内部までこだわりのデザイン
Macのしくみを知るために、まずはMacの中身を見ていきましょう。その教材として最適なのが最新のアーキテクチャで設計された12インチのMacBookです。というのも、現在のコンピューティングに必要とされる機能が、もっともシンプルな形で詰め込まれているからです。
実際にMacBookを分解してみると、大きく分けてたった10点程度のメインパーツでできていることがわかります。昔のコンピュータに比べると、パーツ点数は少なく、多くのパーツのサイズがコンパクトになっています。それでは、それぞれのパーツを詳しく見ていきましょう。
アルミ削り出しのユニボディのケースを上下に分離すると、まずわかるのがボトムケース(1)の隅々までバッテリ(2)で占められていること。外部電源の接続がなくても、ここからすべてのパーツを駆動するための電力が供給されます。このリチウムイオンポリマーバッテリは、エネルギー密度の高いゲル状の高分子を利用しているため安全性・効率性に優れているだけでなく、小型軽量化に寄与します。
トップケース(3)にはユーザからの入力(インプット)を受け取る薄型のキーボード(4)と感圧式のトラックパッド(5)が搭載されています。このトラックパッドは指で押した際に物理的に沈み込むことはなく、感圧センサ(6)の入力を解析、必要に応じて内蔵モータを瞬間的に駆動することで擬似クリック感をユーザにフィードバックしています。
MacBookのロジックボード(7)は非常に小型です。従来のMacBookシリーズよりも小型化されていて、静音性の高いファンレス構造を実現するために、いずれのパーツも省電力なモデルを採用。排熱を効率的に行える設計となっています。
ロジックボード上に実装されたCPU、メモリ、ストレージは情報を処理して、映像信号に変換し、レティナディスプレイ(8)に表示したり、MacBookの場合はUSB−Cポートを通じて外部に出力します。逆に外部からの入力を受け取るのもここの役目です。ロジックボード上にはWi−Fi、ブルートゥースなどのネットワーク接続に必要なチップも搭載されています。
USB3.0、サンダーボルトなど有線接続の外部インターフェイスが並ぶMacBookプロなどと比べると、MacBookではUSB-Cポートにインターフェイスが集約されているのが特徴です。また、MacBook以外のモデルでは専用のAC電源ケーブルが用意され、マグセーフ2アダプタによって本体と接続されます。
iMacやMacミニなどデスクトップ型Macの場合は、バッテリを搭載しない代わりに外部電源を常時供給するための電源ユニットが内蔵されています。