出版された年がわかりませんが、巻末の記述を見ると「Macintosh Plusで作られています」と書いてあることから、1986年以降に発売されたものでしょう。
これは当時のMacintoshのために作られたヒューマン・インターフェイスのガイドラインです。ヒューマン・インターフェイスとは、一言でいえば「操作感・操作性」のこと。この本は「ボタンをどこに配置するか」「『OK』ボタンはどのように使うのか」など、操作の基礎を規定したガイドラインで、Mac用のソフトの開発者はこの本を読んで、開発するソフトのインターフェイスを作っていました。
このガイドラインがあったおかげで、Mac OSでは搭載された標準ソフトとサードパーティ製ソフトの操作性が同一に保たれたのです。たとえば、「メニューバーの[ファイル]から[開く]をクリックすれば、ファイルを開封できる」というようなルールがサードパーティ製のソフトにおいても守られていたため、1つのソフトの操作を習得すれば、ほかのMacソフトも簡単に操作できるようになったというわけです。
ちなみに、このガイドラインはアップルによってアップデートされ続け、いまでも最新OS用のガイドラインがデベロッパー向けに公開されています。興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
・OS X Human Interface Guideline
http://ow.ly/3yhbqz
・iOS Human Interface Guideline
http://ow.ly/3yhbqA
【白石倖介/Mac Fan】