アドビと協力しながら開発
iMac用のキーボードを買い換えようと探していたとき、ふと目に止まったのが、ロジクールから新しく登場した「クラフト(CRAFT)」です。アドビシステムズ(Adobe Systems)の協力によって開発された入力ダイアルが最大の特徴なのですが、アドビ製品を使う機会の多い僕にはアップル純正キーボードより便利なのではないかと思い購入しました。
第一印象は「あれ? 意外と重い」。ダイアルを回すときに本体がずれないための配慮だと思うのですが、この重さはタイピング時の安定感にもつながっていて、非常に好感触です。また、ダイアル部分とキーボード上部のプレートが金属製だったり、キーボードバックライトを備えていたりと、細部に渡るこだわりが満足度を高めてくれました。
使い勝手が考え込まれたダイアル
ダイアルは、Photoshopでは選んでいるツールによって機能が変化。明るさや彩度などの調整では自動的に調整レイヤーが作られ、オリジナルの階調を損なうことなく再調整が可能です。
機能に合わせて感触が変化
肝心のダイアルは、フォトショップ(Photoshop CC 2017)やイラストレータ(Illustrator 2017)では選択したツールによって機能が変わり、そのうえ機能によってダイアルの感触が変わるという心憎い演出までついています。たとえば、フォトショップの場合、ブラシサイズを変えるときは無段階に回りますが、操作の取り消しでは1ステップ分回すごとにカチカチと、わずかながらも小気味よい抵抗が発生します。
なお、ダイアルへの対応を謳っているソフトは、フォトショップやイラストレータ、プレミア・プロ(Premiere Pro CC 2017)など数が限られていますが、これは専用のプロファイルが用意されているという意味にすぎません。それ以外でも、ソフトごとにダイアルの機能を割り当てることができます。選択しているツールによってダイアルの機能が変わるというような柔軟さは望めませんが、設定次第であらゆるソフトの効率化が見込めるはずです。
逆にいえば、このキーボードは使い手を選ぶ製品かもしれません。ダイアルを活かすには、それぞれのソフトの機能を把握してどう使えば効率化につながるかを考える必要があるからです。
しかし、Macユーザであえて純正以外のキーボードを選ぶ人は、何かしらのこだわりを持つ人だと思います。この製品は、最大の特徴であるダイアルのみならず、質感やキータッチなど多くの面でこだわりのある作りになっており、そうした人たちの期待に応えてくれる製品だといえるでしょう。
キーボードとしての確かな品質
キータッチは、最近のApple製キーボードと違ってある程度の深さがあり、キーストロークが強めの僕にとっては大歓迎。キーもぐらつきがほとんどなく、しっかりとした打ち心地です。
キー割り当ては改善の余地あり
キー配置が、Apple純正キーボードとかなりの部分で異なるので注意が必要。Macの割り当てキーは○の中に刻印されているもので、括弧類のキーコンビネーションが変わってきます。正直、この点はほかの魅力をすべてくつがえすほどの欠点だと感じました。
[SPEC]
CRAFT
【発売】ロジクール
【サイズ】32(H)×430(W)×149(D)mm
【価格】2万3750円
【URL】https://www.logicool.co.jp/ja-jp/product/craft
【その他スペック】
【重量】960g 【備考】キーレイアウト:113キー日本語レイアウト/キー構造:パンタグラフ/キーストローク:1.8mm/キーピッチ:19.0mm/ダイヤル対応ソフト(Mac):Adobe Photoshop CC/Illustrator CC/InDesign CC/Premiere Pro CC(すべて2017以降)/フル充電期間:最大4時間
私が紹介します!
小平 淳一
編集、執筆、イラスト、デザインディレクションなど手広くこなす、ギークなマルチクリエイター。