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Mac App Storeのソフトをパッケージに変換

著者: 小平淳一

Mac App Storeのソフトをパッケージに変換

Macアップストアで提供されているソフトをインストールするには、通常は「App Store」のソフトを経由してダウンロードを行う。自分が複数台のMacを持っている場合は、それぞれでダウンロードする手間が発生するが、実は、この手間を回避してソフトをインストールパッケージにしてしまう方法も存在する。

再ダウンロードの手間が不要に

「アップストア・エクストラクト(AppStore Extract)」は、Macアップストアで公開されているソフトをインストールパッケージに変換するスクリプトだ。出来上がったインストールパッケージを使えば、他のMacでも再ダウンロードすることなくソフトをインストールができる。変換にはターミナルを使う必要があるが、手順さえわかればコマンドを習得していなくても問題ないはずだ。

このスクリプトは、もともと企業や大学のMac管理者向けに作られたツールだが、複数台のMacを持っているユーザなら、個人であってもメリットがある。

たとえば、Macアップストアには、1GBを超えるような大容量のソフトも複数存在しており、Macごとにダウンロードしなくて済むようになるのはありがたい。また、インターネット接続がない環境でもソフトをインストールできるようになったり、ソフトがMacアップストアでの配信を停止してしまった場合でも、手元にインストーラがあればいつでも再インストールができるなど、メリットは意外に多い。

なお、使用にあたっては、Macアップストアの利用規約に留意が必要だ。企業では複数のライセンスを一括購入できるVPP(Volume Purchase Program)を利用できるが、個人の場合、ソフトの利用は購入した本人に限られる。本人以外のマシンにソフトをインストールすることは、仮に問題なく動作したとしても規約違反になる。この点はしっかり理解しておこう。

(1)まず、公開されているWEBサイトにアクセスし、画面内にある[Clone or download]からZIPファイル形式でダウンロードしよう。【URL】https://github.com/maxschlapfer/MacAdminHelpers

(2)ダウンロードしたZIPファイルを解凍したら、[ユーティリティ]フォルダの中にある「ターミナル」を起動。解凍したフォルダの中にある[AppStoreExtract]→[AppStoreExtract.sh]ファイルをターミナルのウインドウにドラッグする。ファイルの置かれている階層が文字列としてターミナルのウインドウに表示されたら[リターン]キーを押す。

(3)ターミナルのウインドウを開いたままMacアップストアを起動し、パッケージ化したいソフトを表示。ダウンロードボタンをクリックしてダウンロードを行う。なお、Mac内にソフトが存在していて[ダウンロード]ボタンが[開く]になっている場合、一度ソフトを削除してから再ダウンロードするといい。

(4)ソフトのダウンロードが完了したら、ターミナルのウインドウに切り替える。そこで[リターン]キー以外のいずれかのキーを押そう。パッケージ化するかどうかを聞かれるので[Y]キーを押すと処理が始まる。

(5)処理が完了するのにはしばらく時間がかかる。完了すると、起動ディスク→[ユーザ]→[共有]→[AppStore_Packages]の中に、ソフトの名前が付いたディスクイメージファイル(拡張子「.dmg」)ができる。ほかにもいくつかのファイルができるが、そちらは無視してもよさそうだ。

(6)ディスクイメージファイルを別のMacにコピーしてからダブルクリックで開くと、「.pkg」という拡張子の付いたファイルが現れる。さらにそれをダブルクリックすればインストーラが起ち上がり、ダイアログを進めていけばソフトのインストールが完了する。