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カメラ_1200万画素になってよりキレイに、より楽しく

カメラ_1200万画素になってよりキレイに、より楽しく

進化を止めないカメラ

毎日使うカメラはiPhone。今ではそんな人がほとんどだろう。初代iPhoneからアップルはデジタルカメラの代わりとしてiPhoneを訴求し、毎回カメラ機能に絶え間ない改良を図っている。

新しいiPhoneのカメラ機能でまず特筆すべきは、背面のiSightカメラが従来の800万画素から1200万画素(ピクセル)に高画素化した点だ。これで、より高精細な写真の撮影が可能となるが、写真の画質はピクセル数だけでは決まらない。一般的にイメージセンサのサイズが同じまま高画素化(高密度化)を図ると、ピクセル間が近づきすぎて色の変調やノイズなどの弊害が生じる。iPhone 6s/6sプラスでも従来より15%もピクセル数がアップしているが、アップルはそうした弊害を極力抑えるためにさまざまなテクノロジーを投入し、クオリティを担保している。

中でも注目は、隣接する画素に光が漏れないようにする「ディープトレンチアイソレーション」(DTI)だ。これにより、画素数をアップしたことで1画素あたりの面積が小さくなるが、暗所など高感度撮影時の画質はiPhone 6/6プラスと同等になっているという。また、階調をより自然にするべく「ローカルトーンマッピング」の改善等も行っている。アップルはこうした技術を「ユーザが知らなくてもいいこと」としてあえて誇張しないものの、怠ることなく性能改善している点が他社スマートフォンを差し置いてiPhoneのカメラが人気となる理由でもある。

4K動画をスムースに編集

なお、iPhone 6s/6sプラスでは前面のフェイスタイムカメラも新しくなっている。画素数が500万画素にアップしただけでなく、「レティナ・フラッシュ(Retina Flash)」という新機能を搭載。これは、撮影時だけレティナディスプレイを3倍明るくすることができる機能で、これによって一層美しい自撮りが行える。

また、iPhone 6s/6sプラスのカメラでは、HDビデオの4倍の解像度となる3840×2160ピクセルの4K動画(30fps)の撮影が可能となっている。特にiPhone 6sプラスならば写真のみならず動画でも光学式手ブレ補正機構が利用できるため、スムースで安定した美しい映像を撮影できる(iPhone 6sは電子式の手ぶれ補正)。iPhone 6s/6sプラスに搭載されているA9プロセッサは4K動画2つをストリーム編集したり、ピクチャインピクチャやスプリットスクリーンなどのエフェクトを実にスムースに行える。

●1200万画素にアップ

iSightカメラは見た目こそiPhone 6/6プラスと同じだが、画素数が1200万画素に大幅にアップしている。

●DTIで写真品質を維持

単に高画素化すると、隣接する画素に光が漏れてしまい、色の変調をきたす(左)。これを解決するのが、「ディープトレンチアイソレーション」(DTI)という技術でピクセル同士を隔離し、隣接する画素に光が漏れないようにしている(右)。これにより、画素数をアップしながらも写真クオリティを維持している。

●レティナ・フラッシュでキレイに

Phone 6s/6sプラスには、撮影時だけディスプレイを通常より3倍明るくする「ディスプレイチップ」が搭載されている。これを用いたのが、レティナフラッシュ。前面のフェイスタイムカメラで撮影する瞬間に液晶パネルを白い表示にしてフラッシュ代わりにする。

●見事な写真クオリティ

【URL】http://www.apple.com/jp/iphone-6s/cameras/photos/

●4K動画で映画監督に

動画機能は、新たに4K動画(30fps)に対応した点が注目される。iMovieですぐに編集できるのもアップル製品ならでは。

新iPhoneの画期的な撮影機能

Live Photosで撮った瞬間が生き生きと蘇る

Live Photosで想い出を記録

これまでiPhoneシリーズはパノラマ撮影やタイムラプス撮影、スローモーション撮影など、実に多彩な撮影機能を搭載してきた。もちろん、これらの機能はiPhone 6s/6sプラスでも同様に利用できるが、アップルは新たに「ライブフォト(Live Photos)」という機能をiPhone 6s/6プラスに追加した。

これは、シャッターを押すと前後3秒(シャッター前1.5秒、シャッター後1.5秒)を同時に記録できるという機能。ライブフォトはデフォルトでオンになっており、ユーザは特に意識することなく通常どおり撮影するだけ。あとは撮影した写真の好きな部分をプレスするとその写真が動き出すという仕掛けだ。言葉ではやや伝わりにくいが、写真をプレスした瞬間にそれが動画のように動き出すのは実に新しい感覚で、単なるスナップ写真以上に、撮った時の想い出が生き生きと蘇る。

ライブフォトはロック画面の壁紙に設定したり、MacやiPad、アップル・ウォッチなどでも閲覧可能だという。試しに3Dタッチ非対応のiPhone 6にエアドロップ経由でライブフォトを送ってみたら、長押しすることで同様にライブフォト再生ができた。ちなみにライブフォトをメールに添付して送ったところ、静止画のみのデータになってしまった。詳細は追ってお伝えしたい。

[カメラ]アプリの上部にライブフォトの新しいメニュー(黄色い円)が追加されている。デフォルでオンになっているので、そのまま撮影するだけだ。

 

Vineに対抗か?

撮影した写真をタップすると、シャッターを押した前後3秒がサウンド入りで再生される。流行のSNSサービスに「Vine」があるが、それを意識した機能と見られなくもない。