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それは革新か? 実使用者6人の証言

iPad Proユーザーズボイス●iPad Proイノベーションと創造的破壊?

著者: Mac Fan編集部

iPad Proユーザーズボイス●iPad Proイノベーションと創造的破壊?

アップルペンシルは、本当に良かった。絵コンテ作成などで、すでに実に重宝している。本格的な絵を描くのもいいし、絵が下手でも、絵を編集し、ある程度のものに整えられる。図を描いたり、簡単な絵を描くことでコミュニケーションの速度を上げることが可能だ。手書き文字も紙のように書け、絵や図に加えて、即座に送付できるのも、パソコンではなかなか実現しないこと。

キーボードは当然重宝する。パソコン同様サクサク使え、なにしろ、いつも使っているブルートゥースキーボードで、iPadプロを縦置きにすれば、27インチモニタでワードなどでウインドウを開いたときと同じ作業領域を確保できる。このインパクトは、必ず横置きしかできないノートPCでは得られない広大な領域だ。外出時、シナリオなどの長い文章も、広い視野で俯瞰できることは作業上非常に重要だ。

また、ネットフリックスや動画配信サービスなどが本当に見やすくなった。どこにいても、満足の大画面と音で視聴できる。頻繁に映像のチェックをする者としては、これも重宝する。当然、大画面で、マンガや本が、信じられないくらい読みやすくなり、エンタメマシンとしても、おすすめできる。

プロの名にふさわしいiPadであるだけに、プロ用のアプリの進化で、さらに可能性を拡大してほしくなる。

とにかく、旅先や打ち合わせには、これ1つとスマートフォンがあればいいということになりそうだ。

佐藤信介

映画監督。主な監督作に、「砂時計」「GANTZ」シリーズ、「図書館戦争」シリーズなど。2016年春「アイアムアヒーロー」公開予定。現在は映画版「デスノート」を制作中。【URL】http://shinsukesato.petit.cc/

 

大きくて明るく高精細なレティナディスプレイは撮影した写真のチェックに最適だ。

高画素化が進むデジタルカメラだが、iPadプロはパワフルなチップを積んでいるので画像を拡大しての確認や、フィルタを思ったようにかけられるのがうれしい。

データのバックアップも高速なLTE回線で行えるのでロケでも安心だ。

三井公一

カメラマン。新聞社の出版写真部を経てフリーの写真家に。iPhoneのカメラだけで写真展や写真集を出版するiPhonegrapherとしても国内外から高い評価を受けている。【URL】http://www.sasurau.com/

 

これまで、パソコンでできるのにiPadではできないという、生産性や効率性に見られた弱点や、心理的な面も含めた「タブレットへの不自由さ」を、iPadプロから感じることは一切なかった。おまけに、2つのアプリで作業をしながら、子画面でHDビデオを再生しても、パフォーマンスがまったく落ちないパワフルさを見せつけられた。iPadプロが、いよいよパソコンを完全に置き換える準備が万端であることを感じさせてくれる。

松村太郎

ジャーナリスト・著者。テクノロジーとライフスタイルの関係性を追求。書籍や雑誌、インターネットニュースへの執筆活動や、大学講師、コンサルタント、講演 等の活動も行う。コードアカデミー高等学校副校長。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、BBT大学講師。キャスタリア取締役研究責任者。

 

映画を楽しむ端末としては最強。表示のきれいさはもちろんだが、右側の窓から迫ってきたヘリコプター音が、実はiPadプロで見ていた映画の音とわかったときにはビックリした。音の大きさ、空間的広がりにも圧倒される。写真表示の落ち着いた色も「プロ」の名に恥じないリアルさだ。

だが、やはり、何といっても最大の魅了はアップルペンシル。手書きメモが快適に取れるし、ファッションデザイナーやプロダクトデザイナー、漫画家に渡すとあまりにも自然な描き心地に皆、しばらく酔いしれている。

世界統一配列で展開するキーボードそのものも比較的すぐに慣れられる。ただし、言語の切り替え方法や漢字の変換のしづらさはあり長文を書くのにはかなり苦労する。日本語入力のしやすさについては、次期メジャーアップデートまで待てるものではないので早々に改善してもらうか、ATOKなど他社に頑張ってほしいところだ。

林信行

フリージャーナリスト、コンサルタント。アップルやグーグルの動向や技術、製品を継続的に取材対象としており、情報技術分野のテクノロジーに明るい。近年は、自動車やファッションなどのさまざまな業界におけるIT活用の取り組みに関心を持ち、人々の暮らしや社会にもたらす変化をテーマとしている。著書多数。

 

iPadプロはマルチタスキングにより、ビジネスの現場でのコミュニケーションを活性化する可能性を秘めている。大きな画面で2つのアプリケーションを同時に操作できることから、接客やビジネスミーティングの場面で、今まで以上にインタラクティブな情報のやりとりが可能になる。モビリティのさらなる活性化を期待できるデバイスである。

福田弘徳企業や教育機関向けのアップル製品の活用提案や導入・運用構築を手がける株式会社Tooのモビリティ・エバンジェリスト。本誌巻頭コラムでもおなじみ。【URL】http://www.too.com/apple

 

「やっと文字が書けるiPadが出た」。iPadプロを手にした最初の感想がそれでした。もちろん、従来のiPadでも手書き機能のあるアプリを使えば字を書くことはできます。しかし、先生が授業中に立ったまま書くには、iPadミニはもとよりiPadエアの画面サイズでも大きさが足りないのです。結果、iPadは教材やアプリの画面を表示するためだけに使われ、書くのは昔ながらの黒板というスタイルが一般的になりました。一方、iPadプロの12.9インチのディスプレイはいわばノートサイズ。その十分な広さとあわせて、筆圧センサのついたアップルペンシルを使えば、授業中でも黒板同様に「書く」ことが可能になります。特に「読み」「書き」が重要視される小学校の先生にとって、この進化は確実に受け入れられるはずです。そこから、書いた文字を拡大・縮小したり、データとして保存したりといった黒板・チョークでは不可能なデジタルならではのメリットを実感する先生が増えていくのではないでしょうか。デジタルとアナログとを“併用”するステージから“融合”のステージへ。iPadプロとアップルペンシルの組み合わせは教育現場に新たな息吹を吹き込む、そんな期待を感じさせてくれます。

小池幸司

教育ICTコンサルタント。1999年に進学塾の「俊英館」に入社。およそ5年の講師経験を経てマーケティング部長に就任。プロモーションや広報、IT管理に従事。教育ICTコンサルタントとして執筆や講演活動を通じてiPad導入事例やノウハウを広める。