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[売る]余ったiPhoneをより高く1円でもおトクに売るには??

[売る]余ったiPhoneをより高く1円でもおトクに売るには??

余ったiPhoneを活用

新しいiPhoneを買う前に、今使っているデバイスの処遇はどうしたらいいでしょうか。新製品を買ったあと、使い終わったデバイスは自宅で持て余してしまいがちです。使わなくなったデバイスを手放すとして、売却を希望する場合、大手ショップや通信キャリアに買い取りや下取りを申し込むのが一般的な方法ですが、アップルオフィシャルの下取りサービス「アップルRenewプログラム」を利用する方法もあります。

このプログラムを利用すると、今までよりもずっと簡単にアップルデバイスを売ることができるのです。これから、アップルRenewプログラムの詳細や手順、Q&Aなどを取り上げていきます。

それを見て、「アップルの下取り、思っていたより金額が安いな…」と思った人は、大手ショップや通信キャリアに買い取りや下取りを申し込んでもいいでしょう。ネットオークション「ヤフオク!」やフリーマーケットアプリ「メルカリ」を使った個人間取引を利用するという手もあります。手間や金額などを比較して、自分にとってベストな処分方法を決めましょう。

最後には、iPhoneを売る前にやっておきたい、買い取り査定額がアップする一工夫を載せておきます。ぜひ参考にしてください。

 

Apple Renewプログラムを完全理解

目的はリサイクル

2016年4月から、アップルが独自の下取り/リサイクルサービスである「アップルRenewプログラム」をスタートさせました。このプログラムをうまく活用すれば、これまでより簡単にアップル製品を売却することができます。

まず理解しておきたいのが、アップルRenewプログラムは、使い終えたデバイスを回収してリサイクルするのが目的だということです。ソフマップなどといった買い取りを行っているショップとは異なり、ここで下取りしたデバイスは再販されることはありません。デバイスはすべて分解され、リサイクルされます。

買い取りとは異なる

アップルRenewプログラムを利用する場合、アップルストアに持ち込むか、アップル公式サイトからオンラインで申し込むかの2通りが選べます。これらは下取りの手順がそれぞれ異なるので、申し込む際には注意が必要です。また、アップルRenewプログラムの下取りは、20歳以上でなければ利用できません。これはアップルストアとアップル公式サイトで共通です。

アップルストアに行って直接下取りを申し込む場合は、その場で新しいiPhoneやiPad、アップルウォッチを購入することが前提になります。その際、不要になったiPhoneやiPadを下取ってもらい、その代金を支払いの一部に充てられます。

一方、アップル公式サイトで申し込む場合は、ページのリンクからパートナー会社である「ブライトスター(Brightstar)」のオンラインフォームを利用して下取りを申し込みます。下取り対象のデバイスを指定の住所に送り、査定終了後に下取り金額がチャージされた「アップルストアギフトカード」がメールで届く、という手順になっています。

このギフトカードは、近くのアップルストアやアップル公式サイトで製品を購入する際に利用できます。アップルストアが近くにない人でも自宅から申し込めるので、すぐにでも使わなくなったiPhoneやiPadを下取りに出すことができます。また、Macや他社製のスマートフォン、ウィンドウズパソコンを下取りに出せるのもメリットの1つです。

アップル製品の中でも、iPodはアップルRenewプログラムの対象外です。別のサービスとして、不要になったiPodをアップルストアに持って行くと、その場でiPodタッチを購入する場合に限り10%割引が適用されるというものがあります。ただし、iPodシャッフルは持ち込み対象外です。

Apple Storeで売るメリット

[その1]その場で新しいデバイスにグレードアップできる

[その2]不明な点をApple Storeのスタッフが丁寧に解説してくれる

[その3]希望ならパーソナルセットアップまでしてくれる

[その4]キャリア版のiPhone、iPadにも機種変更できる

Apple公式サイトで売るメリット

[その1]Apple Storeまで持って行く必要がない

[その2]下取り金額の見積りができる

[その3]配送キットが送られてくるのでデータを消去してApple製品を返送するだけ

[その4]Macや他社製のスマートフォン、ウィンドウズPCも下取りに出せる

Apple Storeで下取り

(1)下取りに出したいデバイスを持って、近くのApple Storeへ行きましょう。アApple Renewプログラムでの下取りは、キャリア版の機種変更の場合でもOKです。新しく購入するデバイスも、一括購入か割賦購入かを選択できます。Apple Renewプログラムに関して疑問点があれば、この時点でいろいろ質問しておきましょう。

(2)ストアスタッフが端末をチェックし、査定額を提示してきます。問題なければ、身分証明書を提示し、進めましょう。下取り後にキャリア版の新機種を買う場合は、キャリアの契約更新手続きもApple Storeで行います。

