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プロセッサ_デスクトップクラスのパワーを手のひらに

プロセッサ_デスクトップクラスのパワーを手のひらに

性能が大幅にアップ

iPhone 6sシリーズには、新開発のA9チップが搭載された。1つ前のA8チップ比で70%の高速化を果たし、グラフィックス性能もA8チップに比較して90%アップしている。

このA9チップには新しいアーキテクチャのトランジスタが採用されている。アップルは明言していないが、おそらく3Dトランジスタ技術の「FinFET」を採用していると考えられる。これは、立体的にトランジスタを構築する技術で、消費電力を抑えてパフォーマンスをアップしやすくするものだ。

そして、アプリの動作やマルチタスキングにおいてのパフォーマンスを左右するメモリ容量がついに2GBに拡張された。iPhone 6シリーズでは1GBだったため、多くのアプリを起動していたり、サファリで多くのタブを開いていると、重くなったりWEBページの再読み込みが発生することがあったが、それが大幅に解消するだろう。

また、コプロセッサであるM9がA9チップに内蔵されたことも大きい。M9は常にオンになっているが、わずかな電力でモーションセンサなどの情報を集めており、このおかげで「Hey Siri」を常時待機状態にしておけるようになった。従来は充電中のみだったが、いつでも声をかればSiriが利用可能になる。

●A9チップとM9コプロセッサ

A9チップは引き続きARMベースのモバイル向けプロセッサだが、次世代の半導体プロセスを採用した新世代チップ。64ビットのデスクトップクラスのプロセッサだ。また、A8とM8では別々のチップだったが、A9ではM9コプロセッサを内蔵した。これにより実装面積の節約と消費電力のさらなるカットが可能になった。フィットネスデータを常に記録し、Siriを常時待機状態にできるようになったのも、これの恩恵だ。

●パフォーマンス比較

昨年時点でアップルはiPhoneの性能向上を初代iPhoneからグラフにしてアピールしているが、今回は具体的な数字は避けられている。A8チップと比較してCPUパフォーマンスが70%、グラフィックスパフォーマンスが90%増加している。

●FinFETとは?

これまでの集積回路のトランジスタは、配線が2次元でつながっていたが、微細化によって効率が悪くなってきた。そこで配線を立体的に構築することで接地面積を増やし、効率化を図ったのが「FinFET」である。

●バッテリ容量が減少?

バッテリ容量は、内部構造のビデオを見ると、1810mAhから1715mAhと95mAh減っている。おそらくは従来のバイブレータよりも大きなタプティックエンジンを搭載する分の容積を確保するためだろう。もちろん、バッテリライフは犠牲になっておらず、A9の省電力性能とiOS 9の最適化によって減った容量をカバーしているとみられる。