【STEP 1】必要な画像を素早く見つけるスマートフォルダ
デザインをするうえでよく課題になるのが、効率的な画像管理の方法です。デザインでは、過去に使った画像要素を再利用することが多いもの。しかし、いざ再利用しようと思ったときに目当ての画像が見当たらないということも多いのです。いくつも制作物を作っている人だと、「素敵な桜の写真を前に使った記憶があるけど、どの仕事で使ったのかは思い出せない…」なんてこともあります。
写真の管理ならmacOS標準の「写真」ソフトを使えばいいのでは?と考える人もいると思いますが、自分の思い出としての写真と、デザインの素材としての写真は分けて考えるのがベターです。ここではデザインするための写真管理の方法を考えてみましょう。
まず最初に提案したいのが、スポットライト検索をしっかり使いこなして画像を探し出すという方法です。スポットライト検索では、ファイル形式やピクセルサイズなど、さまざまな条件で画像を探し出すことができます。条件をうまく組み合わせれば、保存場所がわからなくなった画像でも素早く見つけることができるでしょう。
また、その都度検索するのではなく、あらかじめ検索条件を「スマートフォルダ」化しておくことで、画像の管理がより効率的になります。たとえば、デジカメで撮影したような高解像度画像を抽出できるスマートフォルダや、インターネット経由でダウンロードした画像を抽出できるスマートフォルダを作っておくと、後々の画像探しが楽になります。
しっかりと準備をしておけば、macOSのファインダ自体が高機能な画像管理ソフトになってくれるというわけです。
スポットライトで画像を検索
ファインダで[コマンド]キー+[F]キーを押すと、ファイル検索画面が開きます。ここで、ファイルの[種類]を[イメージ]にすれば、さまざまな形式の画像を抽出できます。さらに、ファイル形式を指定して絞り込むこともできます。なお、検索対象の場所は[このMac]を選んでおくと探し漏れがなくなります。
ピクセルサイズで対象を絞り込み
単に画像を指定しただけでは、膨大なファイルが抽出されてしまいます。そこで、[その他]を選択し、検索フィルタに「ピクセル数」という絞り込み項目を追加しましょう。
「ピクセル数」とは縦と横のピクセルの掛け算の数値です。高解像度写真を探し出したいなら、2000ピクセル四方=400万ピクセルより大きいものを抽出するよう設定するといいでしょう。
WEB経由の画像を抽出
検索条件に[入手先]を追加し、入力欄に「http」と入力しておけば、WEBからダウンロードした画像を抽出できます。写真素材サイトから入手した画像を効率的に探し出せるでしょう。
スマートフォルダで保存
検索結果は、[保存]ボタンを押すことでスマートフォルダにできます。あらかじめ複数のスマートフォルダを作っておくと、後々の画像管理が楽になります。
【STEP 2】「色」で画像を素早く見つけ出す
ファイル形式やサイズで画像を検索できるのはわかったけれど、それでも探し出すのに時間がかかってしまう…。そんなときに試してほしいのが、「色」による画像の管理です。
利用するのは、「ピクサ(Pixa)」という画像管理ソフトです。Mac標準の「写真」ソフトのように独自のライブラリ管理をすることも可能ですが、「ライブフォルダー」という機能を使うことで、ファイルの格納場所を変えることなく管理することが可能です。画像に含まれる色で抽出する機能があり、「あのときの公園の画像どこだっけ」というときに、「緑」の画像のから素早く見つけ出すことができます。
本ソフトは3000円の有料ソフトですが、タグ管理機能や画像サイズの一括変換など機能も充実していて、そのうえ日本語でわかりやすいインターフェイスがおすすめのポイント。公式サイトにはお試し版もあるので、画像管理に困っている人はぜひ試してみてください。
場所を変えずに画像管理
まずは、管理したいフォルダをサイドパネルにある[ライブフォルダー]エリアにドラッグしましょう。
ファイルを移動することなく、ソフト上で画像の階層管理・表示ができるようになります。なお、ファイル数の多いフォルダを登録すると、読み込みに時間がかかるので注意しましょう。
色で画像を抽出
サイドバーの表示を[タグ]にすると、色による画像の抽出ができます。目的の画像を素早く見つけ出すことが可能です。
便利な管理機能が充実
画像のサイズで抽出できるほか、アドビ・イラストレーターなどで作成したベクターデータを抽出する機能もあります。
選択した複数の画像を別の形式に変換したり、画像ファイルを縮小したりできるなど、充実した機能を備えています。
【STEP 3】膨大な画像は一覧PDFを作成して管理
デジカメで撮影した写真などは、内容を並べた一覧シートを作っておくと便利です。スポットライトやピクサ(Pixa)による画像管理は、基本的にMac本体にあるファイルを対象にしたもので、外付けストレージに退避したデータやDVD−ROMに記録したものは検索できないのが悩ましいところ。しかし、フォルダごとに画像の一覧シートを作ってMac内にとっておけば、データ自体を本体以外の場所に移したとしても見返すことができます。
この一覧シートは、一般的には「コンタクトシート」や「インデックスシート」などと呼ばれています。本職のデザイナーやフォトグラファーは、「アドビ・フォトショップ・ライトルーム」などを使って一覧シートを作成していますが、ライトルームを使わなくても、「絵箱」という無料ソフトを使えば手軽に一覧シートを作成できます。一覧シートをPDFに書き出して、必要な画像をすぐに取り出せるようにしておきましょう。
フォルダの画像を一覧表示
絵箱は、Mac内にある画像を素早く表示できるビューアソフト。多彩なファイル形式に対応しています。
画像の一覧シートを作成
フォルダを選んだあと、[ファイル]→[一覧を印刷]を選べば、一覧シートの出力ができます。印刷ダイアログで[PDF]を選べば、PDFファイルとして保存することも可能です。