(3)下取り金額がチャージされた「Apple Storeギフトカード」がもらえます。一括払いならその場で新しい端末代から値引きしてもOK。割賦支払いの場合は、店内の商品購入に充てられます。下取りに出したデバイスはリセットされ、データが完全に消去されます。SIMカードが取り出され、気泡緩衝材に入れられてついに昔のデバイスとお別れです。

(4)下取り後に買った新しい端末は、SIMカードのセットからバックアップデータの復元、キャリアメールの再設定までストアのスタッフがサポートしてくれます。面倒だと思っていた下取りですが、ストアのスタッフは丁寧で、思っていたよりずっと簡単に終わらせることができます。

Apple公式サイトで下取り

(1)まず、Apple公式サイトにあるApple Renewプログラムのページにアクセスしましょう。下取りに出したいデバイスのリンクを選択します。ブライトスターのオンラインフォームに切り替わったら、下取りに出したいデバイスの製造番号やモデルナンバー、シリアル番号を入力して[検索]ボタンをクリックしましょう。検索結果が表示されたら、デバイスの状態に関する質問項目に回答して、フォームに沿って進めましょう。【URL】http://www.apple.com/jp/recycling/

(2)オンライン上での申し込みが完了したら、3~5営業日以内にデバイス発送用の配送キットが佐川急便の「受取人確認サポート」という配達サービスで登録住所に届きます。配送キットには、「申し込み内容確認書」やマニュアルなどが同梱されています。内容確認書に署名をし、緩衝材に入れたデバイスと一緒に返送しましょう。データの消去やSIMカードの抜き取りも返送前に自分で行います。

(3)デバイスを返送すると査定が実施され、査定結果が登録メールアドレスに届きます。下取りが成立すると、物理的なカードではなく、登録したメールアドレスにApple Storeギフトカードが届きます。ギフトカードはApple StoreまたはApple公式サイト上で利用しましょう。

 

Apple RenewプログラムのQ&A

疑問点を解決しよう

ここまで、アップルRenewプログラムの概要や手順を紹介しました。ですが、実際に行ってみるとわからないことはまだあるかも知れません。そこで、プログラムの利用時によく聞かれるという質問とその回答を集めてみました。

まず、アップルストアで申し込む場合ですが「普段あまり利用していないので、誰に声をかけたらいいかわからない」と心配される方も大丈夫。入店したら近くにいるスタッフに声をかけましょう。このプログラムは全員が対応できるようにトレーニングされているので、誰でもプログラムを案内してくれます。

また、アップル公式サイトからのオンライン申し込み時はどうでしょうか。こちらでは、査定を希望するデバイスの検索がうまくできないというトラブルがよく見受けられるようです。この場合、必要な情報は「モデル」「シリアル番号」「製造番号(IMEI)」のいずれかになりますが、これらはすべて「設定」アプリの中から[一般]→[情報]から調べられます。

複数台のデバイスを同時に下取りしてくれるの?

ストアでは台数制限あり

アップルストアで行われているRenewプログラムは、iPhone、iPad、アップルウォッチいずれかの購入(キャリア契約モデルを含む)を前提に申し込めます。対象デバイスはiPhone、iPad、他社製スマートフォン、フィーチャーフォン(ガラケー)。iPhoneとiPadは、同時に1台までです。新規購入がない場合、複数台の下取りを希望する場合は、制限のないオンライン申し込みを検討しましょう。

Apple公式サイトでの申し込みはデバイスごとに行う必要があるものの、台数制限はありません。MacやPCの下取りも可能になっているなど、Apple Storeにないメリットもあります。

どれくらいの傷までなら下取り価格がつくの?

小さな傷や凹みは減額対象外

Renewプログラムの査定では、大きく分けて「電源は入るか」「画面は割れていないか」「ボタン類は動作するか」「筐体の歪みや大きな破損はないか」「水濡れによる損傷はないか」「カメラは動作するか」の5つの項目でチェックを行い、すべてクリアしているものだけ下取り価格がつくようになっています。これらは厳格にチェックされる一方で、経年劣化による簡単な汚れや小さな擦り傷、凹みといったものは減額対象外にならず、下取り可能です。

チェック項目をすべて満たせば、美品でなくても金額がつくようです。判断に迷ったら、まずはApple Storeに持ち込んで相談してみましょう。

どんなデバイスでも下取りできるの?

