観光アプリで街歩き
2016年7月末日、観光客で溢れかえる東京・浅草にて、新たなスマートフォン向けインバウンドアプリ「365ASAKUSA」の体験会が行われた。
本アプリの紹介の前に触れておきたいのが、日本における外国人旅行者の増加についてだ。日本政府観光局(JNTO)によると、2015年1年間で日本を訪れた外国人客は過去最高の1973万人。2012年の855万人と比較すると、ここ数年で驚くべき増加率を見せている。日本政府は東京オリンピックが開催される2020年までに年間2000万人の訪日外国人客を目標としてきたが、すでにこの数字は達成間近となり、目標を年間4000万人に倍増させた。
年々高まるインバウンド需要に、全国の各自治体もさまざまな動きを見せている。“インバウンドのトップランナー”である浅草も、もちろんその1つだ。今回、浅草観光連盟と株式会社ウィルリンクシステムは、浅草の観光スポットやイベント情報を確認できるアプリ「365ASAKUSA」を共同で企画・開発した。
このアプリでは、浅草の歴史や文化などの紹介記事をはじめ、「浅草名所七福神詣りコース」などの観光コースを、GPS機能を使ってナビゲートしてくれるコンテンツを用意。さらに街中に設置されたビーコン(Beacon)を利用したスタンプラリー機能など、外国人旅行者はもちろんのこと、日本人でも十分に楽しめるコンテンツが盛りだくさんだ。
体験会では、おすすめの観光コースをアプリがナビゲートしてくれる「Sightseeing Walk」機能を利用し、実際に街歩きが行われた。選択できるコースの中には「ムスリムおもてなしコース」といったプランも用意されており、外国人旅行者の宗教的背景への配慮も忘れていない。
アプリのトップ画面には、メニューの項目それぞれに「観」「歩」「楽」「知」という漢字1字が割り当てられている。これによりユーザは自分の目的に合わせたメニューを直感的に選択できる。項目はもちろん英語でも併記。トップ画面でイベントなどの最新情報をすぐに確認できるのも魅力だ。現在は日本語、英語、中国語、韓国語に対応している。
信頼できる情報を常に更新
また、ユーザ自身がオリジナルの観光コースを作成できる「Custom Walk」機能も用意されている。「撮る」「遊ぶ」「体験する」などの7つのカテゴリから横断的に観光スポットを選択でき、思い思いのコースで浅草を巡ることができるのだ。
さらに、アプリのトップ画面には、浅草の日々の様子が最新情報として表示される。インバウンドアプリや観光サイトには、情報の更新が少ないものも数多く存在する。その点、このアプリは情報が頻繁に更新されるため、ユーザにとって信頼できるものとなっており、まさに365日浅草の今を映し出している。
開発背景に関して、浅草観光連盟理事の飯島邦夫氏は「素晴らしいものがたくさんあるのにも関わらず、うまく情報発信できていないのが日本の現状。浅草ですら、雷門周辺以外はまだまだ。このアプリを有効的に使って、タイムリーかつ地域密着ならではの深く信用できる情報を発信していきたい」と語った。
外国人旅行者でなくとも浅草を堪能できる「365ASAKUSA」。このアプリを使って、浅草でいつもとは違う街歩きを楽しんでみてはいかがだろうか。
【News Eye】
本アプリには「Public Info」というメニューも用意されており、観光時の災害緊急避難マップをはじめ、外貨両替コーナーや駅やバスの停留所マップなどのお役立ち情報が数多く紹介されている。