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次世代のiPhoneで音楽は「別の場所から」聴く!?

Apple、Beatsで相次ぐ採用いよいよLightningが勢力拡大

著者: 松村太郎

Apple、Beatsで相次ぐ採用いよいよLightningが勢力拡大

アップル色のビーツ

ビーツが発売した「Beats Pill+(ビーツ・ピルプラス)」は、「アップル傘下のビーツ」を存分に楽しむことができる新製品だ。スピーカ部分にはアップルが取得した特許が活用されている。また、ブラックモデルの背面パネルの色の統一感や、iPhone 6sを彷彿とさせる環境に配慮したパッケージなど、デザイン面でも「アップル色」が濃い。

Pill+の特徴は、広いリビングルームを1台でまかなえるほどの豊かな音場を作り出すことができるパワフルさにある。加えて、専用アプリから2台をペアリングして複数の部屋で同じ音楽を鳴らしたり、左右片チャンネルずつ出力してステレオを楽しむことができる機能も特筆すべきだ。

こうしたアップルらしさ、オーディオ機器としての機能性といった魅力が詰まったPill+。その本体に用意された充電コネクタがマイクロUSBからライトニング(ライトニング)に変更され、3時間の充電で12時間再生を可能にしている点は「アップルのビーツ」を強く意識させる仕様といえる。

Beats Pill+

【発売】アップルジャパン

【価格】2万8800円(税別)

カラフルなイメージのあるビーツ製品ながら、Pill+のカラーラインアップはブラックとホワイトの2色。モノトーンからのリリースとなったのも、アップルの影響がありそうだ。サイズは、幅210ミリ、高さ63.6ミリ、奥行き69.2ミリだ。

iPhoneのヘッドフォンも?

これまでiPhoneやiPad、iPodタッチの充電・データ転送用としてのみ使われてきたライトニング。2015年はアップルからライトニングを搭載するデバイスが、多数一挙にリリースされた年だった。

Mac向けのマジックマウス2、マジックトラックパッド2、マジックキーボード各デバイスは、電池交換式からバッテリ内蔵式に変わり、ライトニングを搭載。充電とMacとのペアリング、有線接続用に用いられる。また、アップルTV本体にはサービスポートとしてUSB-Cが用意されたが、付属する薄型のシリリモート(Siri Remote)の充電にはライトニングが選択された。

さらにアップルペンシルにもライトニングが内蔵され、iPadプロのライトニングポートから短時間で充電できる仕組みとなった。そしてビーツのPill+への採用だ。2016年はライトニングの勢力がさらに大きく拡大するものと思われる。

次世代iPhoneでは、お馴染みの3.5ミリヘッドフォンコネクタが廃止され、ライトニング経由で音楽を楽しむようになるとの予測がアップル系ニュースサイトで現在流れている。これにより、iPhoneのさらなる薄型化の実現や、いわゆるハイレゾオーディオのサポートなどのメリットを享受できる可能性が高い。同時にこれまでのヘッドフォンコネクタを存続させてほしいとの署名活動も盛り上がりを見せるが、アップルが古いポートを切り捨てる例は、過去にいくつもある。アップルのモバイルデバイスやアクセサリにおいて、充電、データ転送、アクセサリの活用を1つのポートでまかなう手段として、USB-Cよりもより小型であるライトニングは今後も重要度を増していくに違いない。

背面には、本体色に塗られたライトニングポートが用意されている。また、3時間で6000mAhのバッテリを急速充電できるチャージャも付属する。

【NewsEye】

「Beats Pill+ App」をダウンロードすることでPill+を同期させ、1台を左専用、もう1台を右専用にすることができる。また、アプリから友だちと一緒に音楽を2つのブルートゥース対応デバイスからコントロール可能だ。