ちまちまと覗くのが苦痛
本業はライターですが、時としてブツ撮り(製品撮影)が必要なこともあります。オークション出品用の写真や趣味の模型撮影なんかでもね。といっても、ちゃんとした設備なんかないので、事務所のテーブルが撮影台代わりです。そこにブツを置いてファインダを覗いてシャッターを切り、撮った画像をカメラの小さな画面で拡大してチェック。ダイヤルやら、小さなボタンを操作しながら設定を変えて、また撮って、チェックを繰り返します。立ったり中腰になったりと、腰痛持ちの私にとっては苦行ともいえる仕事なんです。
そんなときに手元にやってきたのが「iUSBport CAMERA 2」。一眼レフカメラに取り付けるアダプタで、カメラの操作や撮った写真の確認を、iOSデバイスの画面でできるという製品です。接続はWi−Fiで行うため、煩わしい配線も必要ありません。
さっそく使ってみましょう。充電した本体をブラケットにセットしてカメラのアクセサリーシューに取り付けたら、あとはUSBケーブルでカメラにつなげるだけ。iPadに専用アプリ「iUS Bcamera」をインストールして準備完了です。
iPadがカメラの画面に
「iUSBcamera」を起動するとiPadがカメラの画面に早変わり。ライブビューからシャッター操作、撮った写真のチェックまでiPadの画面上でできます。
もう腰も痛まない!
iPadと本製品をWi−Fiで接続したら、アプリを起動しましょう。アプリ上にカメラが表示されるので選択します。操作画面に切り替わったら、画面の右下にある[LV]をタップ。するとファインダに映る映像がiPadに映し出されました。今までブツ撮りのときはカメラのライブビュー機能を使って撮影していたんですが、実はこれが大変。微妙なピント合わせのときなんかは拡大表示に切り替えて確認する必要があるので、モニタ画面を見ながらプチプチとボタンを連打していました。手持ちならまだしも、三脚に固定しているときは中腰で覗き込んで操作を続けるはめに。これが結構、腰にくるんです。
本製品があれば、撮影した写真はiPadの大きな画面でチェックできるし、カメラのコントロールもiPadから操作できます。1人でインタビュー取材をするときでも、相手の話を聞きながらときおり手元のiPadでシャッターを切るなんて使い方もできそうです。
撮った写真をチェックしたら、使う写真はその場でiPadにダウンロードしてアイクラウドで共有。ストレージデバイスをWi−Fi共有する機能もあるため、撮った写真をUSBメモリにコピーしてその場で納品、なんてこともできます。3300mAhのモバイルバッテリとしても使えるので、スタメン機材の一員となってもらうことにしました。
iPadをタップしてピントや露出も
ライブビューの画面をタップすれば、そのポイントにピントや露出が合います。iPhoneやiPadのカメラで撮影しているときと同じ手軽さです。
撮影条件もiPadから変更
ホワイトバランスや測光モードの切り替えから、露出補正、シャッタースピード、絞りなどの操作もカメラに触れる必要なしです。
ピント刻みで外しの失敗もなし
前後にピントをズラして何枚か撮影する機能を使えば、マクロ撮影時の「もうチョット後ピンにしとけばよかった…」なんて失敗も回避できますね。
単体でも使える
USBポートにつなげたストレージをWi-Fi化する機能も便利です。メモリカードやUSBメモリに写真をコピーすることもiUSBport単体でできます。
松山茂の評価
● 大画面でカメラ操作
● Wi-Fiストレージにもなる
> ● モバイルバッテリにもなる
● 対応カメラが限られる
● ブラケットが縦位置のみ
【補足】
iUSBport CAMERA 2が搭載しているWi-Fiの周波数帯域は2.4GHzですが、別途「5GHz 300Mbps USBアダプタ」が付属しています。こちらを使えば高速で安定した撮影ができます。
SPEC
[使用期間]30日
【発売】アクト・ツー
【価格】3万2184円
【URL】http://store.act2.com/hyper-drive-iusb-port-camera2-n-tokyo.html
【Size】75(W)×58(H)×24(D)mm
【重量】本体のみ:119g、マウントパーツ込み:149g
【インターフェイス】USB 2.0×2、マイクロSDXC×1、802.11b/g/n
【備考】バッテリ容量:3300mAh、対応カメラ:キヤノンおよびニコンのデジタル一眼レフカメラ(詳細は製品サイトを参照)
松山茂 Shigeru Matsuyama
東京・谷中を拠点として日々ガジェットと猫を愛でながら執筆するフリーライター。Mac歴は1984年発売のMacintoshから。気づけば早30年、Macの進化と時の流れの速さを実感中。