対象デバイスのみ可能

アップルストアに持ち込む際の目安としては、iPad 2以降のiPad、iPhone 5以降のiPhoneが対象になっています。下取り可能なデバイスの詳細は、アップル公式サイトで確認しましょう。アップル公式サイトではストアではできないMac、他社製のスマートフォン/フィーチャーフォンの下取りも可能です(対象機種のみ)。価格がつかないアップル製デバイスについても、引き取り自体はアップルストアにて無料で行っています。

Apple公式サイトでは2007年以降に発売されたMacの下取りなども申し込みが可能。また引き取りは2003年10月1日以降に発売されたMacであれば、無料でリサイクルを引き受けています。

ストアと公式サイトでは下取り価格が違うの?

下取り価格は原則同額

アップルストアとアップル公式サイトの査定基準・下取り価格はまったく同じです。これは最終的に引き取りを行うベンダーが同一の会社だからです。その場で査定結果を出してもらい購入時にすぐに割引利用できるのがストアのプログラムで、デバイスを発送して査定された金額がギフトカードにチャージされ、好きなときに買い物時の割り引きとして利用できるようにするのが公式サイトのサービス、というスタンスが大きな違いとなっているようです。

Apple Renewプログラムはブライトスターが行っており、Apple公式サイトもApple Storeもすべての同社の基準によって下取りを行っています。

割賦の残債があっても下取りはできるの?

「赤ロム」でなければOK

Renewプログラムには、キャリア契約しているモデルも申し込めます。さらに端末を割賦で購入している場合でも、残債の有無に関係なく下取りができるのは大手の買取ショップなどにもない大きな特徴です。ただし、支払いが滞納していたり、端末が紛失の扱いになってネットワークが利用制限(ロック)されている、いわゆる「赤ロム」となっているものは下取りの対象外となってしまうので注意しましょう。

自分の端末が「赤ロム」かどうか調べるには、窓口で調べてもらうほかに、各キャリアが提供しているネットワーク利用制限確認サイトで自分のIMEIを入力することでチェックが可能です。

イヤフォンやケーブルなどの付属品や元箱は必要?

必要なのは本体のみ

下取られるiPhoneやiPadは、本体のみが対象となり元箱や付属品といったものは必要ありません(ストア・公式サイト共通)。イヤフォンや電源アダプタ、ライトニングケーブルなどはそのまま手元に残しておくことができるのも、大手の買取ショップなどとは異なります。不要な場合は、同梱して申し込むことで不用品として廃棄してもらうことが可能です。ただし、Macをオンラインで申し込む場合のみ電源アダプタ(もしくはケーブル)が必要です。

ケーブルや電源アダプタなどの付属品は、大きく世代が変わらない限り使い回せます。下取りの際に、減額されることがなく手元に残しておけるのは大きなメリットになるでしょう。

ギフトカード以外の方法で下取り金額を受け取れるの?

現状はギフトカードのみ

査定された金額はストア、公式サイトともにギフトカードにチャージする形で支払われ、現時点ではほかの選択肢はありません。ストアでの手続きでは、そのまま端末購入の割引として利用できるほか、残しておいて別の購入時に使えます。ギフトカードの特長には、有効期限がないこと、複数のカードを合算して(最大でストアでは5枚、公式サイトでは7枚まで)より大きな買い物に充てられることなどがあります。

Renewプログラムを申し込むと、査定額は例外なくギフトカードにチャージされて渡されます。買取額は相場の平均以上ですが、現金での受け渡しは行っていないので注意しましょう。

申し込んだあとにキャンセルはできるの?

引き渡したあとは不可

規約書にも記載ならびに引渡し時に同意確認が行われますが、引き渡し手続きを完了したあとはキャンセルしてデバイスを返却してもらうことができません(オンライン申し込みのみ、査定額の連絡時に同意できなければキャンセル可能)。必要なバックアップは事前にとっておくこと、デバイス内のデータは自分で消去してから引き渡すこと、SIMカードは事前に取り出しておくこと。この3点は必ずやっておくよう心がけましょう。

下取り時のトラブルでよく聞かれるのが、SIMカードの取り忘れ。再発行はキャリアショップなどで可能ですが、手数料が3000円程度かかります。

下取り金額はアップすることはできるの?

結論から言えばこれは「No」でした。オンライン申し込みで確認できる見積もり金額が最高額となるそうで、これ以上アップすることはありません。これは、下取りサービスそのものはブライトスターが運営しており、Apple Storeはあくまでその受付と支払いの代行業務を担う、という位置付けだからなのでしょう。

なお、Apple公式サイトで表示される見積もり額はあくまで自己申告がベースになっています。正確な金額は送付後の査定を経てメールにて連絡されます。金額に満足できない場合は、キャンセルすることも可能です。

ストアの店員さんに、査定額の交渉しても、応じてくれることはありません。事前に公式サイトで金額を確認しておくとスムースでしょう。