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DJIから登場した新型ドローン「Mavic Air 」

著者: 栗原亮

DJIから登場した新型ドローン「Mavic Air 」

アウトドアに持ち出そう!

この数年のコンシューマ向け空撮ドローンの進化は目覚ましいものがあります。以前は一部の好事家向けという印象もありましたが、安定したフライトアシスト機能や4K動画撮影への対応などにより、そろそろ本格的に導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。

DJIから登場した新型ドローン「Mavic Air(マビック・エア)」は、そうした人たちからの期待に十分応えられる製品です。同社の製品ラインアップの位置づけとしては、高性能な「Mavic Pro(マビック・プロ)」と入門用の「Spark(スパーク)」の中間にあたります。プロペラアーム部を折りたためばカバンにも収納できるコンパクトサイズで、重量的にはより軽いスパークよりもモバイル性に優れていると感じました。送信機(リモートコントローラ)も、着脱式のスティックを取り外し、アンテナやiPhoneを固定するためのクランプを折りたためばポケットに入ります。これだけコンパクトに収納できれば、山や海へ旅行に行く際には持っていこうという気になりますね。

ドローンというと「設定や操縦が難しいのでは?」と感じる人も多いと思いますが、設定は「DJI GO 4」アプリで数ステップで完了し、すぐにフライトできます。ドローン初心者が一番緊張するであろう離陸や着陸も自動アシスト機能があるので、画面をタップするだけで安定したホバリング状態に移行できます。特に屋内であれば、空中にピタリと静止し、カメラも3軸のジンバルが効いているため撮影した映像も機体ブレなどは起こりません。7台のビジョンシステムと赤外線センサを利用して周辺の3D空間認識を行う「フライトオートノミー2.0」や、フライト中の障害物を自動回避する「APAS(高度操縦支援システム)」の採用により、これまでのどのモデルよりも飛行安定性に優れていて、個人的な印象ですが、スパークよりも操縦しやすく初心者にこそ適しているドローンだと感じました。

折りたたみ収納できるモバイルドローン

4Kカメラを搭載したドローンとしては驚きのコンパクトさ。プロペラのアーム部分を器用に折りたたむことで、手のひらに乗るサイズに収納できます。付属のキャリーケースに入れて旅行などに持っていくのも苦になりません。

ドローンの空撮映像を見ながらフライト可能

送信機にiPhoneを接続することで、ドローン本体からの映像を見ながらフライト操縦できます。また、Wi-Fiでダイレクトに接続してiPhoneアプリのみで操作を行ったり、ドローン本体のカメラで操縦者のジェスチャを読み取る操縦も可能です。

素人でもプロ並みに撮影

そして何より重要なのは、搭載しているカメラでどのような映像が撮影できるのかという点です。性能的には、4K/30pの4K撮影での動画撮影が可能で、フルHD(1080p)であれば120fpsのスローモーション撮影にも対応しています。動画のビットレートも100Mbpsと広帯域で、小さなカメラで撮影したとは思えないほどの高画質を確保できています。レンズは空撮に適したワイド寄りの設定(35ミリ換算で24ミリ相当)で、安定した操縦機能と相まって、まるで鳥の視点のような映像が簡単に撮影できます。

動画ファイルの保存形式はMP4/MOV(H・264)、静止画はJPEG/DNG(RAW)に対応し、マイクロSDカードか内蔵の8GBメモリにファイルを保存できます。うっかりマイクロSDカードを撮影の際に忘れても、USBタイプCケーブルで内蔵メモリからMacBookに動画ファイルを吸い出せるので安心です。

空撮は手動による操縦以外にも、ブーメランのような動きなどプリセットされた自動撮影モードでプロ並みの映像が撮影できます。1回の充電でフライト時間は約20分程度となりますが、何度もトライしなくても欲しい空撮映像が手に入るので、必要十分なレベルではないでしょうか。また、水平/垂直180度のパノラマ撮影や、25枚の写真を合成する「スフィアパノラマ」といった特殊な撮影も可能なので、映像表現の幅が広がります。

なお、本体は430グラムと、これまでの他モデルに比べて大幅に軽量化されていますが、200グラム以上なので改正航空法の対象となります。そのため、都心などの人口密集地では無許可で飛行できないので、注意が必要です。東京・葛飾区にあるDJI公認の屋内ドローン飛行場「DJI ARENA」など、公的に許可された場所を利用して操縦訓練などを行なってください。また、1年間の賠償責任保険が無償で付いてくるので、購入後の登録は忘れないようにしましょう。

ドラマチックな撮影が可能になる

バッテリとプロペラガードを装着し、飛行可能となった状態です。カメラは静止画で12Mピクセルの1/2.3型CMOSインチセンサを搭載し、レンズはF2.8と明るいものです。焦点距離は24mm相当とワイドで迫力のある空撮が可能です。また、HDR機能が強化され、明け方や夕暮れの撮影にも強みを発揮します。

操縦アシスト機能で初心者でも扱える

3軸ジンバルカメラと本体各所に装備されたセンサや下方の赤外線検知システムなどを用いて高度な姿勢制御と安定したホバリングが可能です。屋外では10m/sまでの風であれば利用可能で、送信機のコントロールスティックでイメージどおりの撮影ができます。

インテリジェントな撮影機能を備える

360度静止画の「スフィアパノラマ」撮影や、それにドローン空撮動画をシームレスにつなぎ合わせた「Asteroid」撮影モードなど、インテリジェントな撮影機能を備えています。これらを用いることで、高度な操縦技術がなくても印象的な映像が作れるのです。

空撮映像を手軽に自動編集できる!

「DJI GO 4」アプリのビデオエディタ機能を使えば、本体やmicroSDカードに保存された映像クリップを組み合わせて、自動で動画を生成できます。選択したテーマに合わせてカットが切り替わって、BGMも乗るのですぐにかっこいい動画が楽しめます。

[SPEC]
[ドローン]Mavic Air
【発売】DJI JAPAN
【価格】10万4000円
【サイズ】83(W)×49(H)×168(D)mm
【URL】https://www.dji.com/jp/mavic-air

【主なスペック】
【重量】430g【備考】最大上昇速度:4m/s(Sモード)、2m/s(Pモード)、2m/s(Wi-Fiモード)、最大下降速度:3m/s (Sモード)、1.5m/s(Pモード)、1m/s(Wi-Fiモード)、最大速度(海抜に近接、無風):68.4km/h(Sモード)、28.8 km/h(Pモード)、28.8km/h(Wi-Fiモード)、運用限界高度(海抜):5000m、最大飛行時間(無風):21分(25km/hの一定速度で飛行時)、最大ホバリング時間(無風):20分、最大飛行距離(無風):10 km、最大風圧抵抗:29~38km/h、最大傾斜角:35°(Sモード)、15°(Pモード)、最大角速度:250°/s(Sモード)、250°/s(Pモード)

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栗原 亮

Mac片手に各地を飛び回る編集者兼ライター。@cooley