未来のスタイルを見据えて
20世紀半ばに活躍した米国の工業デザイナーのラッセル・ライトは、当時まだ色濃く残っていた英国様式にとらわれることなく、もっと住みやすさや暮らしやすさを基調にする必要性を訴えた。そしてムダな装飾を省いた近代的なデザインで、米国人の生活に大きな変革をもたらした。ライトのデザインした食器や家具は、モダンでカッコよく、それらに惹かれた人々が自分たちのライフスタイルを変化させ、より心地良い生活を追求し始めていった。
MacBookは、ライフスタイリストの先駆けとなったライトがデザインした製品を思い出させる。なんといってもカッコいいのだ。そして、そのデザインの先に未来のライフスタイルがある。
私たちは今、モバイルへと暮らしを変化させようとしている。デバイスに人々が縛られない、自由なスタイルへ。アップルがクラウドをハブにして、それまでデジタルハブの中心にあったMacをiPhoneやiPadと同列の存在にしたのは、モバイルの未来に向けた改革だった。
次は、Macが変わる番だ。
シルバー、ゴールド、スペースグレイの3色展開だった初代モデルから、最新モデルでローズゴールドが登場し、iOSデバイスと共通の4色が揃ったカラーバリエーション。価格は、1.1GHzモデルが14万8800円、1.2GHzモデルが18万4800円(いずれも税抜)。
理に適ったデザイン
モバイル時代のMacに求められるのは、まずカッコよさだろう。自室や仕事場だけではなく、リビングルームや出かけたときにも、あらゆる場所で使うマシンだ。どこで開いても気後れしないようなデザインであるべきである。
MacBookは個性的だが、悪目立ちするようなデザインではない。スキがなく、あらゆる利用シーンにおいてダメなところがないのが最大の個性といえる。
アルミニウムの筐体はシャープで男性的だが、角が丸く、手触りよく仕上げられているので女性にもフィットする。4色のカラーバリエーションが用意されているから、iPhoneなどと同じように自分のスタイルにあった色を選べる。
しかも、スリムでムダを省いたデザインは、快適なモバイルという点で、すべてが理に適っている。軽いノートブックは据わりが悪くなりがちだが、MacBookは重さがバランスよく配分されていて、手に持っても机の上に置いても安定する。わずかな音でもファンノイズは作業環境を不快にするが、MacBookはファンレスだ。電源・拡張ポートもUSB―Cポート1つに集約されているから、ケーブル1本外すだけで簡単に持ち出せる。そのようにムダをそぎ落とす一方で、ディスプレイ、キーボードやトラックパッドといったユーザインターフェイスでは、美しいデザインの中で一歩先ゆく機能を提案している。
アップルが「ノートブックの未来」とするMacBookは、美しく、心地良く、ユーザをモバイルの未来へと誘う。