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出張先での画像管理はどうしたらいい??

著者: 栗原亮

出張先での画像管理はどうしたらいい??

グーグルとアマゾンをMacBookで使い込んでみる

タカハシ●グーグルとアマゾンとドロップボックスに絞り込んだから、この3つで比較してみよう。

でも、比較とはいっても、使い方を読んでいるだけじゃあ、使い勝手はよくわからないなあ。まずグーグルとアマゾン、それぞれの写真共有機能について実際に試してみようっと。どれも事前にアカウントを取得してからMac用のクライアントソフトをインストールして使うという流れは共通だね。

グーグルとアマゾンはアップロードするフォルダをきちんと設定しないと、自動でMac内の写真がスルスルとアップロードされるんだね。設定はあとから変更できるけど、わかっていないとちょっとこれは怖いかもしれない…。

特にグーグルはしばらく放置しておくと人物や場所で自動的に分類してくれるだけでなくて、「ネコ」とか「列車」とか写真に写り込んだモノの種類でも検索できるのか。すごい技術だけど、これは写真の中身が解析されているってことかな。…ふーん、グーグル・ドライブの空き領域を使えば、圧縮していないオリジナルの写真もアップロードできるんだ。これは便利かもしれない。

アマゾンもグーグルと基本的な仕組みは似てるけど、写真のアップロード速度がかなり速く感じるね。写真アルバムの共有にはちょっとコツがいるけど、写真の形式やサイズの制約が少ないので悪くないと思うな。

Google Photos Backup

インストール時にバックアップ元を選択します。写真サイズは容量無制限の場合は圧縮されますが、グーグル・ドライブの空き容量(無料で15GB)を使う場合は元のサイズでアップロードできます。【URL】https://photos.google.com/apps

メニューバーアイコンからアップロードした写真にアクセスできます。WEBブラウザ上で共有アルバムを作成すれば、リンクで共有できます。

Amazon Cloud Drive App

インストール時にアップロードするフォルダを選択します。指定しないとMac内のほかの場所にある写真もアップロードされてしまうので注意が必要です。【URL】https://www.amazon.co.jp/clouddrive/prime

メニューバーアイコンからアクセスします。サファリで共有機能を利用するには環境設定の[セキュリティ]から[ポップアップウインドウを開かない]のチェックを外す必要があります。

ドロップボックスをMacBookで使い込んでみる

タカハシ●さてと、残るはドロップボックスか。これも、Mac用のクライアントソフトをインストールしておくわけだな。ドロップボックスはMacのファインダと一体化してるのが特徴だね。フォルダを選んで共有相手を選ぶという流れなので、勝手にほかの写真が共有されるという失敗は少ないかもしれない。ただ、グーグルやアマゾンに比べて、無料で使えるのは2GBまでか…。有料プランもあるけど、最近は経費のチェックも厳しいからどうかな。

どのサービスも条件こそあれ、オリジナルの写真をアップロードしてメールなどで共有できることはわかった。では、ヤマモトさんに一番オススメなのはどれなんだろう…。

Dropbox

インストールしたら、ドロップボックスフォルダ内の共有したいフォルダを選び、ツールバーから[共有]を選択します。【URL】https://www.dropbox.com

するとWEBブラウザが開くので、共有したい相手のメールアドレスを入力して[フォルダを共有]をクリックします。

写真クラウドサービスは業務で使えるのか?

タカハシ●さてと、今回の調査から、ヤマモトさんの用途では、グーグル、アマゾン、ドロップボックスの3つから選べばいいかな…ホッ、今日は早く帰れそうだ。おっと、課長が来たぞ。

タカハシ●あっ、そうか。ヤマモトさんは工場の写真をアップロードすると言っていたんだった…すいません! 引き続き調査します。

うーん、グーグルは無料で使えるのはいいけど、アップロードした写真を広告に利用したりグーグル・マップに表示させたりと使う気満々なのが気になるなあ…。タダより高いものはないということか。アマゾンも第三者に提供することがあると含みを残してる。今のところ、ドロップボックスだけが勝手に第三者に提供することはないと言っているようだ。でも、法人で使うならビジネスプランを選択するのがいいかもしれないな。管理者による共有管理機能や、紛失したデバイスのデータの保護なども行えるとあるぞ。

各社の利用規約からポイントとなる部分を整理してみました。詳しくは各サイトの原文を確認ください。また、ビジネスプランの場合は利用規約の内容が異なる場合があります。

ドロップボックスにはビジネスプランもあります。ユーザ数5人からであれば1人1500円/月で導入可能です。【URL】https://www.dropbox.com/business

「ドロップボックス」がよいが、しかし…

タカハシ●ヤマモトさんの依頼、回答がまとまりました。課長のご指摘を踏まえると、現状で仕事に使える可能性が高い写真共有サービスは「ドロップボックス」と判明しました。今回のケースでは無料版でも使えますが、今後のことを考えると営業部としてビジネスプランの導入も視野に入れていただくのがよいと思います!

ハヤシバラ●はい、わかりました。意外性のない結論ですが、それでいいでしょう。報告書をメールにして私とヤマモトさんに送ってください。…あ、そうそう。言い忘れてたけど我が社のこれまでのコンプライアンス規約だと、業務でのクラウドサービス利用は禁止されてるんだよね(にっこり)。

タカハシ●え? えええーっ? じゃあ、今日の調査はムダ!?

ハヤシバラ●いやいや、そんなことはない。会社としてコンプライアンス遵守は「絶対」だけど、モバイル全盛の動きに合わせて新しい社内ルールを検討するようにというのが偉い方のご意向なのさ。現場のさまざまなニーズからそれらを導き出すのが、このMB推進室の真の使命と言っていいだろう。ま、今日はごくろうさま、メールを送ったら帰っていいよ。

タカハシ●は、はい…(偉い人の意向? 真の使命? この人いったい何者?)

【報告書】

【ちょっと一服】

ドロップボックスのビジネスプランだと、管理者アカウントがほかのメンバーの権限を管理したりIPアドレスを把握できるので企業でも導入しやすいと思います。個人事業主は通常の有料プランでも問題なさそうですね。(新人タカハシ)

【ちょっと一服】

「写真」ソフトに仕事の写真を読み込むと、iCloudフォトストレージへアップロードされたり、プライベートな写真と混在したりと都合が悪いことも多いですね。「イメージキャプチャ」を使ってファイルとして読み込んだほうがよいでしょう。(課長ハヤシバラ)