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「外付けストレージ」の応用

「外付けストレージ」の応用

【応用1】大容量ファイルを外付けストレージに移動する

最近のMacのストレージはSSDが主流になっており、特にノート型では256GBが基本の容量です。macOSのシステムと標準ソフトでおよそ50GB使われるので、ユーザ領域は200GB程度しかありません。これをどうやりくりするかでMacの安定性にも影響してきます。とにかく、できるだけ大容量データは外付けストレージに逃がして、内蔵ストレージの空き容量を100GB程度は確保しておきたいところです。

内蔵ストレージを節約するメリットとして、まずバックアップすべき容量が減るのでタイムマシンバックアップの時間が短くなり、ひいては障害発生時にバックアップからシステムを復元する時間も短くなることが挙げられます。

また、SSDを構成するフラッシュメモリには書き換え回数に限りがありますが、容量が不足した状態で使うと書き換えが無駄に多く発生するため速度が低下し、寿命も短くなるのです。これも空き容量が充分にあれば回避できます。

理想的なのは、内蔵ストレージにはmacOSのシステムだけを置きたいところですが、[ホーム]フォルダが存在する以上そうもいかないのが現状です。

写真ライブラリの移動

さて、内蔵ストレージの空き容量を増やすために、現在もっとも多くの容量を使うと思われる「写真」のライブラリを外付けストレージに移動してみましょう。

デフォルトでは[ホーム]フォルダの[ピクチャ]に収められています。なお、移動する写真ライブラリはアイクラウドフォトライブラリが有効なシステムフォトライブラリという前提で解説します。

まず、移動の方法には2つのアプローチがあります。新規フォトライブラリを外付けに作り、改めてシステムフォトライブラリに設定します。あとはアイクラウドフォトライブラリから写真やビデオが復元されるのを待つだけです。次に、ライブラリファイルを外付けにコピーしてそれをシステムフォトライブラリに指定します。

前者のほうが大容量データをコピーする必要がないので、簡単ですが、ライブラリの完全回復には少々時間がかかります。後者の場合は、アイクラウドフォトライブラリとの同期ができなくなることがあります。一長一短なので、ここでは両方解説しましょう。

iCloudから復元する

「写真」ソフトを起動したら間髪入れず[option]キーを押すと[ライブラリを選択]ダイアログが出ます。ここで[新規作成]をクリックしてください。

新しいライブラリの保存先として外付けストレージ(図ではUSB-HDD)を選んで[OK]をクリックします。

すると、まっさらな状態で「写真」が起動します。[写真]メニューから[環境設定]を開いてください。

[システムフォトライブラリとして使用]をクリックします。iCloudフォトライブラリが止まると警告されますが[OK]をクリックしてください。

[iCloud]タブに切り替えて[iCloudフォトライブラリ]にチェックを入れます。iCloudからオリジナルをダウンロードするのは時間がかかるので、とりあえず[Macストレージを最適化]を選んでおきます。

[環境設定]を閉じるとさっそくiCloudから写真やビデオがダウンロードされます。あとは内蔵ストレージにあるオリジナルの写真ライブラリを削除すれば完了です。

ライブラリデータを移動する

[ホーム]フォルダの[ピクチャ]にある「写真ライブラリ.photolibraly」を外付けストレージ(図では[USB-HDD])にドラッグしてコピーします。

コピーが完了したら外付けストレージ側の「写真ライブラリ.photolibraly」をダブルクリックして「写真」を起動します。これでデフォルトのライブラリが切り替わります。

状況によってはこのようなダイアログが表示されることがあります。[不完全な項目を削除]をクリックして続けます。

「写真」が操作可能になったら、[環境設定]を開いて[システムフォトライブラリとして使用]をクリックします。iCloudフォトライブラリが止まると警告されますが[OK]をクリックしてください。

[環境設定]の[iCloud]タブに切り替えて[iCloudフォトライブラリ]にチェックを入れます。余裕のある外付けストレージならば[オリジナルをこのMacにダウンロード]にしてもよいでしょう。

iTunesライブラリを移動

iTunesライブラリは、アップルミュージックやiTunesマッチを契約している場合、アイクラウドミュージックライブラリが使えるのでローカルにデータを溜め込む必要性は低くなっています。とはいえ、音楽CDから直接アップルロスレスなど、高音質ファイルを保存しているライブラリはかなりの容量になっているはず。その場合は、外付けストレージに移動すると数十GBの節約になるでしょう。

まず、[ホーム]フォルダの[ミュージック]にある[iTunes]フォルダを外付けストレージにコピーします。

iTunesを起動して[環境設定]の[詳細]タブを開き、[“iTunes Media”の場所]にある[変更]をクリックして、コピーしたほうの[iTunes]フォルダを指定します。

iTunesライブラリがアップデートされ、次に[iTunes Media]フォルダを整理するか尋ねられますが、こちらはどちらを選んでも構いません。

大容量ファイルの見つけ方

そのほか、整理すべき大容量ファイルをより簡単に見つける方法を解説しましょう。まず、アップルメニューから[このMacについて]を選んで[ストレージ]タブに切り替えて内蔵ストレージの[管理]ボタンをクリックします。[不要なファイルを削除]の[ファイルを確認]をクリックすると[大きいファイル]がピックアップされます。ここから削除したり外付けストレージに退避しましょう。

このストレージの管理画面は、Macの不要なファイルを探すのに便利です。

ファイル名にポインタを合わせれば削除(×)と検索(虫眼鏡)のボタンが表示されるので、検索をクリックしてFinderに表示し、外付けストレージに移動しましょう。

【データ移動】

内蔵ストレージから外付けストレージにデータを移動する場合、単純にドラッグ&ドロップするとコピーされるので、オリジナルをあとで削除しなければなりません。しかし、ドラッグ&ドロップするときに[command]キーを押せば、コピーではなく移動になります。

【音質低下】

iCloudミュージックライブラリは、256kbpsのAACまでにしか対応していないので、Appleロスレスなどで読み込んだ楽曲は変換されます。オリジナルのファイルが置き換わることはありませんが、iCloudライブラリで同期されたファイルはAACになるので注意しましょう。