音質は圧倒的な差
ホームポッドは「ホームスピーカ」だとはいえ、やはり気になるのは市販のほかの「スマートスピーカ」とどう違うのか、というところでしょう。
ホームポッドの優位性として挙げられるのは「音質」です。実際に、その低音が効いた高音質サウンドを聴いてみると、ほかのスマートスピーカと比べて圧倒的な差を感じてしまうほどでした。アマゾンの「エコー」やグーグルの「グーグルホーム」、LINEの「クローバウェーブ」といったスマートスピーカの音質とは、大きく一線を画しているように思えます。
参考程度に、現時点で閲覧できる国内および国外の主要メディアのホームポッドのハンズオンレポートを見てみたところ、「音」の評価ゆえに賛否両論あったのは確かですが、音質について好意的に取り上げてられていることのほうが目立っていました。
加えて音質の良さのひとつの裏付けとなりうるのがスピーカの「重量」です。ホームポッドの重さ2.5キロに対して、ほかの主要スピーカは1キロ未満であり、そこには大きな重量差があります。もちろん「重いから音質が良い」という安直な話ではありませんが、音質を高めるべく、さまざまなスピーカユニットを搭載したというのは先述のとおりで、その結果、音質の差となっていると考えることもできるでしょう。
ホームスピーカゆえに
ホームポッドが「スマートスピーカ」ではないことの証明のように、「AIアシスタント」に関しては、ほかのスマートスピーカに分があるといえます。
ホームポッドも天気やニュース、交通情報といった情報は問題なく得られますが、複雑な質問には対応しきれないことがあります。そのうえ日本語にも未対応。加えてサードパーティがホームポッドのシリを利用する仕組みも用意されていません。
それに対して、たとえばエコーはショッピング機能が秀逸で、音声だけで注文履歴から再注文できる機能はとても便利です。また、サードパーティが提供する拡張機能「スキル」が豊富なのも特徴で、照明など他社製のアレクサ対応IoTデバイスも充実しています。アプリから設定すれば、グーグル・カレンダーやアイクラウドのカレンダーからスケジュール情報を取得できるのです。
こうして他社製のスマートスピーカと比較することで、ホームポッドの立ち位置も自ずと見えてきたのではないでしょうか。ホームポッドは最後発のため、AIアシスタントの完成度やサードパーティとの連係性で優位性を保つのは難しいのが現状です。しかし、今後アップル製品のエコシステムとの親和性やユーザインターフェイスの完成度が鍵を握ってくることは間違いありません。