Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

iPhoneで快適にテザリングする?

著者: 栗原亮

iPhoneで快適にテザリングする?

テザリング時に各ソフトがどれくらい通信しているかを調べる

タカハシ●タケザワ次長が通信量オーバーになるのは、Macの使い方に関係しているかもしれないな。何にどのくらい通信しているかひと目でわかる方法はないんだろうか? 休憩がてら、カフェでテザリングしながら調べてみよう。

ふむふむ、通信量を詳しく調べるなら「アクティビティモニタ」の[ネットワーク]タブを見ればいいけど、ちょっと細かすぎるかな。ざっくりとソフト単位で調べるなら「トリップモード」というソフトがよさそうだ。有料だけど1日15分、1週間のお試しができるのでテストできるし。普段のMac操作をしてどれくらいデータ通信量があるのか調べてみよう。

(1時間後)

さてと…。えー! 「サファリでフェイスブックをチェックしながらiTunesで音楽を聞いていただけ」だと思っていたのに、150MB以上使っているの!?

ソフト別に見ていくと、一番よく使うWEBブラウザとメールが多いのは予想どおりだったけど、アイクラウドとかドロップボックスのようなクラウド系サービスがかなり裏で通信してるみたいだな。アイクラウドドライブを使っていなくても、常に数MB単位でデータを同期している。仕事で必要な場合は仕方ないけど、今すぐ同期する必要がない場合は、このトリップモードで通信を制限するとよいかもしれないな。

あと、やはりiTunesのストリーミング再生とかアップルミュージックのようにダウンロードが発生するものはてきめんだね。1時間で60MBというのはかなりバカにならない。お気に入りの曲はあらかじめローカルのiTunesにダウンロードしておくとよさそうだ。なんだか、だんだんタケザワ次長というより、自分のための調査になってきたような気がしてきたぞ。

TripMode

【作者】TripMode

【価格】7ドル99セント

【URL】https://www.tripmode.ch

トリップモードはモバイル利用時に通信するソフトを制限できるソフトです。ソフトごとにどのくらいの通信をしているのかを、セッションごと、その日、その月で表示を切り替えて見られる機能もあります。

トリップモードで1時間の通信量を調べてみました。WEBブラウザではフェイスブックなど動的に表示が更新されるページを開いていると、通信量が増える傾向にあります。

ドロップボックスやアイクラウドなど、バックグラウンドで通信しているソフトにも注意します。トリップモードではチェックを外すことで通信を制限できます。

iPhoneで利用通信状況を確認

テザリングによるデータ通信量オーバーの対策は、まずは自分がどのくらい通信しているのかを「知る」ところから始めることが大切ですよ。テザリングは緊急時にどうしてもMacを使わなければならないときのために使うことが多いものです。そのためにも、どこ見れば今使っているデータ通信量がわかるかを知っておきましょう。

キャリアによって異なりますが、通信の利用状況を確認するページにその月の残りの利用可能なデータ量が正確に表示されます。ブックマークしておくと便利です。

「設定」アプリの[モバイルデータ通信]では、現在までのデータ通信の合計容量が確認できます。月初に、同じ画面の一番下にある統計情報をリセットしておくと、その月のデータ使用状況の目安がわかります。

意外な盲点!? レティナと非レティナで違う通信量

タカハシ●もう1つ引っかかるのは、最近のレティナディスプレイを搭載したMacのほうが通信量が増えてるんじゃないかなっていうことなんだよね。解像度が違うので厳密には比較できないけど、非レティナのMacBookエア11インチとレティナのMacBook 12インチを比較してみよう。

WEBサイトがわかりやすいかな。レティナに対応したページ…たとえばアップルのサイトを表示してみよう。えっ、1ページが22MBもあるの? 同じページを非レティナで表示すると…9.9MB。約1/2倍のデータサイズだ。

レティナ非対応のWEBサイトではほとんど変わりないけど、画像が多いWEBサイトだと要注意だな~。まあ、注意してもできることはないけど、レティナディスプレイでWEBサイトを見ているほうが、データ通信量が多くなっている、ということは知っておくべきなんだろうな。レティナMacBookに買い換えた人は注意だ。

レティナ対応のWEBページを表示したところ、22MBのデータが読み込まれました。同じWEBページを通常解像度のMacで表示したところ9.9MBとなりました。

スクリーンショットを比較してみると、レティナのMacでは、ほぼ同じスクリーンサイズの非レティナのMacより、約3倍のデータ量がありました。

通信量オーバーを防ぐには何に注意すればいい?

タカハシ●さて、まとめなきゃ。でも、トリップモードで意識的に不必要なソフトの通信をオフにしておくのは効果的だけど、そのほかの解決方法って、難しいよな…。

ハヤシバラ●おや、うかない顔ですね。ははあ、よい対策が見つからないといったところでしょうか? でも、それでいいんですよ。今のところ、テザリングは緊急時にどうしてもMacを使わなければならないときのためと思っていたほうが健全ではないですかね。

タカハシ●なるほど、むしろ外出中は積極的にiPhoneやiPadを使っていったほうがデータ通信量の節約になりますね。Macを使って外で作業するならWi−Fiが利用できる場所を事前に探しておくと。

ハヤシバラ●公衆無線LANサービスを仕事で使うことの是非はありますが、次第にそういう場所も増えてますからね。現場の判断でそういう選択もありえるでしょう。

タカハシ●…では、タケザワ次長への返答をまとめます。まず、テザリングの接続が不安定な件については、USB接続でのテザリングを試してもらいます。通信量オーバーについては、基本的なメールのやりとりやWEBブラウズ、メッセージングサービスはiPhoneで行ってもらうようにしたいと思います。また、出張前には事前にWi−Fi環境があるか確認してもらい、テザリングはあくまでもそれを補完する方法だということを説明します。

ハヤシバラ●現状ではそんなところでしょう。個人のiPhoneを仕事に使うことについて、我が社はまだ明確なガイドラインがないので「シャドーIT」に近いのですが、現場のニーズを知るところから始めないといけませんね。会長には私から報告しておきます。

タカハシ●会長に? 部長や社長じゃないんですか?

ハヤシバラ●おっと、口が滑りましたね。まあよいではありませんか。ほっほっほ。

報告書

【ちょっと一服】

さまざまな通知に対応していると、作業に集中できずにデータ通信量が増えてしまいがちになります。その場合は、[オプション]キーを押しながらメニューバーアイコン右端の通知センターをクリックすると一時的に「おやすみモード」にできます。

【ちょっと一服】

ソフトバンクの場合、MacからMy Softbankにサインインして通信速度状況のページを表示し、左のメニューから[メールアドレスの設定]を選択すると、指定したメールアドレスに通信速度低速化の予告が通知できるようになります。