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ディスプレイ_大画面を活かすために結集したテクノロジー

著者: 小平淳一

ディスプレイ_大画面を活かすために結集したテクノロジー

2つのアプリの便利さ

iPadプロの12・9インチのディスプレイは、iPadエア2と比べ78%も大きい。ピクセル数で比べると、iPadエア2が2048×1536ピクセルなのに対してiPadプロは2732×2048ピクセル。iPadエア2の長辺がピッタリiPadプロの短辺に相当する。つまり、iPadプロを横にして使っても、iPadエア2を縦にした画面が縮小されずにそのまま収まるということを意味している。ディスプレイ解像度は、iPadエア2とiPadプロはまったく同じ264ppiだ。

発表会では「iPadのアプリが2つ並ぶことを想定した大きさ」と説明していたが、実際にはまるまる2画面分が収まるわけではない。iPadエア2画面分を表示させるには2048×3072ピクセルが必要だが、iPadプロの長辺はそれに満たない。iOS 9のスプリットビューの機能を使って画面を2分割する場合、1つのアプリはフル画面のときよりも若干横幅が狭まることになる。

それでも、2つのアプリを縮小することなく並べて表示させられるのは、極めて利便性が高い。これまでパソコンで行っていたようなソフト間をまたぐ作業が、同じ感覚でストレスなくできるようになる。作業効率という点では格段の進化だ。

革新的な技術も搭載

また、iPadプロの大きな画面は1つのアプリをフル画面で表示させたときでも大きな恩恵をもたらしてくれる。たとえばビデオ編集なら、大きなプレビューを表示しながらタイムラインの編集ができるし、エクセルなどのスプレッドシートではよりたくさんのセルを一度に表示させることができる。

さらにiPadプロでは、この広大なディスプレイでの体験を快適なものにするため、数々のテクノロジーを搭載している。中でももっとも革新的といえる技術が、表示しているコンテンツが静止しているのか動いているのかを検知し、静止しているときはリフレッシュレート(画面の書き換え回数)を通常の半分に下げる「可変リフレッシュレート」という技術だ。これにより、静止状態では消費電力の軽減ができ、バッテリ持続時間を伸ばせるようになる。iPad史上はもとより、全アップル製品の中でも初めて採用された技術だ。

ほかにも、液晶分子の配置角度を均一に揃え、高いコントラスト比を実現する「光配向技術」、リーク電流が低く均一な明るさを維持できる「酸化物TFT」など数多くの技術が注ぎ込まれ、均質で美しく、しかも消費電力を抑えたディスプレイが実現しているのだ。

●縦にしたiPadエア2の画面がすっぽり収まる

iPadプロのピクセル数は、横にして使ってもiPadエアを縦向きにした画面がそのままのピクセル数で収まる。

●78%アップの広大なディスプレイ

iPadエア2、iPadミニ4との比較。縦横比が4対3であるため、2画面分にはやや満たない。

●ノート型Macと比べても十分な広さ

MacBookシリーズとのピクセル比較。12インチのMacBookはもちろん、15インチのMacBookレティナディスプレイモデルよりも多くのピクセルを表示できる。

●タッチのリフレッシュレートも2倍に

iPadプロの液晶は、タッチのリフレッシュレートも従来の2倍に向上。操作に遅延することなく反応するようになった。

●先進のテクノロジーが結集

●広大なディスプレイが創造性を高める

iPadプロのディスプレイなら、iMovieのビデオ編集でも、広いプレビューエリアを確保できる。また、写真の加工、ドローイング、CAD図面の作成など、高精細で物理的に大きな画面の恩恵は計り知れない。

●スライドオーバーも快適

画面の横から別のアプリをスライドさせるiOS 9の「スライドオーバー」機能。ほかの作業をしているときも、届いたメールを素早く確認できる。

●スプリットビューで作業効率アップ

iPadプロの大きな画面は、iOS 9で真価を発揮する。片側で文書のレイアウト作業をしながらもう片側で使用写真を選定したりといった作業が、いちいち画面を切り替えることなく行えるようになる。