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新しいソフトやツールを積極的に取り入れられるので、エンジニアにとって快適な環境です。

[Chapter 3]株式会社ミクシィ 清水 勲さん●デキるビジネスパーソンのとっておきソフト?

[Chapter 3]株式会社ミクシィ 清水 勲さん●デキるビジネスパーソンのとっておきソフト?

新しいソフトやツールを積極的に取り入れられるので、
エンジニアにとって快適な環境です。

清水 勲

SIer(システムインテグレータ)で受託開発やコンシューマゲーム向け動画配信サービスのプログラム開発・運用などを経て、2011年より株式会社ミクシィに入社。現在は、ミクシィ内のエックスフラッグスタジオで「モンスターストライク」のサーバ・インフラ運用を担当する。主な業務は、サーバの負荷対策やクラウド環境の整備など。

清水さんのとっておきソフト

Authy

【開発】Authy Inc.
【価格】無料
【URL】https://www.authy.com

セキュリティを高めるうえで欠かせない「2段階認証」のサービスをまとめて管理できるツール。Mac / iPhone/アンドロイドアプリのほか、クローム機能拡張が提供されています。

「2段階認証」を管理する

2015年5月に世界累計のユーザ数が3000万人を超えた大人気スマホアプリ「モンスト(モンスターストライク)」をご存じの方は多いでしょう。清水勲さんは、このモンストを配信するミクシィ内のエックスフラッグスタジオで働くエンジニアです。システム開発部として100名前後が在籍し、主に開発チームと運用チームがあります。清水さんは運用チームのメンバーとして開発環境のサーバを管理したり、アクセスが集中するゲームサーバの負荷分散や仮想サーバの増設などの運用を担当しています。サーバがダウンすると多くのユーザに迷惑がかかるため、24時間365日サーバ監視が行われ、異常が発生すれば土日や夜間でもアラートメールが飛んでくるなど、気の抜けない仕事環境だということです。

清水さんがシステムの運用や開発に用いる各種オンラインサービスを利用するうえで欠かせないのが、アカウントの乗っとりなどを防ぐ「2段階認証」を管理するツールです。2段階認証とは、通常のアカウントとパスワードによる認証に加えて、有効期限の短い「ワンタイムパスワード」を利用して追加認証を行う仕組みで、セキュリティの強度を高めてアカウントの乗っとりなどの被害を抑える効果があるとされています。アップルIDはもちろん、エバーノートやドロップボックスなどクラウドを活用する主要なWEBサービスの多くが採用しています。

一方で、複数のサービスで2段階認証を利用していると毎回のログインが大変になってしまうため、前述の認証コードの管理ツールが役立つというわけです。グーグル・オーセンティケータ(Google Authenticator)などいくつかの選択肢はありますが、清水さんが選んだのは「オーシー(Authy)」というアプリ/サービスです。

セキュリティを高める理由

発行された2段階認証のコードを受け取るにはSMSを利用する方法も一般的ですが、オーシーではあらかじめiPhoneなどに認証アプリをインストールしておき、2段階認証に対応したサービスを登録しておくことで、アプリ内の画面に各サービスのワンタイムパスワードを表示できます。あとはコードをコピーしてサインインすればよいわけです。初回に利用中のサービスを登録する手間はありますが、オーシーではWEBサービスの画面にQRコードを生成してiPhoneカメラで読み取るという方法で簡略化しています。さらに、マルチデバイス対応でMacやウィンドウズからも2段階認証を利用できます。特にMacの利用率が高い開発・運用チームでは、このオーシーを利用している人が多いとのこと。

「1年ほど前からグーグルやエバーノート、ドロップボックスといった一般的なサービスのほか、開発中のコードを管理するギットハブ(GitHub)やAWS(アマゾンの仮想サーバ)のログインに利用しています。部署としてオーシーの利用を義務づけているわけではありませんが、2段階認証自体はセキュリティを高めるためには必須です。また、外出先からサーバにアクセスすることもあるのですが、万が一デバイスを紛失してしまってもクラウド上にデータが暗号化された状態で保存されているので、Mac上のオーシーからマスターパスワードを入力すればいつでも利用可能になります」

オーシーのインターフェイスはまだ日本語化されていないものの、非常にシンプルでわかりやすいのが特長です。また、パスワード管理ツールの「ワンパスワード」も2段階認証コードの管理に対応したので、有償でもよければそちらもおすすめです、と清水さんはいいます。

積極的な導入

ほかにもエンジニアの日常的な仕事に欠かせないツールとして、ツイッタークライアントの「ツイートボット4(TweetBot4)」、社内チャットとして「スラック(Slack)」などがあるそうです。ツイートボット4では、同業のエンジニアやニュース系のアカウントを中心にフォローして情報収集に利用し、スラックでは開発状況の共有のほか各部署同士のコミュニケーションなどに用いています。

「社内グループウェアとして『ジラ』や『コンフルエンス(Confluence)』といったツールも導入されていますが、日常的なエンジニア同士のコミュニケーションはチャットツールが基本ですね。やりとりの記録が残せることや、ギットハブと連係してソースコードに対するコメントやレビューの通知がされたりと、いつでも素早く対応できるので便利です」

最先端のテクノロジーやツールを業務にも積極的に導入できるオープンな環境は、「エンジニアにとっては、よりやりがいのある仕事に集中できます」とモチベーションの向上にもつながっているそうです。 (取材・文/栗原亮)

強靭なセキュリティに不可欠なツール

オーシーはクローム機能拡張のアプリとして提供され、マルチデバイス設定によりMacのデスクトップからも利用できます。グーグルやエバーノートをはじめ、ギットハブなど2段階認証を利用する複数のサービスをサポートしています。

デスクトップからのスムースな起動

Macのオーシーはランチャソフトがあるので、ランチパッド画面やスポットライトからすぐに起動できます。起動直後にマスターパスワードを入力すれば、登録済みの各サービスの認証コードを発行できます。

手軽に2段階認証

2段階認証では30秒間有効なワンタイムパスワードが発行されます。このコードの[Copy]ボタンをクリックしてクリップボードにコピーし、各サービスにログインすれば手軽にサービスを利用できます。iPhoneアプリからでもサービスを利用することが可能です。

ツイッターで常に情報収集

清水さんは情報収集のために、ツイートボット4を常時起動しているとのこと。UIが洗練されていて、既読管理がiPhoneアプリと同期されるところが使いやすい理由だそうです。

[Company Profile]株式会社ミクシィ

「新しい文化を創る」をミッションに掲げ、ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」や、スマホアプリのひっぱりハンティングRPG「モンスターストライク」などのサービスを運営。2015年7月には、ゲームや映像コンテンツ制作のスタジオブランドとして、新たに「XFLAG(エックスフラッグ)スタジオ」を起ち上げました。【URL】http://mixi.co.jp