ピンタレスト・ジャパン株式会社
オンライン上にある気になる画像をコレクションするためのツール。旅行やファッション、アート、グラフィックデザイン…など、自分のお気に入りの画像を「ピン」(保存)してアイデアノートとして利用したり、友人と共有したりできます。
中島歩さんAyumi Nakajima
米国の大学を卒業後、ニールセンに入社。日本・香港勤務を経てフェイスブックへ転職。2015年ピンタレストに入社し現職。ピンタレストでは企業のサポートなどを行うパートナーマネージャーとして活躍中。
日本法人全員がMacユーザ
MF●ピンタレストさんのオフィス、広くておしゃれですね。今、社員は何人ですか?
中島●ありがとうございます。日本法人は5名です。かなり贅沢にオフィスを使わせてもらっています(笑)。私はパートナーマネージャーという立場で仕事をしています。
MF●どのようなお仕事なのでしょうか?
中島●企業のサポートですね。代理店や出版社、ブランド企業などとアライアンスを組むためのパートナー設計を行っています。こういうと、営業職と勘違いされることがあるのですが、何かを売っているわけではなく、ピンタレストのユーザ数を増やすための活動をしています。たとえば、ファッション誌と一緒にワークショップを開催するといったオフラインのイベント企画を担当したりなどです。ピンタレストはオンライン上のサービスですが、そこだけで完結するわけではありません。アイデアをアプリで集めたあとに、旅行をしたり料理をしたり服を買ったりといったアクションを起こすことで、自分のライフスタイルを充実させるというのがコンセプトなのです。
MF●中島さんはいつ頃、入社されたのですか?
中島●今年の1月なので、まだ8カ月くらいです。ただ、日本法人自体が2013年の11月に起ち上がったばかりなので、半分くらいの期間はいることになります(笑)。
MF●中島さんをはじめ、皆さんMacをお使いなのでしょうか?
中島●そうですね、全員がMacを使っています。私も会社支給のMacBookエアを使っています。
MF●以前はウィンドウズを?
中島●前々職まで職場ではウィンドウズでした。前職はフェイスブックだったのですが、そこで初めて職場でMacを使い始めました。2012年頃でしたね。ピンタレストでは入社時にどちらかを選べたのでMacにしました。今ではもう絶対にウィンドウズに戻れないなと感じています。
MF●どんなところが気に入っていますか?
中島●MacBookエアは軽くて持ち運びやすいところがいいですね。仕事で外出することが多いので、常にMacBookエアと充電器、それからプレゼンのためのアダプタを持ち歩いています。自宅にも持ち帰っているので、つい家でもエアを使ってしまいます。実はプライベートでMacBookプロも持っているんですよ。
MF●そうでしたか。ということはもともとMacユーザ?
中島●ええ。プライベートでは初めてのPCからMacでした。見た目がかっこいいですし、写真をたくさん撮るので、それを整理するのにMacのほうが使いやすかったんですよね。当時はiPhotoでしたが、OSをヨセミテにしてからは後継の「写真」ソフトを使っています。アイクラウド・フォトライブラリで、写真のクラウド管理も始めました。
目的別に情報共有
MF●お仕事ではどんなアプリやサービスを利用されていますか。
中島●まず、社内情報共有のためにスラックを使っています。チーム内のやりとりに使っているので、これは常に開きっぱなしにしています。日本法人だけでなく、世界のピンタレストオフィスに導入されており、私もスラックを使って本国のメンバーとチャットしています。スラック以前はフェイスブックのチャットを使っていたのですが、発言がどんどん埋もれてしまうので、ファイルなどを共有してもどこにあるかわからなくなったりするんですよね。
スラックは見やすくて使いやすいですし、チャンネル機能も便利です。たとえば「ソーシャル」というチャンネルには、仕事に直接は関係しないネタやコメントを残す場所。「JAPANチーム」というチャンネルはピンタレスト日本法人に関する人だけを集めたもの。そんな風に目的別にチャンネルを設定できるのが便利です。
MF●なるほど、さまざまな分け方ができる点では、ピンタレストのように世界で使われているサービスの運営にぴったりのソフトですね。
Macとクラウドさえあれば
中島●それから個人的に使っているのがエバーノートですね。ピンタレスト用のノートブックを作って、そこにミーティングの議事録などをまとめています。ノートを分けることもできますし、前の議事録と同じノートに続けて書いていくこともできるのが便利です。検索機能も強力なので助かっています。
MF●エバーノートなら端末を問わず使えますね。社内でのファイルやドキュメントの共有などはどうされているのですか?
