中継機がボトルネックに
仕事部屋にAirMacタイムカプセルがあるので、別室までの途中にAirMacエクスプレスを中継機として設置してあります。これがないと、仕事部屋以外でWi−Fiにつながらないんです。ところが、2~3週間前からAirMacエクスプレスの調子が悪くなりました。別室にいるときにネットアクセスが遅かったり途切れたりするんです。アップルTVでフールー(Hulu)などを観ていても急に画質が荒くなったりして、家人からもクレームの嵐。早急に対処すべく、別の中継機を用意しました。
今回使用したのは、IEEE 802.11ac(以下、11ac)に対応しているバッファローのWi−Fi中継機「WEX-1166DHP」。以前から、AirMacタイムカプセルやMacBookなどが11ac対応であるにも関わらず、11ac非対応のAirMacエクスプレスを中継機として利用していることが気になっていました。この製品なら11ac対応でハイパワーモデルだし、アンテナも2本。ビームフォーミングをサポートしているのもうれしいですね。
動画視聴もスムースに
さっそく、AirMacエクスプレスを置いていた場所に、本製品を設置。コンセントに直差しできるシンプルな設置スタイルも選定理由です。MacBookから中継機に接続して、設定画面から親機に当たるAirMacタイムカプセルを選んで暗号化キーを入力して作業完了。セッティングが簡単な点も魅力の1つですね。
設置後、ちゃんと部屋の隅々まで電波が届いているか電波強度をマッピングしてみました。結果を見る限り劇的な変化はありませんが、部屋のさまざまな場所でWi−Fiスピードを測定すると違いが出ました。AirMacエクスプレスだと数値の振れが大きかったのですが、本製品だと速度も速いし数値も安定しています。OS XのWi−Fiメニューから「Wi−Fiモニタ」を表示して確認しても、今までより転送レートがアップしています。
この状態で2週間ほど使ってみたところ、アップルTVで動画を観ている途中に起こっていた途切れや、画質が急に荒くなる症状もなくなりました。MacBookやiPhoneの接続も安定しています。2本のアンテナは可動式だし、付属の電源延長コードを使えば据え置き型でも設置できます。バッファローが提供しているiOSアプリ「StationRadar」では、最適な中継機の設置場所を探すガイド機能もあるので、設置時に利用するとよいでしょう。私もしばらくしたらアンテナの向きや設置場所の調整など、もう少し手を入れてみようと思っています。
ルータ間の伝送速度は安定
インターネット上のサーバを利用した測定だと余計な要素も含まれてしまうので、Wi-Fi部分だけの速度をiOSアプリ「Wi-Fi Sweetspots」で計測。予想どおり、若干ですが本製品のほうが速くなっています。
松山茂の評価
● コンセントに直差しできる
● アンテナが可動式
● Giga対応のLAN端子も搭載
● 横幅があるので部屋の
隅にあるコンセントに挿せない
[SPEC]
【使用期間】14日 【発売】バッファロー 【価格】8618円(直販価格) 【URL】http://buffalo.jp/product/wireless-lan/extender/wex-1166dhp/ 【Size】160(W)×80(H)×28(D)mm 【重量】約253g 【インターフェイス】IEEE802.11ac/n/a/g/b 【備考】最大消費電力:12W
【補足】
「Wi-Fiモニタ」は、[シフト]キーと[オプション]キーを押しながらWi-Fiメニューをクリックして、[デバッグ]メニューから[Wi-Fiモニタを表示]を選ぶと表示されます。転送レートだけでなく、受信信号強度(RSSI)やノイズの状態も確認できます。
松山茂(Shigeru Matsuyama)
東京・谷中を拠点として日々ガジェットと猫を愛でながら執筆するフリーライター。Mac歴は1984年発売のMacintoshから。気づけば早30年、Macの進化と時の流れの速さを実感中。