見せる人/三橋克仁
株式会社マナボ代表取締役。東京大学工学部卒・同大学院工学系研究科修士修了(機械工学専攻)。個別指導講師とプログラミングの両方の経験を活かし、2010年株式会社リンケイジアジャパンにて受験生向けコミュニティ「東大ノート」を開発・運営。manaboのプロトタイプ開発者。【URL】http://manabo.com/index.html
三橋克仁さんのiPhoneメイン画面にあるアプリ App Annie/MyScript Calculator/NewsPicks/LINE@/いきなりステーキ
教育の仕組みを変える
今回のゲストは、教育系ITベンチャーである株式会社マナボの代表取締役社長・三橋克仁さんです。私が最初に三橋さんと知り合ったのは、三橋さんが東大時代に私の著作を読んでブログに記事を書いてくれたことがきっかけ。その後、三橋さんは大学院在学中に起業の道を選び、株式会社マナボを設立しました。
新進気鋭のオンライン学習サービスである「マナボ(manabo)」がどのようなものなのかというと、まず学生が日頃の勉強でわからない問題があったときに、スマートフォンでその問題を撮影し、質問をマナボのアプリに投稿します。すると、その問題に答えられるチューター(先生)が立候補します。生徒は表示される複数のチューターの中から、教え方などの評価を参考にしつつ、教えてほしいチューターを選択。すると、リアルタイムでチューターと生徒が音声でつながり、家庭教師から問題の解き方を学ぶことができます。生徒と先生をインターネットでつないでしまうという画期的なサービスとして、昨今注目を浴びているのです。
さらに、マナボは大手予備校や通信教育企業とも提携しており、提携先の予備校などでも、マナボを使ったネット家庭教師サービスが受けられるそうです。iPhoneが普及し、インフラとしてのスマホ環境が整ったおかげで、マナボは教育を従来の“対面”だけのものから変えようとしています。
また、マナボのサービスはインターネットを経由するので、指導履歴がしっかり残る仕組みを構築しているのだとか。これが有効活用されると教育の仕組み自体が変わってきそうです。従来の教育は“ライブ”のみだったため、記録が残しづらかったですからね。
市場調査もしっかりと
さて、そんなマナボを経営している三橋さんはどんなアプリを使っているのでしょうか。
まず1つ目が、アプリのダウンロード数などを調査できるサービス「アップアニー(App Annie)」。テレビの「視聴率調査」のようなことができるサービスですね。たとえば、マクドナルド、モスバーガー、ロッテリアが配信しているアプリの中で、どれがどのくらいの頻度で起動されているか、ダウンロードした人の年齢層はどれくらいか、などの情報を調査することができます。マナボのサービスもアプリが基本ですから、他社のアプリの動向も含めて、いろいろと情報を収集し解析する必要があるわけです。スマホをメインに事業展開をしている三橋社長ならではのアプリですね。
さらに、「マイスクリプト・カリキュレータ(MyScript Calcula or)」もインストールしてありました。これは手書きで計算ができるアプリです。iPhone上に「3+3=」のように手書きで数式書くと、すぐにテキスト変換され、計算結果まで表示されるという優れもの。通常の電卓アプリでは入力するのが大変だった分数やルート計算などといった数式も、手書きでスルスルと入力できて非常に快適。ホント、学生時代に知っておきたかったアプリですね(笑)。
最後に紹介しておきたいのは、やっぱりマナボのアプリ。ダウンロードは無料ですし、登録してから1週間以内に60分までは何度でも質問できます。そういえば、大人になってから再度勉強をする人にも使えそうですね。
読者の皆さんの中には、学生のお子さんがいる方も多いと思いますが、マナボは気軽に使えるアプリなので本当におすすめです。わからない問題をiPhoneで撮って質問すればいいだけですからね。指導のログも残るので、復習にもぴったり。先生が書いた順番に、ペンのストロークまで含めて解答を再生できてしまうのは、近未来感を感じます。基本的にiPhoneの画面には答案の解答が映し出されるので、お互いのやりとりは音声のみ。なので、パジャマ姿で勉強していてもその姿を晒す必要もありません。家庭教師を呼ぶのであれば、家の中をきれいに保たなければいけませんが、マナボならその必要もないですよ。
勉強していてわからない問題があったとき、いつでも解き方を教えてもらえる画期的なオンライン学習サービス「manabo」。学生は問題をiPhoneで撮影して投稿すれば、リアルタイムで問題の解き方を教えてもらえます。
アプリの市場調査に便利な「App Annie」。現在どのアプリが人気なのか、ダウンロードしている年齢層はどのくらいなのかなど、アプリで事業展開している企業には欠かせないサービスです。
iPhoneにも「計算機」アプリがありますが、ルート計算などの複雑な式は入力できません。「MyScript Calculator」は手書きで計算式を入力するだけで結果が表示されるアプリ。ホント、便利な世の中になりましたねぇ。
見る人/美崎栄一郎
『iPhoneバカ』『iPadバカ』などの著者。札幌から福岡までアップルストア全店舗、ソフトバンク本社などでも講演したiPhone大好き人間。『超速片づけ仕事術』(かんき出版)、『快速エクセル』(インプレス)が2冊同時に発売されました。【URL】http://note272.net/