New MacBookをベンチマークで性能チェック!
iMacと違い、前モデルの登場から1年も経たずにアップデートしたMacBookシリーズ。こちらもプロセッサを第7世代の「ケイビーレイク」にしたことが今回の大きな目玉だ。プロセッサの変更に伴い、グラフィックスも「Intel Iris Plus Graphics 540/550」から640/650にアップグレード。15インチモデルも「Radeon Pro 555」もしくは560にパワーアップしている。さっそく前モデルと比較して、どれぐらい性能が変わったのかを確認してみた。特に8カ月しか「新モデル気分」を味わえなかったユーザにとっては、新モデルのパフォーマンスの結果が気になって仕方がないだろう。
ベンチマークテストに使用した最新モデルは、MacBookプロ15インチ(2.9GHz コアi7)、同15インチ(2.8GHz コアi7)、同13インチ(3.1GHz コアi5)、MacBook 12インチ(1.2GHz コアm3)の4つ。MacBookプロ15インチ 2016モデル(2.7GHz コアi7)と、同13インチ 2016年モデル(2.9GHz コアi5)、MacBook 12インチ 2016モデル(1.1GHz コアm3)を比較してみた。それぞれの値も参考値として載せておくので、チェックしてほしい。
さて、ベンチマークを終えた結論からいうと、それぞれの値は確かに向上しているものの、その差は僅か。実際にそれぞれのマシンを使用した体感速度は、正直言ってしまうとほとんど同じで、筆者は違いをほとんど感じられなかった。
フォトレタッチを繰り返すバッチ処理など大量な作業を行わない限りは、結果に大きな差は生まれないだろう。逆に数世代前のモデルを使用しているユーザは、買い替えのメリットは大きいと考えてよい。自分の用途に応じて、最適なマシンを選択してほしい。
Geekbench 4でプロセッサ性能をチェック
「Geekbench 4」で計測したプロセッサ性能の結果は、見てのとおり差は出たものの違いはごく僅かだ。通常の操作や作業で体感できるほどではない。2.8GHz コアi7を搭載した15インチ 2017モデルの値からもわかるように、プロセッサ性能を望むならデュアルコアのコアi5より、オプションでクアッドコアのコアi7をチョイスすることをおすすめする。
Geekbench 4 Computeで描画性能をテスト
CPUの値と同様に、GPU性能の結果もそこまで違いが出なかった。少してもプロセッサやグラフィック性能を望むなら、コアi7搭載モデルを選ぼう。GPUを載せているMacBook Pro 15インチモデルが飛び抜けているが、下位モデルの差はほとんどない。ゲーム用途を考えているのなら、少なくともMacBook Pro 13インチ以上を選ぶべきだろう。
内蔵ディスクの差はどこまで?
参考までに、ディスクベンチマーク「AJA System Test」を使用してMacBook Proの2017年モデルと2016年モデルの内蔵ストレージを計測してみた。結果、リード/ライトタイムも大きな違いは見られなかった。どれも搭載しているSSDの性能は、ほぼ同等と見てよいだろう。データの読み書きだけでなく、システムの起動から操作レスポンスに関わるので、SSDの性能アップは重要ポイントになる。
AJA System Testは、Macのディスクスピードを簡単に計測できるソフトだ。Mac App Storeから無料でダウンロード可能なので、試してみてはいかがだろうか。
MacBookファミリーのラインアップを理解しよう!
選び方のポイント
ここでは改めて新型MacBookおよびMacBookプロ、販売継続となったMacBookエアのラインアップについて整理していこう。
まず、内部パーツの刷新で大幅なスピードアップを果たした12インチのMacBookは、256GBモデルで14万2800円、512GBモデルで17万5800円となる。2017年6月6日に発表された最新の価格情報では、2016年モデルに比べてそれぞれ1万
4000円と1万7000円の値上げとなる。ただし、北米での価格は据え置きのため、円安に伴う価格調整とみられる。
しかし、メモリが購入時2万2000円の追加で8GBから16GBに倍増できるオプションが追加されたのは朗報だ。これまで基本性能に不安を覚えていた人にとっては安心できる材料となる。
13インチのMacBookプロは、タッチバー非搭載モデルに新たに128GB SSDのエントリーモデルが追加された。全体的に前モデルより1万6000円から2万2000円の価格アップとなる中、12インチのMacBookのエントリーモデルと同じ14万2800円から購入できるモデルの追加は喜ばしい。無論エントリーモデルでもストレージ容量以外のスペックアップはなされているので、タッチバーは不要という人にとっては有力な選択肢となるはずだ。
15インチのMacBookプロはいずれもタッチバーを搭載しているので、基本モデルの設定はストレージの容量が256GBのモデルと512GBのモデルが2種類のみ。前者は価格改定で25万8800円からとなり、2016年モデルからは2万円のアップ、後者は30万2800円からで2万4000円のアップとなる。ただし、プロ向けのハイエンドモデルでは本体価格よりも用途に合わせてオプションをどこまで強化できるのかが選択のポイント。プロセッサをクアッドコアの3.1GHzのコアi7にグレードアップすれば、ターボブースト時には最大4.1GHzというノートMacとは思えない爆速モデルに仕立てることができる。
また、大きく語られることはないが、2015年モデルの15インチのMacBookプロは現在も新品で購入できる(13インチは整備済み品のみ)。設計の世代が古くCPUもベースモデルはコアi7の2.2GHzとなっているが、USB│Cのみになった現行モデルと異なりUSB 3.0やマグセーフアダプタ、SDカードスロットを備えるなど周辺機器との下位互換性が高いのが特徴だ。価格も19万8800円からとなっており、業務の内容によっては検討の余地がある。
そして、こちらも旧世代に属するMacBookエアもバージョンアップが行われ、CPUは1.8GHzのコアi5モデル(2.2GHzのコアi7へのアップグレードも可能)が搭載される。価格は128GBモデルが9万8800円から、256GBモデルが11万8800円からと据え置きだ。