Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

『人生をデザインする目標達成の習慣』書評

著者: 徳本昌大

『人生をデザインする目標達成の習慣』書評

第22回 行動が人生を変える! 目標達成のための5つのステップ

自分の人生をデザインしてみよう

他者を知ろうとすることは、果てしない旅に出ることと、どこか似ている。人はよいほうにも悪いほうにも、絶えず変わるし進化する。それに、誰もが自分をすっかりつくり変える力を持っている。(バーナード・ロス)

行動したいのにできないという人は、とても多いと思います。以前の私も、そんな一人でした。スタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所(通称dスクール)のバーナード・ロス教授が、その解決策を教えてくれます。

いくら才能やアイデアがあっても、それだけでは成功できません。どんな人生にしたいのか自分で“デザイン”し、行動に移さない限り目標は達成できない、とロス教授は説きます。

本書においてロス教授は、人生の多くの問題を解決するために「デザイン思考」の重要性を指摘します。そこには、次の5つのステップがあるそうです。自分のためというより他者のニーズを把握(①共感)して、課題の設定・絞り込み(②問題定義)を行い、実行可能な解決策を生み出す(③アイデア創造)。それを完璧でなくてもいいから見える形(④プロトタイプ)にして、フィードバックを受ける(⑤フィードバック)。皆さんもこれらのステップを意識して、行動を起こしてみてください。

実際そうした行動は、小さなものでもよいと私は考えています。どんなに小さな行動でも、繰り返すことで習慣となり、それが身につけば以前とは違う人間に生まれ変われるはずです。私自身が習慣化しているのは、“自分との対話”です。自分が何者なのか? 何をしたいのか? 自問することで本当の目標が見えてきます。私にとって“自分との対話”とは、行動するための勇気をチャージする、大切な習慣なのです。

行動したときには、焦らないことが肝心です。大概の場合、変化は少しずつ起こります。そうしてさまざまな体験を重ねていくと、世の中とのつながりが生まれ、セルフイメージ(自己像)が徐々に変化していきます。行動は日々の達成感のほかに、自分を肯定するきっかけも与えてくれるのです。

未来の理想の自分をイメージすると、モチベーションが高まります。まずは、小さな一歩を踏み出しましょう。本書にサイクリングをしながらゴミを拾う少年ダグの話が紹介されていますが、この行動が彼自身のイメージを変えました。彼は周りから共感され、素晴らしい評価を得ていきます。“地域のためにゴミを集める人”というブランドは、彼に自信を与えました。小さなチャレンジが彼の自己効力感をアップし、幸せを運んできてくれたのです。

スタンフォード大学dスクール

人生をデザインする目標達成の習慣

バーナード・ロス著

講談社/1944円

2016年刊

徳本昌大

iPhoneやソーシャルメディアのビジネス活用を絶えず考える読書ブロガー。複数の広告会社勤務後、コミュニケーションコンサルタントとして独立。現在は、株式会社Ewil Japan、株式会社ビズライト・テクノロジー、GYAKUSAN株式会社の取締役としても活動中。 【URL】http://tokumoto.jp/