中島●「グーグル・ドックス」(Google Docs)をよく使いますね。本国では「QUIP」というグーグル・ドックスに似たサービスを使い出しているようです。それからVPNにつなげるための「Junos Pulse」も必須です。これがないと本国のダッシュボードなどを見ることができないので。
MF●やはり本国との連携をスムースに行うためのソフトやサービスを使われている印象ですね。
中島●そうなんです。本国とはビデオコールなどを使って、かなり密に連絡を取り合います。時差のこともあり、たいてい朝早くか夜遅くになってしまうので、そういうときは自宅になりますね。
MF●そうなると出社時間や勤務時間などはどうなるのでしょう?
中島●フレックス制で仕事をしていて、午前中か午後のどちらかはオフィスにいるようにしていますが、どちらかは外出していることが多いですね。MacBookエアとクラウドサービスがあれば外でも問題なく仕事できますから。
米国本社ならではの精算方法
MF●勤怠管理や経費精算などはまだまだウィンドウズでないとできない会社も多いですが、ピンタレストさんはどのようにされていますか?
中島●勤怠管理などは特にありません。結果ベースで皆信頼し合って仕事をしています。経費精算などについては、クラウドサービスを使っています。たとえば「エクスペンシファイ(Expensify)」というサービス。レシートを写真に撮ることで領収書代わりにしてくれるので便利です。経費精算などの処理を、本国のほうで行っているからこそできることですね。日本ではまだ写真を領収書と同じ扱いにできませんから。
MF●なるほど。それではウィンドウズがなくて困ることはありませんか?
中島●強いていえばエクセルはウィンドウズ版のほうが使いやすいかな(笑)。
経費精算はオンラインで
本国で経費精算等を行っているため、国内ではあまり使われていないエクスペンシファイ(https://www.expensify.com/expenses)というWEBサービスを利用。オンラインで簡単に経費精算を行えるのが特徴で、iPhone版やiPad版アプリもあるため外出先からも手軽に利用できます。
個々人に任せられた働き方
MF●ほかにも欠かせないツールはありますか?
中島●「アサナ(Asana)」ですね。タスク管理ツールなのですが、これはほかの人にタスクを与えることができるんです。以前だったら、やってほしいことはメールなんかでお願いしていたと思うのですが、アサナを使うとやってほしいことを誰かのタスクとして登録できます。自分のタスクが入るとプッシュ通知されるので便利ですよ。日本法人に限れば5人なので、今のところスラックで事足りてはいるのですが、タスクをタグで整理したりもできるので重宝しています。
MF●中島さん個人として使われているタスク管理ツールは別にあったりしますか?
中島●個人としてはグーグル・タスクを使っていますね。それから個人的に仕事に欠かせないのが「スポティファイ(Spotify)」です。米国でアカウントを作ったもので、仕事中に聴いています(笑)。
MF●それも立派な仕事のツールですよ(笑)。逆に会社として入れてはいけないソフトなどはありますか?
中島●支給されたときにいくつかインストール済みのソフトはありました。それからは必要に応じて後から自分で追加しています。NGソフトは特にありません。ピンタレストは個々人に働き方などを任せていて、その分責任を持ってやってくださいという考え方なんです。