2018年3月、パシフィコ横浜にてカメラと写真映像の情報発信イベント「CP+2018」が開催された。2010年から始まったCP+は、国内のカメラ・映像機器の展示会としては最大級のものだ。スマートフォンの普及により国内のカメラ市場は縮小しているが、イベントの内容もそんな市場を反映し変わってきている。
活況のiPhoneアクセサリ
CP+は、カメラ・写真映像に関する新製品が一堂に会する、国内最大級の展示会だ。3月1日から3日間に渡って開催された今回のイベントは、累計6万8000人を超える来場があったという。とはいえ、例年大手カメラメーカーが最新機種を展示していたこのイベントも、以前と状況がかなり変わってきた。
iPhoneをはじめとするスマートフォンの普及により、コンパクトデジタルカメラの売上は急激に減少している。デジタルカメラ市場の主力はAPS−Cサイズ以上の高級デジタルカメラに移行しているが、そもそもの製品数が減ってきている。そんな状況を反映してか、今年はカシオが出展を取り止め、ニコンイメージングは何も新製品を発表しなかった。もはやCP+は、世界に向けて新製品を発表する場ではなくなっているのかもしれない。
そうした中で会場を盛り上げたのが、iPhone向けアクセサリの存在だ。iPhoneに装着する拡張レンズや動画撮影時の手ブレを抑えるジンバル、カメラとiPhoneを連携させるためのアプリなど、iPhoneを使って写真・動画撮影を楽しむための製品が数多く展示された。今や一般ユーザだけでなく、本格的に写真を楽しみたいカメラ愛好家やビジネスユーザにとっても、iPhoneやスマートフォンの存在感が大きくなってきた。こうした状況は展示会のみならず、全国のカメラ売り場の品揃えにも浸透していくのではないだろうか。
ケンコー・トキナーは、4K対応iPhoneクリップレンズの先行展示を行っていた。広角レンズ「4K HD 0.6X ワイドレンズ」と、望遠レンズ「4K HD 2X 望遠レンズ」は金属製の特殊なアタッチメントをiPhoneに装着して使用する仕組みで、iSight Duoカメラで使用できるように設計されている。実際にiPhone Xに装着してみたところ、四隅が暗くなることなく撮影できた。
Sprocommは、iPhoneなどのスマートフォンをマウントして使用する3軸ジンバル「PIRO MINI」(左)と、1軸ジンバル機能を搭載した自撮り棒「PIRO S2」(右)を展示。PIRO MINIは、バッテリを内蔵しているにもかかわらず本体重量はわずか450グラムで、持った瞬間その軽さに驚いた。PIRO S2は、自撮り棒の先に接続して使用する1軸ジンバルで、自撮り棒を含めた重さは117グラムとなる。日本の販売代理店が決まっていないため、国内発売は未定。
東芝は、NFC搭載SDHCメモリーカードの中身を確認できるiPhone用アプリ「Air Touch」を先行展示した。NFC対応のiPhoneでアプリを起動し、読み取り機能を起動することで目的のカードを簡単に見つけることができる。メモリカードの空き容量を確認する機能やメモリーカードをアルバムとして管理する機能も搭載する予定。
テイクが、edelkroneのiPhoneでコントロール可能な電動スライダ拡張キット「MOTION KIT」を展示した。Bluetoothで接続し、iOSアプリ「SliderONE PRO」を使ってコントロールする。事前に動きを設定することも可能だ。
EIZOが、色合わせソフトウェア「Quick Color Match」をVer.2.1にアップデート。イルフォード製の用紙6種類と、ピクトリコ製の用紙7種類の用紙に対応したとしてデモ展示を行っていた。プリンタと用紙を選ぶだけのシンプルな操作で画面とプリント結果の色合わせが簡単に行える。