アップル・ペイが鍵
サプライヤーの情報によると、アップルはiPhone 5sの改良型として、現行のiPodタッチ (第6世代)をベースに、A8チップ、802・11ac、ブルートゥース4.1、F値2.2に性能向上したフェイスタイムHDカメラなどを搭載するiPhone 5s(第2世代)を準備しているようだ。
このモデルを投入する背景として、鍵を握るのがアップル・ペイと中国市場だ。筆者は、中国でのアップル・ペイ決済において、中国銀聯(ユニオンペイ)など中国4大国営銀行との提携が合意した可能性が高いと見ている。アップルは中国市場を主眼に置いて、既存のiPodタッチをベースにNFC機能を追加した、安価なiPhoneをリリースするつもりなのだろう。
そもそも、iPhoneの販売事情に関しても、中国は日本や米国などとは異なっている。中国ではキャリアによる割り引き販売が行われておらず、iPhoneはほかのスマートフォンに比べ非常に高額な端末になっている。しかし中国市場では、最高性能で高額なモデルよりも、十分な性能を持ちつつ低価格なモデルが求められており、その端末として新型iPhone 5sの投入を決めたに違いない。
狙いは中国だけではない
とはいえ、新型iPhone 5sはなにも中国だけをターゲットにした製品ではないはずだ。現在、米国のiPhone販売数の約20%はiPhone 5sが占めており、米国内でもニーズが高い。iPhone 5sがアップル・ペイに対応すれば、製品の魅力を底上げすることにつながるはずだ。
なお、新しいiPhone 5sが現行のiPhone 6のデザインを採り入れないのは「iPhone 5sとiPhone 6sはあくまで別のラインアップ」と見なしているからだろう。MacBookとMacBookエアのデザインが異なるように、iPhoneというブランドの中で2つのファミリーを展開していく考えのようだ。
この新しいiPhone 5s、発売時期は2月と見られる。中国では、旧正月(春節)の関係で2016年2月7日~13日までの7日間が大型連休となる。これを考慮すると、2016年2月後半に発売という線が濃厚だと予想する。
【News Eye】
本稿は、これまで本誌でiPadプロをはじめとするアップル新製品の登場予測を幾度となく行い見事に的中させてきた、ある消息筋からの情報を元に作成している。