見せる人/野呂エイシロウ
放送作家、戦略的PRコンサルタント、講演家、作家。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ザ!鉄腕!DASH!!」「NHK紅白歌合戦」「奇跡体験!アンビリバボー」など多くのテレビ番組を構成。著書に『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)や『プレスリリースはラブレター』(万来舎)、『考えなくてもうまくいく人の習慣』(ワニブックス)などがある。
野呂エイシロウさんのiPhoneメイン画面にあるアプリ Recoco/テレビ東京ビジネスオンデマンド/スターバックス/dマガジン/ChatWork
インプットの大切さ
「一体この人は何者なのだ」と会うたびにいつも不思議に思うすごい人がいます。それが、放送作家の野呂エイシロウさん。本誌でも連載「ケチの美学」を執筆しているので、ご存じの読者も多いでしょう(知らない人は80ページをチェック!)。
さて、野呂さんの仕事について聞いてみると、4つあるといいます。放送作家にPRコンサルタント、講演家、そして作家。そう、すべてが「ことば」を操る仕事です。ご自身は「口だけの簡単な仕事」といいますが、実際に野呂さんの話を聞いていると、テンポの速さと発想の飛び方、アイデアの湧く量に驚くばかり。
褒めちぎっているようですが、そのキャリアもすごいのです。大学を卒業して以来、野呂さんはほぼずっとフリーランスで活動しています。今のようなフリーランス全盛時代ではなく、昔から。もちろん、ご自身で会社を設立していますが、基本的に稼ぐのは野呂さんのみ。ちなみに、なぜ「エイシロウ」の部分だけカナ表記なのかと聞いてみると、テロップで流れる名前が漢字だけだと記憶に残りづらいからなのだとか。
さて、放送作家の仕事は何をするのかというと、テレビ番組を面白くするために、企画をとことん出して、プロデューサーが内容を決めるための材料を出し続けることだといいます。これが簡単なようで、なかなかできない。野呂さんは「バレーボールに例えると、放送作家はアイデアの“トス”を上げてよいのですが、“スパイク”はプロデューサーに打たせなければなりません」と説明します。アイデアのトス…実際にやろうとすると難しいんですよね。私がやろうとすると、すぐにスパイクを打ってしまいそう(笑)。
そして、アイデアを出し続けるためには、日頃からアイデアをインプットし続けなければなりません。野呂さんは、毎日のように「dマガジン」で新着雑誌を読み、流行や面白いネタを探しています。
「テレビの企画会議もスポーツのようなもの。練習しないと安定した成績(面白い企画を出すこと)は残せません。だから、インプットし続けることが大事なのです」
作家業でアプリを活用
また、PRコンサルの仕事は、あらゆる商品やサービスを上手にPRするための作戦を考える仕事。同じモノでも、良い言葉やキャッチコピーがのるだけで世界が変わるからです。「dマガジン」を隈なくチェックするのは、トレンドを知るためでもありますが、コンサル先の企業が載れそうな話題や雑誌を探すためでもあるそうです。
さらに、講演家の仕事は話すのがメインですから、これも「ことば」を使っています。野呂さんの講演は情報量が多くテンポが速いので、メモに取りきれません。それに、ご自身の発想と同じで話が飛びまくり。私は自称「ノート術のプロ」ですが、ノートが取りづらいこと、取りづらいこと(苦笑)。
さて、野呂さんのiPhoneを覗いてみると、「レココ(Recoco)」という音声を自動認識してテキスト化してくれるボイスレコーディングアプリが入っていました。精度改善の余地はありますが、無料かつ通常のレコーダよりタグ的に文字が自動的に途中に入るので、意外と使いやすい。なるほど、作家業でも自分の話術を最大限活用しているのですね。
また、テレビ東京のアプリ「テレビ東京ビジネスオンデマンド」は、「カンブリア宮殿」や「ガイアの夜明け」などの人気番組を時間を気にせず自由に視聴できるアプリ。野呂さん曰く、テレビ東京のニュースに取り上げられたあとに、ほかのメディアにも取り上げられ、話題が拡散していくことが多いのだとか。確かに、私も花王時代に「ワールドビジネスサテライト」に出演したあと、ほかのメディアからも取材がたくさん来たことを思い出しました。
野呂さんはセコいから、何でも使い倒そうとする性分だとご自身でいいます。本誌連載タイトルも「ケチの美学」ですもんね。アプリに関しても、無料・有料問わずいろいろなもの使い倒していらしゃいました。
会話の内容をテキスト化してくれるレコーディングアプリ「Recoco」。文字起こしの精度が若干不安定ですが、タグのように文字が起こされるため、あとから話の内容を確認したいときに重宝します。
テレビ東京が放送している経済番組を月額500円(税別)で見放題できる「テレビ東京ビジネスオンデマンド」アプリ。番組のダウンロードもできるので、オフラインでも放送をチェックできます。
野呂さんは大のスターバックス好きということで、公式アプリをしっかり愛用中。店舗で商品を購入したときにアプリで支払いできたり、最寄りの店舗をすぐに探せて便利です。
見る人/美崎栄一郎
『iPhoneバカ』『iPadバカ』などの著者。札幌から福岡までアップルストア全店舗、ソフトバンク本社などでも講演したiPhone大好き人間。『超速片づけ仕事術』(かんき出版)、『快速エクセル』(インプレス)が2冊同時に発売されました。【URL】http://note272.net/