指先がカサカサでもOK！指静脈認証で簡単ログイン

Macのログインを指1本で

半年ほど前に僕のSNSアカウントへの不正アクセスが確認され、それを機にさまざまなサービスやデバイスのセキュリティ強化を図っています。Macのログインパスワードも、英数字と記号が混在した20桁の非常に複雑なものに変更しました。最近は入力も速くなってきたのですが、それでもログインごとに毎回入力するのはやっぱり面倒なんです。

そんなとき、「指静脈認証技術」を使って指1本でMacへログインできる「アット・セキュア・エフブイ（@SECURE／fv）」という製品があることを知りました。この製品はモフィリアの指静脈認証デバイス「FVA−U3SX」と、カームコンピュータが開発したMacの専用ソフトウェアがセットになったものです。

指静脈認証技術とは、指の静脈情報を読み取って本人確認を行う生体認証方式の1つで、「体内の静脈」を用いるために「偽造」や「なりすまし」が困難とのことです。

デスクに固定

指静脈認証デバイス「FVA-U3SX」は36グラムと軽く、指を乗せると動いてしまうので、粘着ジェルで机にくっつけて使用しています。USBバスパワーで動作します。

指先だけでMacにログイン

指に近赤外線を当ててその散乱光をセンサで読み取り、静脈情報を認識します。静脈情報は指紋と同様に人それぞれ異なるため、高精度な個人認証が行えるそうです。

指紋認証がダメな人もOK

実は僕、指先がカサカサに荒れているせいか、指紋センサとの相性が非常に悪く、タッチIDがまともに使えないのです。「指紋認証」と「指静脈認証」はまったく別ものですが、ちゃんと使えるかどうかが不安でした。

同梱のCD−ROMから専用のソフトをMacにインストールしたら、まずは自分の指静脈を登録します。センサに指を置いて3回取り込みを行い、最後に照合テキストに成功すると登録される仕組みなのですが、デバイス上の目印と指の関節の位置を合わせるのが案外難しく、何度か位置の調整をさせられました。一瞬、指紋認証との相性の悪さが脳裏をよぎったのですが、無事に登録できました。

その後は、ログイン画面のみならず、環境設定を変更する際の「鍵」アイコンをクリックしたときや、ソフトをインストールするときなど、パスワード入力画面が出てきたらこの製品に人差し指を乗せるだけで認証できます。

最初のうちは指を乗せる位置や角度が悪く何度も失敗してしまい、「これならパスワードを入力したほうが早いじゃないか」とも思いましたが、次第にコツを掴み、今ではほぼ1発で認証されるようになりました。

ちなみに、本人拒否率や他人受容率を調節できる「照合レベル」を4段階で設定できるので、僕は1番厳しく設定しました。念のため妻の指でも何度か試してもらいましたが、もちろん認証されるなんてことはありません（ニヤリ）。最初は製品を左手で持った状態で右手の人差し指を合わせていたのですが、最近はデスクの端っこに粘着ジェルで固定して、片手だけで使えるにように工夫しました。同デバイス専用の置き台も別売りで用意されているようですが、見栄えもそれほど悪くないしコレで十分ですよね！

静脈情報を撮影して登録

最初にセンサに指を置いて静脈情報を撮影して登録します。3回取り込み、最後に照合テキストに成功すると登録されます。

さまざまな認証画面も人差し指1本でOK

パスワード入力画面が表示されたら、指をデバイスに置くだけで認証されます。パスワード入力で認証できますが、指静脈認証だけを許可する「デバイス必須モード」も用意されます。

本人拒否率や他人受容率を調節

「照合レベル」を4段階で設定できます。照合レベルを低く設定すると、他人の指でも認証できてしまう確率が上がります。

早川厚志の評価

● 高精度な指静脈認証

● 指紋認証が合わない人も使える

● 乾電池や充電が不要

● 指を置く位置にシビア

● デバイスが軽くズレやすい

［SPEC］

【使用期間】30日【発売】カームコンピュータ【価格】オープンプライス【実売価格】2万8000円前後【URL】http://www.calm.co.jp/ 【Size】70（W）×22.5（H） × 58（D）mm 【重量】36g 【インターフェイス】USBバスパワー【備考】OS：OS X 10.8～10.11

【補足】

本製品は生体認証の製品ということで、法人の利用を想定しているそうです。個人ユーザへの販売も可能なようですが、現段階では近くの家電量販店やネットショップでは購入することができません。「どうしても欲しい！」という方は、カームコンピュータで注文を受けているので、そちらから直接どうぞ。