新製品の魅力を写真でパシャリーtaken by Acro cube
フチまで美しい3D設計
隅々まで滑らかで段差がない完全曲面形状の超精密設計。フチ部分はダブル加工することでフチかけの防止と飛散防止を実現。
iPhoneと一体化する装着感
自動的に張り付く全面吸着機能によって、気泡が自然に抜けて美しい仕上がり。付属の透明ケースを使えば位置合わせが楽で貼りやすい!
傷や汚れがつきにくく安心
ハンドメイド超品質保護ガラスは0.33mm。強化処理4.5時間&真空蒸着等の最先端技術により傷がつきにくく、指紋・汚れも防止。
覗き見防止タイプでも明るい
覗き見防止タイプは、プロ用カメラの偏光フィルタ技術を応用。左右からの覗き見防止に加え、直射日光下でのカメラ撮影が可能に。
手帳型ケースでもフィット
手帳型ケースを使っている人には、カバーと保護ガラスが干渉しない「Super 2D YATAGLASS」がおすすめ。
自社開発の「ヤタガラス」
MF●2017年9月に設立されたアクロキューブという会社について教えていただけますか。
水間●はい。私は保護ガラスのエキスパートとして、さまざまな技術やノウハウを積み重ねてきました。一般的に市場に出回っているスマホ用の保護ガラスは、コーニング社の「ゴリラガラス」などメーカーが開発したものを利用していることがほとんどです。そんな中、より根元的にガラスそのものから開発する必要性を感じ、新会社を設立しました。
MF●オリジナルのガラスの開発は、やはりそれほど大変なものなのですか。
水間●見方は人それぞれですが、既存のスマホ用の保護ガラスでは不十分というのが私たちの考えです。たとえば、硬度だけに関していえば、よく知られているブランドでもディスプレイの表面硬度は鉛筆引っ掻き硬度で「7H」程度が多いのですが、それでは空気中に浮遊する鉱物で傷ついてしまいます。私たちが求める硬度はJIS最高硬度「9H」をはるかに超えるもので、別次元の品質が求められます。
MF●そして万を持してリリースされたのが、この「ヤタガラス(YATAGLASS)」なのですね。
水間●日本神話の神武東征にも出てくる「八咫烏」が名前の由来です。八咫烏は「太陽の鳥」とも言われていて、一般的には三本足のカラスの姿で知られています。サッカー日本代表のユニフォームにもシンボルが刻まれていますね。社名のアクロキューブ(最上の三乗)もそうなのですが、日本と中国と韓国という三カ国の技術者が結集して、世界最高の製品を発信していこうという想いを込めています。ヤタガラスは深夜に突然閃いたネーミングでしたが、ガラスの名前としては画期的だったようです。
MF●ガラス製品にぴったりで、洒落も効いた覚えやすいネーミングですね。製品ラインアップについて教えていただけますか。
模様が浮かび上がるガラス
水間●ヤタガラスはiPhoneの曲面ガラスに完全にフィットする「3D」と、一般的なケースと干渉しない「スーパー2D」の2タイプに大別されます。ガラスには加工のしやすさと強度という相反する特性がありますので、製品のコンセプトにあわせて最適なガラスと加工方法を選んでいます。
MF●なるほど。以前3D曲面ガラスは高温で変性しやすいスチール金型ではなく、特殊な金属で低温で熱曲げするとおっしゃっていましたね。
水間●はい、コスト面では高くなってしまいますが、強度を落とさずに曲げるにはその方法がベストです。
MF●すると、スーパー2Dの利点はどの辺にありますか?
水間●こちらは曲げ加工を行いませんが、最初から硬度の高いガラスを用いて、iPhoneの平らな面ギリギリまでしっかりとカバーします。曲面ガラスでは専用ケースでないと干渉してしまうことがありますが、スーパー2Dではバンパーでも手帳型ケースでも組み合わせて使えるのがメリットです。また、強化ガラスでありながら貼りやすく、高品質ながら価格も抑えられます。iPhone 6/6プラスやiPhone SEといった旧モデル向け製品もラインアップしています。
液晶画面にピッタリとフィットするSuper 2D
Super 2D YATAGLASSは、自動吸着機能でiPhoneのディスプレイ表面にしっかりと貼りつき、衝撃や傷などから守る。手帳型ケースやバンパーと併用しても保護ガラスと干渉しないので端が浮き上がるトラブルを避けられる。YATAGLASS 3Dが5000円前後であるのに対し、Super 2Dは3000円程度と安価になっている。
MF●実際に貼ったものを見るとスーパー2Dは平面ガラスですが、精巧な仕上げで3Dと区別がつかないレベルです。3Dもスーパー2Dもいくつかのモデルが用意されていますが、何が違うのでしょうか。
鈴木●3Dはノーマルタイプのほか、アンチグレア、覗き見防止、ブルーライトカットの4種類、スーパー2Dはノーマルとアンチグレアの2種類をラインアップしています。
MF●やはりアクロキューブならではのこだわりがあるのでしょうか。
鈴木●はい。たとえば、「覗き見防止」といっても表面加工の方法はいろいろあります。100円ショップなどで売られている製品はフィルムが見るからに不透明で、薄暗い太陽光の下でははっきりと見えません。偏光フィルタを利用しているとはいえ、粗悪品では有機ELのピクセルと干渉して「モアレ」を起こしてしまいます。ヤタガラスでは正面から見ればはっきり見え、かつ直射日光下でも見やすくなっています。
光の反射を極力抑える
アンチグレアタイプは、厚さ0.33mmの強靭ガラスの片面を特殊な表面加工で光の反射を抑えている。「品質の低い他社製品では薬剤などを用いて後処理(コーティング)を行っていますが、弊社の製品は物理加工なので汚れや指紋の付着を防ぐ効果が半永久的に持続します」。
MF●ガラス自体の品質が高いからこそできることですね。アクロキューブでは、保護ガラス以外の商品展開も考えているのでしょうか。
水間●ガラス加工技術は応用範囲が広いので多彩な製品が考えられます。高品質なスマホ用外付けレンズの試作が進んでいますし、ガラスの表面を溶かす薬剤を利用して彫刻のような模様を付けられる「ケミカルカット」の商品開発も企画しています。最近のiPhoneは背面もガラス素材なので保護する必要がありますよね。しかし、ここにシールのようなものを貼ってしまっては美観が損なわれます。そこで背面用の保護ガラスフィルムにうっすらと彫刻すれば、見る角度によって模様が浮かび上がったりするので素敵だとは思いませんか?
MF●それは非常にすごいアイデアですね! いち早い商品化を期待しています。
ケミカルカットという新提案
強化ガラスも切削加工では側面のエッジにマイクロクラック(わずかなひび割れ)が生じてしまい、衝撃が加わるとあっさり割れてしまう。それを防ぐ最高の方法はガラスのエッジ部分を薬剤で溶解して切断するケミカルカット工法。この技法を応用し、ガラス表面に高精度画像のエッチング処理を施した芸術的な商品も開発中だ。
特殊多結晶ガラス「ナノセラム」
結晶化ガラスのノウハウを持つのは世界でも数社に限られる。そのうちの1つが特殊ガラスメーカーのオハラが開発した「ナノセラム」だ。アクロキューブはこの素材を使って熱曲げによる3D量産加工の実験を続けている。近い将来には本当に割れない端末が出現することだろう。