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セキュリティワイヤの鍵をiPhoneで施錠&解錠

著者: 松山茂

セキュリティワイヤの鍵をiPhoneで施錠&解錠

南京錠もスマート化

以前、屋外イベントを取材しているときにカバンを盗られたことがあるので、バッグの中にはセキュリティワイヤを入れてあります。でも、いざ使おうとすると、ポケットからキーホルダーを取り出して、その中から小さな鍵を見つけ出して解錠する。これがとっても面倒なんです。そんなとき、クラウドファンディングの「キックスターター」で見つけたのが、スマートロック「ノーキー(Noke Padlock)」。手元に届いたので、さっそく使ってみました。

もともとセキュリティワイヤに付属していた鍵と違って、海外ドラマなどで見たことがあるゴツイ外観で、見るからに頑丈そう。iPhoneにアプリをインストールしてセットアップ開始です。

最初にアカウントを作成してノーキーを登録。このとき、解錠の種類も指定します。ノーキーの解錠はフックを中に押し込んで行うのですが、登録アプリをインストールしたiPhoneが手元にあれば、フックの押し込みだけでロックが外れる「1ステップ解錠」と、押し込んだあとにアプリ側での操作が必要な「2ステップ解錠」が選べるんです。もちろん、より安全を期して「2ステップ解錠」を選択。手元にiPhoneがなくても、モールス信号のようにフックを短く押し込む、長く押し込むを組み合わせて解錠する「クイック・クリックコード」も設定しました。これで万全です。

アカウントを作成

アプリをインストールしたら、名前やメールアドレス、パスワード、秘密の質問を入力してアカウントを作成したら、ノーキーを登録します。

2ステップで解錠

フックを押し込むとiPhoneに通知が届くので、アプリを開いて[Unlock]をタップして解錠します。アプリ側の操作なしでロックを外す1ステップ解錠も設定できます。

タッチID対応に期待

実際に使ってみると、思っていたより操作はスムースです。フックを押し込めばiPhoneに通知されるので、アプリを起動して[Unlock]をタップするだけ。「でもそれって面倒じゃない?」ってよく聞かれますが、ポケットから鍵を取り出して鍵穴に差し込むことを考えれば、こっちのほうがはるかにラクです。

当然ながらノーキーは電池で動くので、「フタ開けて壊されたり、電池切れに気づかないで開かなくなったりしないの?」と不安になりましたが、その点に関しても問題ありません。電池交換時に開ける裏ブタは、解錠状態でないと開けられない構造になっていたんです。電池低下の通知を見逃して完全に電池切れの状態になっても、本体下のキャップ内に端子が隠されています。ここに替えの電池を接触させれば解錠できる仕組みになっているのです。

ノーキー本体の大きさと重さは、ちょっと日本人には馴染みの薄いものかもしれませんが、使い勝手を考えれば私的には選んで正解でした。あとはタッチIDで指1本で解錠できたり、アップルウォッチからサッと操作できれば何も文句はありません。今後のバージョンアップが楽しみなスマートロックです。

鍵情報を共有

鍵情報をシェアすれば、共有ロッカーなどの鍵としても使えます。共有方法は、フルアクセスや日時を指定したカスタム、1度だけのワンタイムが選べます。

電池切れでも解錠可能

電池切れが近づくと通知がくる仕組み。電池交換は解錠した状態でないとできない構造になっています。万が一、電池切れを見逃しても、カバー内の端子に電池を接触させてアプリを操作すれば解錠できます。

松山茂の評価

● 鍵を取り出す必要がない

● 鍵を共有できる

● 電池切れても大丈夫

● 大きい、重い


 

[SPEC]

【使用期間】90日 【発売】Noke 【価格】66ドル99セント 【URL】http://noke.com 【Size】54.75(W)×83.8(H)×29.7(D)mm 【重量】302g 【インターフェイス】Bluetooth 4.0 【備考】バッテリ:CR2032、防水規格:IP66

【補足】

別売りのアクセサリとして、ノーキーを自転車のロックとして使うケーブルと取り付け用クリップがセットになった「Noke Cable and Bike Mount(33ドル99セント)」や、キーホルダータイプの「Noke Fob(24ドル99セント)」もあります。

松山茂(Shigeru Matsuyama)

東京・谷中を拠点として日々ガジェットと猫を愛でながら執筆するフリーライター。Mac歴は1984年発売のMacintoshから。気づけば早30年、Macの進化と時の流れの速さを実感中。