Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

[Interview]Jeff Miyahara

Jeff Miyahara

作曲家、音楽プロデューサー。三代目 J Soul Brothers、JUJU、西野カナ、クリス・ハートといった大物アーティストをプロデュースし、次々とヒット作を生み出す。また、Boyz II Menや少女時代、EXO、シェネルなど、世界のトップクラスのアーティストとの仕事を通じ、海外にも活躍の場を広げている。

最高の仕事をするために

「どんな環境でも、限られた納期の中でベストな結果を出すのがプロなんです」

さらりとそんなふうに言ってのけるのは、音楽プロデューサーのジェフ・ミヤハラ(Jeff Miyahara)さん。国内の錚々たるアーティストのプロデュースを一手に引き受ける他、海外ミュージシャンとも積極的にコラボ。さらに自身もソングライターとして活躍するなど、マルチな才能をいかんなく発揮している人物です。

ジェフさんのホームスタジオを訪れてみると、仕事を終えたばかりというジェフさんが「いろいろ用意して待ってましたよ!」とニヤリ。最初の一品は、ケンジントンのトラックボールです。

「僕は仕事では絶対にトラックボールとテンキー付きのアップル純正キーボードを使うって決めているんです」

なぜトラックボールとテンキー付きキーボードなのか。実は、そこにジェフさんならではのプロフェッショナリズムがありました。

「音楽制作に使っているソフトは、業界スタンダードのプロツールス(Pro Tools)。このソフトはテンキーにショートカットが割り当てられているので、素早い操作のためには欠かせないんですよ」

さらに、ジェフさんはホームスタジオでばかり仕事をするわけではありません。海外も含め、あちこちのスタジオで楽曲制作や収録を行います。そうした外部のスタジオで使われているのが、トラックボールだというのです。

「外のスタジオでは、基本的にトラックボールマウスが主流です。だったら自分もそれに慣れておかないと、普段どおりのパフォーマンスを発揮できないですよね」

次にジェフさんが見せてくれたのは、コンパクトで頑丈なトランク。その中から出てきたのは、MacBookプロとテンキー付きのワイヤレス版「マジック・キーボード(Magic Keyboard)」、トラックボール、そしてキックスターターで入手した折りたたみ式のMacBookスタンドです。

「これだけあれば、旅先でもいつもどおり仕事をすることができます。こんな少ない持ち物で済むのも、MacBookプロやクラウドサービスのおかげ。昔は重くても必要なものを全部持ち運んでいましたから」

Kensingtonのトラックボール

プロ御用達の音楽製作ソフト「Pro Tools」では、テンキーにショートカットが割り当てられており、素早く使いこなすためにはテンキーが必須。また、トラックボールを愛用しているのは、多くのスタジオの標準設備であることと、普通のマウスではスタジオで操作できるスペースがあるかもわからないからだといいます。

SURVIVORシリーズのUSBメモリ

耐衝撃、耐水深度200メートルを実現する超強固USBメモリ。通常のUSBメモリよりもはるかに頑丈なので、安心してデータの持ち運びができます。ジェフさん自身はクラウドサービスをメインで使っていますが、業界的にはまだまだUSBメモリを使う機会もあるため、破損の心配がないものを選んでいます。

ダイモのラベルキューティコン

一見するとラベルライターのように見えますが、実は出てくる文字がエンボス加工されるもの。手動で文字を打っていくので電池いらずで動きます。「強力な接着テープですので、剥がすときが大変(笑)。皆さんもくれぐれもご注意ください」と笑いながら話してくれました。

仰天のホームシアターも!

ジェフさんのこだわりはまだまだ尽きません。たとえば、トウェルブ・サウス(Twelve South)製のMacBookスタンド。これはアーティストと一緒に作業する際、持ち込みのMacを接続するときに立てて置けるようにと配慮したもの。また、どのスタジオでも自宅と同じ環境を再現するための起動ディスクや、NASに対応した高性能ストレージ「ドロボ(Drobo)」など、仕事をスムースに進めるためにベストだと判断したものは躊躇なく取り入れているそうです。

「僕一人で仕事しているわけではなく、たくさんの人が関わっていますからね。納期までの限られた時間で最大限クオリティを上げるためには、できることは全部やろうと思っています」

なるほど、納得です。ジェフさん、ありがとうございました! と帰ろうとしたところ、「最後にもう1つだけ見せたいものがあるんです」とのこと。いったい何なのでしょう…?

ジェフさんがおもむろに部屋の明かりを消し、iPhoneを操作すると、なんと天井から巨大スクリーンが! そこに映し出されたのは、アップルTVの画面です。

「仕事のプレゼンで使うこともありますが、仕事終わりにプロデュースしたアーティストのライブ映像を見たり、ゲームで遊んだり…アウトプットのためのクリエイティブ・インプット・タイムとしても最高なんです」

いやはや…、スケールが違いすぎました!(文/山田井ユウキ)

Droboのストレージ

作業用として使っているメインのiMacには、高性能ストレージ「Drobo」が接続されています。Droboの中には、なんと合計20TB近くのHHDがセッティングされていて、常にTime Machineでバックアップを取っています。

音響透過型スクリーンとBenQのプロジェクタ

天井に据え付けられた100インチの音響透過型スクリーンに、BenQのプロジェクタから映像を投影するホームシアター。スクリーンやプロジェクタの操作はすべてiPhoneから操作。ここでゲームをしたりライブ映像を見たりするのが、ジェフさんのクリエイティブ・インプット・タイムです。

PlayStation 4のコントローラ

Mac ProとThunderbolt DisplayにPlayStation 4のコントローラを接続しているジェフさん。専用アプリ「PS4リモートプレイ」を使ってPlayStation 4をリモートで操作、仕事の合間に隠れて遊んでいるそうです。また、アーティストとのコミュニケーションのためにもPlayStation 4は大切なツールなのだとか。