ノートブックと同程度
Macに限らずノート型コンピュータの需要が日本市場で高いのは、世界有数の人口密度に伴う住宅事情によるところが大きい。
そのため、iMacのようなディスプレイ一体型のデスクトップは一般的には場所を取るからと敬遠されがちだ。しかし、実のところはiMacが要求する設置スペースは少ないといったらどう思われるだろうか。そのことを証明するために、MacBookプロシリーズと比べてみた。
まず、ディスプレイを開いたときの奥行きは13インチMacBookプロで約31センチ、15インチで約35センチになる。その一方、iMacのスタンドの奥行きは21・5インチで17.5センチ、27インチでも20.3センチとなっており、MacBookプロよりも短いのである。なお、ディスプレイは最大角度で開いたときの長さで計測した。見やすい角度は状況によって違うからだ。
つまり、占有面積は21.5インチは13インチMacBookプロ、27インチは15インチとMacBookプロとほぼ同等といえる。もちろんここにはキーボードやマウスが含まれていないし、横幅はいずれもMacBookプロよりも長く、単純には比較できない面もあるが、デスクトップでもかなり省スペースであることはわかるだろう。このことはケーブルの配線にも自由度をもたらすはずだ。
21.5インチiMacの設置スペース
21.5インチiMac本体の設置スペース面積は幅(52.8cm)×奥行き(17.5cm)の924平方センチメートル。それに加えて、キーボードやマウスを追加した分が必要だ。マウスは移動範囲が定量化できないので図にはトラックパッドを描いている。
13インチMacBookプロの設置スペース
13インチMacBookプロ自体の面積は21.24×30.41センチなのだがディスプレイ開くと奥行きが増える。いっぱいに開くと31センチになり、実はiMacよりも奥行きが必要。キーボードの奥行きを足してもまだiMacのほうが省スペースなのは意外ではないだろうか。
27インチiMacの設置スペース
27インチは自重を支えるためスタンドの奥行きが20cm以上もある。幅が広いため設置スペースは1319.5平方センチメートルとなり、21.5インチの1.5倍近い。とはいえ15インチMacBookプロと大差ないのだから驚きだ。
15インチMacBookプロの設置スペース
15インチMacBookプロも本体の奥行きは24.07cmしかないが、ディスプレイをいっぱいに開くと35cmになる。やはり27インチiMacよりも奥行きが長い。面積で比べれば27インチiMacは幅がとても広いのでさすがにMacBookプロのほうが狭くなっているが、差は100平方センチメートル程度である。
目線の高さが気になる場合も
iMacの設置スペースは案外小さいが、スタンドに垂直方向への高さ調整機能がついていない点が気になる人もいるだろう。ただし、iMacの画面は上下にマイナス5度から24度の範囲でチルト(傾き)角度がつけられる。また、左右方向のチルトはないものの、指一本で滑らかに首振りできる。一般的な机や椅子であれば、27インチの大画面でも高さを調節して快適に利用できる。
しかし、万が一椅子の座面や机の高さが自分にフィットしていないと、特に27インチでは画面をやや見上げる姿勢になってしまうことがある。このポジションでは上下の視線移動が増えたり首に負担が掛かってしまいがちだ。その場合は、物理的に台の高さを調整するのも手だ。
iMacの設置ポジション
iMacを低く設置する
どうしても高さを調整したい場合は、スマートではないが、机の奥に台を用意してiMacを一段低く設置する方法もある。iMacが不安定になると心配かもしれないが、壁を背にすれば倒れることはない。
COLUMN/VESAマウントモデルもある
あまり知られていないが、iMacにはスタンドの代わりにVESAマウントアダプタを装備したモデルも用意されている。各5000円増しでVESA規格に準拠したマウントを使って壁掛けにしたり、ディスプレイアームを利用できる。iMacをより自由なレイアウトで設置できるわけだ。
以前はVESAマウントアダプタが別売りされており、ユーザがスタンドをVESAマウントに交換できたが、現在はVESAマウントモデルを購入するしかないので事前のプランニングが必須。もちろんiMacは通常のディスプレイよりもかなり重いので、ディスプレイアームを使うときは、10キロ以上の重さに耐えられる製品を用意しよう。