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Windowsも快適に動く●はじめての人こそMacBook⑨

著者: 栗原亮

Windowsも快適に動く●はじめての人こそMacBook⑨

仮想環境で動かす

ウィンドウズでないとできない作業は以前と比べてだいぶ少なくなったが、それでも一部の業務用ソフトやシステムなどで、ウィンドウズを使わなければならないシーンもある。

MacBookでも、果たしてウィンドウズは快適に動かせるのか。仮想化ソフト「パラレルス・デスクトップ」を使って、さまざまな作業を実際に試してみた。

MacBookのCPUは標準モデルで 1.1/1.2GHz、メモリは8GBとスペックだけ見るとウィンドウズ10をエミュレーションで動かすには少々不安もあった。というのも、ウィンドウズ10のシステム要件は、ネイティブ動作の場合、1GHz以上のCPU、メモリは32ビット版で1GB、64ビット版で2GBが必要とあるからだ。ハードウェアスペック的には動作をクリアできる際どいラインのように見える。さらに、これを仮想環境で動かすのだから、心配になる人も多いだろう。

だが、実際にインストールを行い、通常のWEBブラウザやメール、テキスト入力といった軽い作業ではほとんど問題は生じなかった。同スペック程度のモバイルPCなど、ネイティブ環境のウィンドウズのほうが若干レスポンスが速いであろう場面も見かけたが、これはMacBookの処理能力そのものというよりは仮想環境ゆえの制約だ。

グラフィックソフトでの高解像度写真の加工や映像の編集など負荷の高い作業では、MacBookのCPU内蔵GPU(iCPU)では若干もたつきが見られたが、ここまでの作業を仮想環境で求められるというケースはほとんど発生しないはずだ。もし、そのような作業を日常的に行うのであれば、MacBookプロを選ぶほうが堅実だ。とはいえ、MacBookだけでウィンドウズで使うソフトの多くが実用的なレベルで動作するのは間違いないので安心してほしい。

もし、それでも全体的なレスポンスに不満を覚えるようであれば、仮想環境に割り当てるメモリの容量を初期設定の1GBから2GBに変更しておくとよい。MacBookは8GBの物理メモリがあるので、4GB割り当てても構わない。メモリ割り当てを増やせば、複数のソフトを起動する作業や少し引っ掛かりを感じるようなシーンでも快適に動くようになるだろう。

初期設定のインストールでは、3D表示のビデオメモリが不足するとの警告メッセージが出る。本体メモリが8GBあるので、仮想マシンの割り当ても作業負荷に応じて1~2GBに変更しておきたい。

CPUとメモリの使用状況を確認しながら作業を行ったが、WEBブラウズやオフィス操作などの軽作業では、CPU負荷が30%を超えることはほとんどなかった。ビデオ表示以外の日常的な操作では、大きな問題になることはないだろう。