Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

マルチデバイス対応の家計簿で思い立ったらすぐ記帳?

著者: 村田有紀

マルチデバイス対応の家計簿で思い立ったらすぐ記帳?

2016年こそは家計簿をつけたい!

お金を使って日本の経済を活性化させるのは、よい心がけかもしれませんが、浪費はよくありません。自分がどんなことにお金を使っているかを知るには、家計簿をつけるのが近道…と、わかっていても続かないどころか、始まってもいないのは私だけではなかったようで安心しました。

いや、ホっとしている場合ではありません。一年の計を元旦に立てていては、開始時期が先送りになってしまいます。そこで、年末の忙しい最中に理想の家計簿を探しました。

ポイントは2つ。まず、iOSデバイスとの同期が簡単にできること。買い物してすぐにiPhoneで記帳できれば、無理なく続けられそうです。2つ目は、仕事とプライベートの会計を別々に管理できること。これは、フリーランスや個人事業主といった環境を考慮しました。

オンラインの家計簿サービスもアリ

調べてみてわかったのは、簡易会計のジャンルは、オンラインサービスが充実しつつあること。特にMacで使える国産サービスは、WEBアプリタイプのものがいくつか出ています。確定申告の帳簿作成など業務で利用する場合、そうした国産サービスであることがマストですが、個人のお小遣い帳や家計簿としての利用には、海外発のソフトでも一般的な機能に不足はありません。また、国外の銀行口座を運用している場合、むしろグローバル対応のソフトのほうがウェルカムという側面もあります。

そうしてピックアップしたのが、以下の4本です。iPadアプリとしてスタートした「マネーウィズ2(MoneyWiz 2)」は、当初クラウドで同期できる初めてのファイナンスアプリとして注目を集めました。得意のシンク技術で、現在では43カ国1万5千を超えるオンラインバンキングに対応しています。が、日本の銀行には今のところ公式には未対応です。

「ヴィジュアル・バジェット(Visual Budget)」

は、あらかじめ入力されているデモデータを使って、実際に運用する前に使い方を学習できるソフトです。開発元のWEBサイトに日本語の説明がある点も好感が持てます。候補の中で唯一日本で開発された「マネーフォワード」は、国内の主要銀行のオンラインアカウントへの対応など、国産ならではの機能が満載です。

候補のソフト

MoneyWiz 2

【開発】SilverWiz Ltd.

【価格】2400円 ※購読版もあり

【カテゴリ】Mac App Store>ファイナンス

仕事している気になるスマートなインターフェイス。携帯端末との同期にも対応。無料版は、100件までの取引が入力できるお試し版として利用可能です。

 

Visual Budget

【開発】pascal meziat

【価格】600円

【カテゴリ】Mac App Store>ファイナンス

ほかの同種のソフトに比べて安価ながら、複数のアカウントに対応するなど家計簿をつけるには必要十分な機能を有し、わかりやすいのも◎です。

 

マネーフォワード

【開発】株式会社マネーフォワード

【価格】無料(プレミアムは500円/月)

【URL】http://moneyforward.com

WEBブラウザからアクセスするオンライン資産管理サービス。日本の税制に即したレポート作成や、オンラインバンキングとの連動にも対応。

アイクラウド対応の「マネー・プロ」

オンラインバンキングとの連携は便利そうですが、こう見えても心配性の私としては、銀行口座とソフトとの連動は、ちょっと不安…というのが本音です。そこで今回選んだのが「マネー・プロ(Money Pro)」です。すっきりしたデザインも気に入りました。すっきりし過ぎて、少し頼りなく見えるかもしれませんが、マネーウィズと同等の機能を兼ね備えています。

懸案の銀行口座やクレジットカードの情報は、銀行のオンラインサービスからダウンロードしたCSVやOFX形式の取引履歴を読み込むことで対応します。ひと手間かかりますが、直接マネー・プロに銀行のオンラインアカウントを紐付ける必要はありません。そして、なんといっても最大のポイントはアイクラウドアカウントを使った同期といえるでしょう。

今月のソフト

【Pick Up!】Money Pro

【開発】iBear LLC

【価格】3600円

【カテゴリ】Mac App Store>ファイナンス

iOS版で人気のマネー・プロのMac版が登場。アイクラウド対応や事務系ソフトっぽくないインターフェイスデザインが特徴です。テーマの着替えも可能です。

マネー・プロのウインドウ

iPhoneで家計簿をつける

今回候補に選んだ4つの家計簿サービスは、いずれもiOS向けのアプリが公開されています。MacとiPhoneのどちらからでも使った金額を入力したり、支払い期限を確認したりといったことが実現できます。

また、マネーフォワードなど日本に特化したアプリでは、iPhoneのカメラを使ってレシートの内容を読み込むOCR機能を搭載するなど、スマホならではの機能が利用できるのもポイントです。Macよりスマホを使う時間のほうが長いという人は、スマホアプリから家計簿を始めてみるのもいいでしょう。

直近の支払い予定やその通知をiPhoneでチェック。払い忘れや必要なときの残高不足といった事態の回避策としても有効です。

節約が目的なら、家計簿をつけるだけで満足してはいけません。自分のお金の使い方を、グラフなどで客観的に振り返りましょう。

【試用版】

マネー・プロとマネーウィズ2は、いずれもMacアップストアで公開されている有料アプリですが、機能制限付きの無料版も同時に公開されています。また、ヴィジュアル・バジェットは公式WEBサイトでデモ版を配布しています。

【スマホ対応】

今回候補に上げた4つのサービスのうちマネー・プロを除く3つは、アンドロイドOSにも対応しています。また、マネー・プロとマネーウィズ2は、アップル・ウォッチへの対応も果たしています。