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仕様が変わったSafari 10●macOS Sierra かんたん強化術

仕様が変わったSafari 10●macOS Sierra かんたん強化術

プラグインの役割に変化

かつてネットでムービーを見たり、ゲームで遊んだり、インタラクティブなコンテンツを楽しむには、フラッシュやジャバアプレットといった「プラグイン」をブラウザにインストールするのが一般的でした。しかし、ここ数年はHTML 5を中心としたWEB標準技術の最新世代の絶え間ない努力によって、プラグインを利用していなくても従来と同程度の機能を提供できるようになってきました。逆に、プラグインの脆弱性を逆手に取ったハッキングはあとを絶たず、セキュリティの専門家からは「プラグインをインストールしているほうがリスク」と指摘されるまでになっています。

この風潮を受けmacOSシエラに搭載されたサファリ10でも、インターネットプラグインは標準では一切使用せずに、HTML 5ベースでのモダンなWEB技術の使用が前提の設計に切り替わりました。旧来のコンテンツの閲覧にプラグインを使用するためには、ユーザが個別にダウンロードとインストールを行い、使用に関しても設定を行う必要があるのです。

セキュリティに絡む深刻な問題に発展しつつあるこのプラグインの使用に関してはルールは極めて厳格で、自分の期待どおりに動作させるには仕組みの理解が重要です。サファリでのインターネットプラグインの利用方法を考察してみましょう。

【検証1】インストールするだけでは使えない?

最新のMacはOSそのものにマルウェア(ウイルス)感染を予防するためのさまざまな措置が用意されており、安全性は非常に高くなっているといえます。しかし、現状の仕組みだけではまだ足りないためmacOSシエラではさらなる取り組みをサファリに導入しました。それが今回の「インターネットプラグイン」の抑制です。

実際にmacOSシエラのサファリでチェックしてみるとインターネットプラグインはいっさいインストールされておらず、必要に応じてユーザ自身で追加する必要があります。また、従来のように単にインストールしただけでは有効にはならないため、サファリの[環境設定]にある[セキュリティ]パネルから[プラグイン設定]を呼び出してプラグインを有効にしたり、セキュリティポリシーの設定を変更します。macOSシエラにしてからページの内容が表示されなくなった、という場合にはまずはここを確認してみましょう。

(1)サファリの[ヘルプ]メニューから「インストール済みプラグイン」を表示させると、いっさいのプラグインがインストールされていないことがわかります。

(2)フラッシュを例にとってみましょう。WEBサイトにアクセスすると、コンテンツ部分にプラグインをインストールをするようにアナウンスが表示されます。

(3)そこで、アドビのサイト(http://get.adobe.com/jp/flashplayer)にアクセスし「フラッシュプレーヤ(Adobe Flash Player)」プラグインをダウンロードします。

(4)ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして起動し、Macにフラッシュプレーヤをインストールしたらサファリを一度終了します。

(5)サファリを起動すると、フラッシュのインストールは完了していますが、プラグインとしての機能はまだオフのままになっているという警告が表示されます。

(6)プラグインを有効にするには[環境設定]メニューにある[セキュリティ]パネルから[プラグインを許可]にチェックして[プラグイン設定]をクリックします。

(7)すると、インストール済みのインターネットプラグインがリスト表示されるので「Adobe Flash Player」にチェックを入れて有効化させます。

(8)最後に[ほかのWebサイトを閲覧しようとしたとき]の設定を[オフ]から[確認]もしくは[オン]に変更して[完了]ボタンをクリックし、設定を済ませます。

【検証2】プラグインを制御する

プラグインの有効化は、先述のとおりサファリの環境設定から行うことができます。この際に[ほかのWebサイトを閲覧しようとしたとき]の設定を[オン]にすれば、以前と同じようにどのサイトでもその恩恵を受けることができます。しかし、これではセキュリティレベルは低いままです。

せっかくなので、ここは一歩進んだプラグインの制御方法で使ってみましょう。プラグインの有効化はどのページを訪れたときでも常に有効になる「オン」と無効のままの「オフ」のほかに、「確認」というオプションがあります。この状態でサイトを訪れると、インストール済みのプラグインが利用できる場合には、クリックして有効化するかどうかを選択できるようになります。この有効化はドメイン単位で行われ、環境設でもあとから設定の変更をすることができるようになっています。この機能は「オフ」を選んでいる場合でも利用できるので、プラグインを操作ミスで有効化したくない場合にも有効です。

(1)「ほかのWebサイトを閲覧しようとしたとき」のオプションを[オン]にしている場合、以前のバージョンと同じようにそのままコンテンツが表示されます。

(2)一方で[オフ]を選択した場合、サファリはプラグインがインストールされていないときとまったく同じように振る舞います。誤操作を防ぐためにかなり強い制約です。

(3)[確認]を選択すると、プラグインはクリックして有効化するかどうか選べるようになります。また、種類によっては1度だけ有効にするオプションもあります。

(4)各プラグインのオン/オフの管理は、環境設定の[プラグイン設定]で、あとからも編集が可能。ドメイン(サイト)単位できめ細かく変更できるのが特徴です。

QuickTime 7プラグインを使う

プラグインを利用しないサファリでのムービー再生は、システム標準の「AVFaundation」が担います。しかし、古いアップルのコンテンツを再生しようとする場合、クイックタイム7が必要な場合があります。この場合はオンラインのサポート記事を参考に、プラグインを復元することで利用可能になるケースがあります(62ページの記事のように別途クイックタイム7をインストールする必要はありません)。

あまり見かけなくなりましたが、360度パノラマ撮影を表示することができる「QuickTime VR」は標準では再生できない形式の代表例でしょう。