複数の写真をコンタクトシートとして印刷する
たくさんの写真からいいものを選ぶときに便利なのがコンタクトシートです。複数の写真を1枚の紙に敷き詰めて印刷することでディスプレイ上のサムネイルやスライドショーよりも詳細が比較しやすいというメリットがあります。このコンタクトシートを作成するには、アドビ・フォトショップのようなプロ用ソフトが使われることが多いのですが、実はプレビューだけでできてしまいます。複数の写真を選んだ状態でプリントを行って、[レイアウト]メニューで1枚の紙に印刷するページを指定します。最大16ページまで指定できるので4×4枚のコンタクトシートが印刷できるわけです。
(1)ファインダ上でコンタクトシートに含めたい画像ファイルをすべて選択し、プレビューで開きます。ドックのプレビューアイコンにドロップするのが確実でしょう。
(2)サイドバーにサムネイル表示されますので、これをすべて選択してからプリントダイアログを出します。
(3)[プレビュー]になっているドロップダウンメニューを[レイアウト]に変え、[ページ数/枚]のドロップダウンメニューで1枚に並べたい写真の枚数を選びます。
(4)そのままMacに接続されているプリンタで出力したり、PDFとしてファイル保存したりできます。
画像から任意のオブジェクトや背景を切り抜く
プレビューでは矩形や楕円で画像の一部を選択して、削除またはコピーが可能です。実は、こうした単純な形だけでなく詳細な選択範囲も指定できます。アプローチは2つあり、まずは[インスタントアルファ]で特定の色の部分を抽出できます。同系色のオブジェクトを抽出するのに便利です。次に、[スマートなげなわツール]を使うと、ブラシでなぞった範囲のうち境界線を自動的に抽出して選択範囲にできます。これらの機能を組み合わせるとプレビューだけで高度な画像編集が行えるというわけです。もちろん、切り抜いたファイルはマスク付きのPNGやPSDファイルで書き出せるので、透明度を保ったままほかのソフトに受け渡せます。
(1)マークアップツールを出しておき、[インスタントアルファ]をクリックします。そして、切り抜きたい色の上にポインタを乗せてドラッグします。ポインタの移動距離に応じて色の許容範囲が変わります。
(2) 主翼の端(ウィングレット)にあるハートマークを切り抜きました。コピー&ペーストして切り抜いたオブジェクトを貼り付けることができます。
(3) 選択範囲ツールから[スマートなげなわ]を選びます。切り抜きたい部分を囲むようにストロークを描いていきます。細かい部分は自動的に切り抜かれます。
(4) ストロークをつなげてクリックボタンから指を離すと選択範囲が出来上がり、[delete]キーを押すとその部分を透明にできます(図では黒い部分が透明)。
複数の画像をまとめてリサイズ
複数の画像を一括してリサイズするようなソフトはたくさんありますが、単純にサイズを統一するだけならプレビューだけでも充分でしょう。複数のファイルを同時に開いてサイドバーのサムネイルをすべて選択してから[サイズを調整]を行うだけです。あとはウインドウを閉じれば上書き保存されてファイルに反映されます。
(1)複数の画像を同時に開いてサイドバーからサムネイルを全選択し、[ツール]メニューの[サイズを調整]を選びます。
(2)幅もしくは高さの数値を入力すればすべての画像がそのサイズに変更されます。
アイコンデータを抽出する
macOSのソフトやフォルダ、ファイルには高解像度のアイコンデータが埋め込まれています。これは簡単に画像として取り出すことができ、オリジナルアイコン制作のベースなどとして利用できます。方法は簡単でファインダ上で項目を選んで[情報を見る]ウインドウを出しアイコンをクリックしてコピー、それからプレビューで新規ファイルを作成すればいいのです。
(1)ファインダ上でファイルやソフトなどを選んで[command]キー+[I]キーで情報ウインドウを出し、左上のアイコンをクリックしてからコピーします。
(2)プレビューに切り替えて[command]キー+[N]キーを押せばコピーしたアイコンデータが新規ファイルとして開きます。保存または書き出しを行いましょう。
ウインドウの背景の色を変える
プレビューのウインドウの余白や透明部分は、デフォルトではグレーで表示されます。ここの色は、プレビューの環境設定で変更することができます。たとえばブラックにすると画像を閲覧すると引き締まって見えますし、ホワイトにすると紙焼きの写真のようになります。
プレビューの[環境設定]の[一般]タブで[ウインドウの背景]をクリック、カラーピッカーで好みの色に変えられます。
正方形や真円で範囲を選択する
矩形や楕円で範囲を選択するとき、正方形や真円で切り抜きたいことがあるでしょう。そのときは[shift]キーを押しながらドラッグします。また、[option]キーを押しながらドラッグすると開始点を中心に範囲が選択できます。
[shift]キーで縦横比を固定、[option]キーで中心からの選択ができ、両方押せば中心から縦横比を固定で選択できます。
100%スケールの定義を変える
かつて画像ファイルを100%表示するというのは、1ピクセルをディスプレイの1ピクセルで表示することでした。しかし、レティナディスプレイの登場でその法則は崩れています。そのため、プレビューでは100%の定義をプリントサイズにするかディスプレイのピクセルにするかを変更できます。
[画面上のサイズ~]に変更するとプリントしたときの物理的な大きさになり、縮小率はディスプレイのサイズに依存するようになります。
すぐ効く! 便利ショートカットワザ
すべてのイメージをウインドウに合わせる
プレビューでは1つのウインドウで複数の画像を開けますが、このショートカットキーを押せば各画像が現在のウインドウサイズにフィットします。
【複数の画像】
複数の画像ファイルを開いたときに個別のウインドウで開かれてしまったときは環境設定で[ファイルを開くとき]のオプションを[すべてのファイルを1つのウインドウで開く]に切り替えましょう。
【画像サイズ】
画像のプリントサイズは設定された[解像度]で決まります。たとえば、フルHDの画像は72dpiで印刷すると約67×38センチになりますが、300dpiで印刷すると約16×9センチになります。