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画面サイズが型破りな個性派ディスプレイ●次に買うべきディスプレイはコレだ!

画面サイズが型破りな個性派ディスプレイ●次に買うべきディスプレイはコレだ!

外見も性能もユニーク

かつてディスプレイとテレビ画面は4対3という比率が主流でした。それがハイビジョンテレビの普及により16対9のテレビが増えていき、それがディスプレイにも伝播しました。現在は少しだけ縦幅の長い16対10比率が主流です。

しかし、右へ倣えの画一的な市場にアンチテーゼを投げ掛けるイレギュラーな存在もあります。たとえば、LGから発売されている「29UM68-P」はなんと21対9というウルトラワイド画面を採用。広い視野でレーシングゲームなどの臨場感が高まるほか、映画のシネマスコープサイズも近いため、映像も楽しめます。

また、高い品質のディスプレイで定評のあるEIZOからは正方形ディスプレイ「EV2730Q」が発売中です。Macで生産的な作業を行うにあたっては、実は理にかなっているアスペクト比だといえるでしょう。写真の現像時などにも便利ですし、As4縦長の書類なども実寸表示できるため、デスクワーカーからクリエイターにまで広くおすすめしたい製品です。そして、フィリップスからは5対4のディスプレイを2枚搭載した2イン1ディスプレイ「19DP6QJNS/11」も登場しています。これはデュアルディスプレイを1台で賄ってしまうというもので、入力系統が独立しているので複数のMacやPCをつなぐという使い方もできます。

個性派揃いのディスプレイをチェック!

ゲームや映画鑑賞におすすめの超ワイド

29UM68-P

【発売】LGエレクトロニクス

【実売価格】5万1000円前後

【URL】http://www.lg.com/jp/monitor/lg-29UM68-P

なんといっても外見のインパクトに圧倒されるウルトラワイドディスプレイ。21対9というアスペクト比は、通常のワイドディスプレイの1.3倍の長さになります。解像度は2560×1080ピクセルとなっているので、いわゆるWQHDディスプレイの短辺をフルHDと同じ1080ピクセルに切り出したような表示エリアです。このため、ゲームやシネマスコープの映画を楽しむときにはすばらしい臨場感を得られますが、WEBサイトをチェックしたり、書類を作成するときは幅の広さに対する高さが足りなくてちょっと窮屈。映像コンテンツを楽しみたいユーザ向けのディスプレイといえるでしょう。

シネマスコープのような画角

29UM68-Pを接続したうえでデスクトップのスクリーンショットを撮影したところ。この映像が幅673ミリの大きさに映し出されるため、エルキャピタンの壁紙が映画のようにダイナミックに見えます。

圧倒的な情報量

アップルのWEBサイトを29UM68-PとMacBookで表示したときの見え方を比べてみました。まさに圧倒的なワイド画面です。

設置スペースは選ぶかも

29UM68-Pの横幅は12インチMacBookの2倍程度で、703ミリあります。32インチディスプレイ並みなので設置場所にはちょっと困るかもしれません。

 

正方形で作業がはかどる

FlexScan EV2730Q

【発売】EIZO

【実売価格】10万7000円~13万4000円

【URL】http://www.eizo.co.jp/products/lcd/ev2730q/index.html

1920×1920ピクセルという完全に正方形な液晶パネルを用いたディスプレイです。ワイド画面が常識になっているディスプレイ市場に一石を投じる製品で、実際に使ってみるとワイドディスプレイに戻れない便利さを備えています。写真の現像からデザインワーク、書類作成などの事務処理まで、クリエイティブな作業にはベストな選択肢でしょう。もっとも、あまりにレアなアスペクト比のパネルなので、カラーマッチング対応ではないのに10万円以上という価格がネックです。

写真現像がはかどる

ワイドディスプレイでポートレート(縦位置)の写真を表示すると、半分くらいのピクセルしか使われませんが、正方形ディスプレイならばポートレートもランドスケープ(横位置)もほぼ同じサイズで表示されます。

DTPにも便利

書類作成やデザインでも正方形のよさが使ってみるとわかります。A4サイズがほぼ実寸で表示でき、見開き表示にすると前後のページも確認できます。

 

1台なのにデュアルディスプレイ

19DP6QJNS/11

【発売】フィリップス

【実売価格】4万6000円~5万6000円

【URL】http://www.philips.co.jp/c-p/19DP6QJNS_11/brilliance-two-in-one-lcd-monitor

この製品もまたユニークな仕様となっています。珍しい5対4のスクリーンを2枚搭載しており、ディスプレイの間は蝶番になっているので自由に角度を調整できます。いわば、2台のディスプレイを物理的に合体した製品なので、完璧なデュアルディスプレイ環境を1台で提供してくれます。ただし、1枚分の解像度が1280×1024ピクセルと少々窮屈なのは否めません。

 

2つの出力が必要

映像信号は2つそれぞれ入力しなければならないので、接続するMacには複数のビデオ出力が必要です。MacプロやMacミニは問題ありませんが、MacBookシリーズやiMacは標準状態では1画面しか出力できないことに注意してください。

サンダーボルト3で変わるディスプレイ

iMacには「ターゲットディスプレイモード」という機能が搭載されています。これはiMacを別のMacの外付けディスプレイとして使う機能ですが、27インチのiMacレティナ5Kディスプレイモデルは、この機能が省かれています。5K解像度で60フレームのデータをやりとりするには、現在のサンダーボルト2が対応しているディスプレイポート1.2規格ではデータレートがオーバーしてしまうからでしょう。しかし、iMacにサンダーボルト3が搭載されればデータレートの問題もクリアできるので、ターゲットディスプレイモードが復活するかもしれません。純正ディスプレイのない今、新しいiMacに期待が集まります。

各インターフェイスの最大転送速度

単純計算すると5K解像度を60フレームで伝送するには21.233664Gbpsの転送速度が必要です。さらにデジタルオーディオ信号も流れるため、現行機種に搭載されたサンダーボルト2では帯域をオーバーしてしまいます。対するサンダーボルト3なら、ディスプレイポート1.3の転送速度をカバーできます。