー]には[すべてのCookieをブロック]の設定のほか、[サイト越えトラッキングを防ぐ][Webサイトにトラッキングの停止を求める]項目があります。

(3)Safari機能拡張にもWEBサイトのトラッキング防止や広告ブロックのソフトが多数登録されています。WEB広告が快適なWEBブラウズを妨げていると感じているユーザは多いようです。

(4)macOS Mojaveではシステム環境設定の[セキュリティとプライバシー]パネルに新たに[広告]の項目が設けられました。これによりトラッキングによるターゲティング広告をシステムレベルで防げるようになります。

(5)Apple自身が収集した個人情報データも「データとプライバシー」のページが作成され、アプリやサービスの利用状況を申請から2週間程度でダウンロード可能になる予定です。【URL】https://privacy.apple.com/

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