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「読む」~『ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果』書評

著者: 徳本昌大

「読む」~『ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果』書評

第8回 「マルチタスクで効率化」はナンセンス。やるべきことは1つに絞る

目標達成率を一気にアップする方法

「豊富な知識を持っている人がいたら、それは長い時間をかけて身につけたものだ。多彩なスキルを持っている人がいたら、それは長い時間をかけて培ったものだ。多くのことを達成した人がいたら、長い時間をかけてなしとげたのだ。大きな財産を持っている人がいたら、長い時間をかけて築いたのだ。カギは『時間をかけて』だ。成功は積み重ねによって築かれる。そして一度にするのは一つのことだけだ。」(ゲアリー・ケラー)

本書の著者であるゲアリー・ケラーは、誰もが等しく持つ「時間」について、これこそが成功へのカギであると力説します。何かを成し遂げた人は短時間で成功したわけではありません。ことわざにもあるように「千里の道も一歩から」です。倦まず弛まず、地道に時間を積み重ねることが肝要なのです。

本書においてケラーは、成功したいなら、その事柄について1日に4時間費やせといいます。意志の力は万全ではなく、私たちの脳は疲労しやすいという特徴がありますから、生産性の高い時間すなわち朝や午前中に集中して、こうした時間を設けるといいでしょう。そして成功するためのもう1つの秘策は、集中するべきことをたった1つに絞るということです。

努力に成果が見合っていないなら、道に迷っている可能性があります。まずは、成功のための最重要タスクを見出すことからスタートしましょう。このときに最優先すべき事項とは、自分の未来をハッピーにするために、まさに今、自分が実行しなければならないことです。多くの「優先事項」が頭に浮かぶかもしれませんが、紙に書き出しながら深く掘り下げることで、その1つが一体なんなのか、突き詰めて考えてみましょう。未来の目標を見定め、そこから全行程のステップを逆算すれば、今やるべきことが必ず見つかるはずです。このようにステップを明確にすることは、目標達成率アップにも貢献してくれます。

ここまでは、実は誰でも思いつくことかもしれません。私自身、本書を読む前から実践していたことでもあります。しかしそれ以外に、本書から新しい学びを手に入れました。なんと、この目標への進捗を仲間に報告することで目標達成率が76・7パーセントも増加するというのです。この数字を見れば、あなたもすぐに実践したくなるでしょう。ワクワクした気持ちで目標を紙に書き、日々人に伝えることで、幸せになれる可能性をぐんと高められるのです。

ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果

ゲアリー・ケラー、ジェイ・パパザン著

SBクリエイティブ/1469円

2014年刊

徳本昌大

iPhoneやソーシャルメディアのビジネス活用を絶えず考える読書ブロガー。複数の広告会社勤務後、コミュニケーションコンサルタントとして独立。現在は、株式会社Ewil Japan、タキマテック株式会社、株式会社ビズライト・テクノロジーの取締役としても活動中。【URL】http://tokumoto.jp/