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画面が眩しくて目が疲れるときの裏技

著者: 栗原亮

画面が眩しくて目が疲れるときの裏技

MacのGUIを暗く表示するのが「ダークモード」です。でも何だか中途半端ですよね? もっとスマートなダークモードを実現する隠し設定を試してみました。

白い画面は目に優しくない

コンピュータの画面が黒地に白い文字が常識だったころ、Macは初めて白地に黒い文字という現実の紙と同じ表示にしたのは画期的でした。ところが、1日の大半を何らかのディスプレイを見ている昨今、白い部分がだんだん眩しく感じられることはないでしょうか。目の健康と良質な睡眠のため、夜になると色温度を下げてブルーライトを抑制するナイトシフトをアップルはmacOSにもiOSにも導入しましたが、それでも白い部分が眩しいのは変わりません。

システム環境設定の[一般]パネルにメニューバーとドックを暗くする「ダークモード」設定がありますが、ファインダウインドウの背景などは白いままです。

ところが、iOSではすでに「ダークモード」にあたる「反転(スマート)」がアクセシビリティの項目に追加されています。「設定」アプリの[一般]→[アクセシビリティ]→[ディスプレイ調整]→[色を反転]→[反転(スマート)]をオンにしてください。iOSやアプリの多くがダークモードとなって目が疲れにくく感じられます(カラー画像がネガポジ反転してしまうアプリもあるので常用には向きません)。

なお、Macのアクセシビリティでも[カラーを反転]する機能がありますが、画面全体を単にネガポジ反転しただけなので、画像の視認性の面で問題があります。

隠し機能のダークモード

なんとか輝度を下げずに眩しさを軽減する方法はないのか調べたところ、どうやらOS Xエルキャピタン以降では、このダークモードをもっと多くの領域に適用しようとしていた痕跡が残されていました。これを試したところ、動作は若干不安定で表示も不完全なところもありますが、ファインダウインドウやシステム環境設定がダークモード表示されて雰囲気が大きく変わりました。

ただし、システムのセキュリティレベルを下げないと有効にできないので、本誌としては動作保証はできず自己責任となります。

なお、この設定は永続的に有効になるのではなく、再起動することで元に戻るのでそれほど心配はいりません。現在は隠し機能となっているこのダークモードですが、MacにもiOS並みのスマートなダークモードを搭載してもらいたいと思います。

(1)Macの電源を入れて[command]キー+[R]キーを押し続けて、「macOSユーティリティ」が表示されたら[ユーティリティ]メニューから[ターミナル]を選択

(2)ターミナルが起動したら「csrutil disable」と入力し[return]キーを押すことでSIP(System Integrity Protecton)が無効化されます。重要なセキュリティ設定ですので、実験が終了したら同様の手順で「csrutil enable」と入力し元に戻しましょう。

(3)Xcodeをインストールした状態で、Appleの開発者サイトにサインインし、「Command」で検索して最新の「Command Line Tools」をダウンロードしてインストールしておきます(事前に開発者登録が必要)。【URL】https://developer.apple.com/download/more/

(4)ダークモードを有効にする機能拡張とサービスメニュー項目をダウンロードし、ファインダの[移動]メニューを[option]キーを押しながら表示して[ライブラリ]に移動し、[Services]フォルダにコピーします。【URL】https://github.com/insidegui/DarkMode/raw/master/Release/DarkMode.zip

(5)通常のダークモードではメニューバーとDockのみが暗いだけです。アプリケーションメニューから[サービス]→[Apply Dark Mode]を選択し、10秒程度待ちます。

(6)すると、Finderウインドウやシステム環境設定にダークモードが適用されました。このモードはシステムの標準機能にのみ適用されるようです。解除するには再起動します。