「ASUS S1」と「QUMI Q6」をMacBookにつないでみる
ハヤシバラ●さて、テストを始めましょうか。私が借りてきた機種は「ASUS S1」と「QUMI Q6」ですよ。
タカハシ●プロジェクタって、スペックがよくわからないですよね。
ハヤシバラ●スペックを確認するのであれば、投影距離とその画面サイズもチェックしておきたいね。たとえばASUS S1は「投影距離:0・73~2・43メートル、画面サイズ:30~100型」とあるけど、これは壁やスクリーンまで約70センチの距離で対角30インチ相当、最大2.4メートルで100インチ相当と読めるわけなんだ。
タカハシ●スクリーンまでの距離を離すほど、画面のサイズが大きくなるんですね。
ハヤシバラ●でも、大きくなるけど距離が離れるほど光が拡散するので画面は暗くなってしまう。プレゼン中に室内を真っ暗にするのは現実的じゃないよね。モバイルプロジェクタを会議室などで使う場合は最短距離を前提に考えたほうがいいかもしれない。
タカハシ●でも1つのテーブルで数人の打ち合わせで使う分にはそれで十分そうですよね。…どちらもHDMIケーブルをつなげれば設定なしにすぐ投影されました。まずASUS S1をつないでみました。200ルーメンとあるのですが、思ったより暗くありませんか?
ハヤシバラ●200ルーメンの出力は電源アダプタ接続時のみじゃないかな。バッテリ駆動時では最大で70ルーメンで駆動時間は1時間半のようだよ(節約モードもあり)。あとは、投影距離を変えてみよう。でも、電源ケーブルなしでHDMIケーブル1本というのはスッキリしてるね。
タカハシ●明るい部屋での利用が前提となると、やはり明るさの単位である「ルーメン」は多いほうがいいんでしょうか?
ハヤシバラ●基本的にはそうだね。でも、もちろんルーメン値は大きいほうがいいけど、モバイルプロジェクタの場合は使い勝手も合わせて総合的に判断する必要があるだろうね。…さて、QUMI Q6はつなげたかな?
タカハシ●QUMI Q6はASUS S1と比べると、明るくて画面が見やすいですね。距離1~2メートルなら明るい室内でも実用的です。でも内蔵バッテリがないのでACアダプタが必須ですよね。会議のときは設置する場所には多少制約が生まれてしまいそうですが。
ハヤシバラ●どちらがいい悪いじゃなく、設計思想の違いが大きいね。おそらくそこが選択のポイントになりそうだ。
「QUMI Q6」は最大輝度800ルーメンと、モバイルプロジェクタの中ではかなりの高スペックモデルです。こちらは電源アダプタは必須ですが、その代わりにワイヤレスで接続できる機能が備わっています。
「ASUS S1」はバッテリ搭載で、MacとはHDMIケーブルを変換アダプタを経由して1本でつながるのがメリットです。
投影距離と映像の関係を見てみる
イマドキはMacBookだけではない
iOSデバイスとの相性もチェックしてみる
ハヤシバラ●たしか、マーケティング部はiPadも使っていましたよね。iOSデバイスとの相性もチェックしてくれますか?
タカハシ●わかりました。…とはいえASUS S1はプロジェクタの機能としてはシンプルなので、ライトニングケーブルとHDMIの変換アダプタさえあれば、そのまま出力できるようです。
QUMI Q6も有線接続できますが、ワイヤレスでも接続できるみたいですよ。本体のメニューから専用ソフトの「EZCast Pro」を起動すると…Wi-Fiのアクセスポイントとパスワードが表示された。これにiPhoneから接続して専用アプリから写真やビデオ、プレゼン資料などを再生できるようです。1対1の、いわゆるアドホック接続ですね。
ハヤシバラ●ふむふむ、さらにQ6はアドホック接続だけじゃなくて、社内のWi-FiアクセスポイントをQ6に登録すればその先のインターネット接続もできるので、ユーチューブなども再生できる。よくできているね。でも、依頼者は客先で使うのだよね?
タカハシ●あっ、そうでした。客先のWi-Fi貸してくれとも言い難いですしね…。
「Lightning – Digital AVアダプタ」([a]5800円)があれば、iPhone、iPadからHDMIケーブル経由でモバイルプロジェクタに接続できますね。
QUMI Q6は「EZCast Pro」を搭載しており、iPhoneやMac、ウィンドウズやアンドロイドからもワイヤレスでプレゼンプレゼンできます。
客先で使うモバイルプロジェクタの最適解は?
アクセサリ類の追加は必須
ハヤシバラ●だいたい今回の結論は見えたようだね。
タカハシ●はい。イジュウインの奴…いえ、マーケティング部のイジュウイン氏の意向に沿うのであればASUS S1が有力な候補として挙げられます。QUMI Q6もよい製品ですが、客先での利用を考えると、内蔵バッテリがないのは厳しいかもしれません。ただ、主に部内でも設置して使うことを想定しているのであればQUMI Q6はiOSとの連携機能も強いですし、おすすめできます。
ハヤシバラ●結構です。それでメールを送っておいてください。
タカハシ●はい、送信っと。ところで、結構モバイルプロジェクタは値段の幅もありましたよね。
ハヤシバラ●そうですね、今回は予算については指定がなかったので問題ないでしょう。予算があるときは指定するように通達してありますから。
タカハシ●そうですか。…おっと即レス来た。なになに…。
タカハシ●そっちかよ!
ハヤシバラ●ほっほっほ。本体のカラバリが決め手とは、彼もなかなかだね。でも感謝されてるんだからミッションとしては成功ということでいいんじゃないかな。
タカハシ●はい。ぐぎぎ…。
【ちょっと一服】
いずれのプロジェクタもHDMIケーブルが付属していました。もちろん普段はこれを使えばよいのですが、最近は細いタイプのHDMIケーブルや2メートル以上の長いケーブルなどもありますので必要に応じて追加で購入しておきましょう。
【ちょっと一服】
モバイルプロジェクタには「MHLケーブル」が付属していますが、これはアンドロイド端末の写真やビデオをHDMI出力するものでiOSデバイスでは利用できません。iOSデバイスで有線接続するには、別途変換ケーブルが必要です。