中高生向けのプログラミング教育事業を営むライフイズテックが、オンライン教育事業に乗り出した。プログラミングやITをゲームを通じて楽しみながら学べる「マザー(MOZER)」だ。現在は体験版が公開されており、今秋以降にかけてSNS機能追加やコースの拡充、モバイル版の提供などを予定している。
マザー誕生のきっかけは1年半ほど前に遡る。起業以来、ITキャンプやスクールを数多く実施し、プログラミングの面白さを子どもたちに伝えてきた同社。CEOの水野雄介氏は、こうした展開に確かな手応えを得る一方で、課題も感じていた。
「ITキャンプはリアルな場所で行うので地域によっては参加しにくいし、費用もかかります。誰でもいつでもどこでも気軽にプログラミングを学べるサービスを作りたかったんです」
そんな水野氏の思いに呼応したのが、元スクウェア・エニックスCTOの橋本善久氏だった。2014年末、ライフイズテックのCTOに就任した橋本氏は、マザーの開発に着手。数々の大作ゲームを手がけてきた実力をいかんなく発揮し、マザーをローンチに導いた。
マザーの特徴は、まるでオンラインゲームを遊んでいるかのような感覚でITの知識・技術が学べること。ゲーミフィケーションを取り入れたオンライン教材自体は珍しくないが、マザーの場合、ゲームとしての面白さのレベルが段違いだ。それもそのはず、橋本氏はそもそもゲーム業界のトップクリエイター。何よりも“面白いこと”を追求してきた氏が生み出すコンテンツが、つまらないわけがない。
「世の中のオンライン教材はあくまで“ゲーム要素のある勉強”ですが、マザーは“勉強にもなるゲーム”なのです」
同社が主催するITキャンプで実戦投入したところ、通常のPDF教材による学習と比べ、約5倍の速さで同レベルの習熟度に達したというから驚きだ。今後は海外展開もにらみ、コンテンツの拡充を急ぐというマザー。子どもたちが当たり前のようにプログラミングを学べる時代は、もうすぐそこまできているのかもしれない。
生き生きとしたキャラクターと引き込まれる世界観&ストーリー
オンラインでWEBデザインやプログラミングなどが学べるSNS。架空の街ホープタウンを舞台に、個性豊かなキャラクターたちの物語が繰り広げられる。単なる教材ではなく、ゲームとしての面白さにも妥協はない。現在は体験版としてWEBデザインコース「デイジーと秘密のメッセージ」が無料公開中。
ライフイズテック株式会社
代表取締役CEO:水野雄介氏(左)
執行役員CTO:橋本善久氏(右)