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人気城郭ライターは「FieldAccess2」で戦略や戦術を推測!?

著者: 美崎栄一郎

人気城郭ライターは「FieldAccess2」で戦略や戦術を推測!?

見せる人/萩原さちこ

城郭ライター、編集者。執筆業を中心に、テレビ・ラジオなどのメディア出演、イベント出演、講演、講座などを行う。著書に『江戸城の全貌 世界的巨大城郭の秘密』(さくら舎)や『城めぐり手帖』(技術表論社)など多数。5月末に新刊『名城への誘い』(経済ビジネス出版)発売。【URL】http://46meg.com

萩原さちこさんのiPhoneメイン画面にあるアプリ FieldAccess2/発見! ニッポン城めぐり/しろくろジョーカー/JogNote/tenki.jp

1冊まるまる江戸城

城好きの人間にとって、神様のような存在である城郭ライター・萩原さちこさん。城だけに、神様ではなく、殿様かもしれませんが。今年の大河ドラマ的にいえば、「おんな城主」でしょうか。さまざまな媒体で目にすることの多い萩原さんですが、萩原さんより城のことを熱く語れる人を、私は見たことがありません。

萩原さんの新刊『江戸城の全貌』では、まるまる1冊江戸城について書かれています。1つの城だけで本が1冊書ける知識量…恐るべし。また、萩原さんは実際にいろいろな城へ何度も足を運んでいます。萩原さんいわく「どの城でも1冊書ける自信があります」とのこと。好きなことを極めるというのは、素晴らしいですね。

江戸城は、現在皇居がある場所にあった城で、その史跡は今でも見ることができますが、どのような城なのかは意外と知られていません。しかし、萩原さんの手にかかると、面白くその全貌が明らかになります。江戸城は、「天下普請(てんかぶしん)」と呼ばれる方法により全国の武将たちが協力し、30年近くかけて築城されました。皆さんの住んでいる土地を治めていた殿様も、この築城のお手伝いをしていたかもしれませんね。

ですから、石垣などにも歴史や築城した人たちの技術が反映されています。じっくり見てみると、積まれ方や石の形状などが異なっている部分があり、さまざまな発見があって面白い。

萩原さんは、城郭の研究者ではなく、あくまでもライター。そのため、彼女の本は学術書のような堅苦しいものではなく、歴史に興味がない人でも楽しめるようになっています。

山城でもiPhoneが便利

この対談後に山城(山の地形を利用して築いた城)へ向かうとのことですが、萩原さんの愛用アプリには「フィールドアクセス2(FieldAccess2)」という地図アプリがありました。

このアプリは、地図データをあらかじめダウンロードしておけるのが特徴。山城のように携帯の電波が届かない場所でも、ダウンロードした地図で現在地を知ることができます。険しい山では、GPSの電波はキャッチできますが、携帯の電波が使えなくなることもしばしば。本当に地図が欲しい山道で、iPhoneの電波が使えなくなることも多いのです。

また、山城といっても、素人目に見るとほとんど山そのもの。iPhoneで山城を撮っても、単なる山にしか見えません。しかし、フィールドアクセス2を使って写真を撮れば、地図上の位置と写真が紐づき、城郭の全貌が明らかになるのです。戦国時代の人たちは、山の地形を上手に活かして築城していたはず。それが萩原さんの知識と現代の技術で蘇ります。

1583年に豊臣秀吉と柴田勝家が繰り広げた賤ヶ岳(しずがたけ)の戦い。その舞台となった滋賀県・賤ヶ岳周辺の砦群(さいぐん)をめぐる際には、萩原さんは本アプリのピン機能が役立ったとのこと。両軍の砦や進軍のポイントになる峠、街道にピンを立て、現地で戦略を推測するヒントにしたそうです。実際にたくさんの山に登っている萩原さんならではの使い方ですね。

フィールドアクセス2と相性の良いアプリに、「ヤマレコMAP」という位置情報や山の情報を共有できる登山・ハイキング用GPS地図アプリがあります。ネット上で趣味の情報を共有できるのは、面白いですね。

また、萩原さんのiPhoneには「発見! ニッポン城めぐり」という全国3000城をめぐるスタンプラリーアプリもありました。萩原さんは日本100名城に関する書籍も出されていますが、3000城にもなるとちょっと気が遠くなりそう…。ユニークなのが、アプリ上で城主になれるという機能。ここまで城の数が多いと、どこかの城であれば城主になれるかも、という妄想が城めぐりのやる気につながりそうです(笑)。

さて、読者の皆さんも城めぐりに興味が湧いてきたのではないでしょうか。日差しの緩やかな初夏には、iPhoneを武器に、いざ城攻めに参ろうぞ!

FieldAccess2

【開発】dendrocopos

【価格】840円

【場所】App Store>ナビゲーション

地図データをあらかじめダウンロードしておける地図アプリ「FieldAccess2」。萩原さんはピン機能を使って、現場に行ったときに役立てているそうです。

ヤマレコMAP

【開発】YAMARECO INC.

【価格】無料

【場所】App Store>スポーツ

山登りのための登山・ハイキング用GPS地図「ヤマレコMAP」。登山中に作成したGPSログや登山中に撮影した写真を使うことで、簡単に山行記録を作成・共有できるのがポイントです。

発見! ニッポン城めぐり

【開発】UM.Succeed,Inc.

【価格】無料

【場所】App Store>ゲーム

城めぐりがもっと楽しくなるアプリがこちら。日本100名城をはじめとする、日本全国3000の城を位置情報を使ってめぐるスタンプラリーアプリです。旅行や出張が多い人はダウンロードしてみてはいかがでしょう?

見る人/美崎栄一郎

『iPhoneバカ』『iPadバカ』などの著者。札幌から福岡までアップルストア全店舗、ソフトバンク本社などでも講演したiPhone大好き人間。『超速片づけ仕事術』(かんき出版)、『快速エクセル』(インプレス)が2冊同時に発売されました。【URL】http://note272.net/