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【MacBookの技 Chapter 1】ジーニアスも実践する設定の基本技(1)

著者: 氷川りそな

【MacBookの技 Chapter 1】ジーニアスも実践する設定の基本技(1)

【安全のために】転ばぬ先の杖、「Macを探す」は必ず有効にしておこう

なくしてしまったiOSデバイスを捜索することができるアイクラウドの「iPhone(iPad)を探す」機能。これはMacでも利用できることを知っていますか。システム環境設定の[アイクラウド]パネルから「Macを探す」を有効にすればすぐに使えます。

Mac版では、最後にインターネットに接続した履歴を使って位置情報を割り出す機能を持っています。さらにMacでは「ゲスト」ユーザを利用できるようし、Macを拾った第三者がゲストログインしてインターネットに接続するよう仕向けることで位置情報を取得するという機能も備えています。事前に設定しておけば、紛失や盗難に遭った場合でもMacが戻って来る望みが高まります。

デバイスが移動した際にそのルートをトラッキングする機能もあるアイクラウドの「~を探す」シリーズ。紛失からの生還率の高さにも定評があります。

【安全のために】離席時のセキュリティ管理は「ホットコーナー」が便利

情報漏洩でもっとも多いケースは、どこか遠くにいるハッカーがMacに不正アクセスして情報を盗む…のではありません。ほとんどの場合、コンピュータをログインしたままで離席した隙に他の人がそのまま操作して情報が持ち出されている「ソーシャルエンジニアリング(ソーシャルハッキング)」と呼ばれるものが、被害の大多数なのです。

OS Xでは、これに対処する機能としてスリープやスクリーンセーバの解除にパスワードを設定することができます。システム環境設定の[セキュリティとプライバシー]パネルにある[一般]タブの[スリープとスクリーンセーバの解除にパスワードを要求]を有効にしておきましょう。また、離席する場合には、この機能を有効にしながら、同じく[デスクトップとスクリーンセーバ]パネルにある[スクリーンセーバ]タブから[ホットコーナー]を選択して、画面の四隅のうち自分の使いやす場所にスクリーンセーバの起動を設定しておくとベターです。

このように設定しておけば、飲み物を取りに行くようなちょっとして離席の場合でも、ホットコーナーからスクリーンセーバを起動させておけば安心です。スリープするのとは違い、ダウンロードやほかのソフトの処理が中断してしまうということもありません。もちろん、スクリーンセーバにしてもスリープにしても、離席中に他の人が操作しようとすると必ずパスワードを入力しなければログインできなくなるため、無理なくセキュリティを高めることができるようになります。

ソーシャルエンジニアリングから身を守るには、離席時にセキュリティ対策することがもっとも効果的です。

ホットコーナーは画面の四隅にそれぞれ機能割り当てが可能。おすすめは他の機能とかぶりにくい左下です。

【安全のために】パスワードは、管理も作成も「キーチェーン」におまかせ

ネットバンクにWEBメール、SNSと、とにかくオンラインサービスを利用するのにはパスワードがつきものです。あまりの数の多さについ同じパスワードを使い回してしまいがちです。また最近は、フェイスブックやツイッターのアカウントでログインできるサービスも増えていますが、いずれにしても1つの「鍵」を複数のサービスで使い回すのは危険です。1カ所で情報漏洩が起きると自分のアカウントが軒並み乗っ取られてしまう危険性があります。とはいえ、すべてのサービスで異なるパスワードを設定するとなると、覚えておくのも非常に困難です。

この「パスワードが多すぎてわからなくなる問題」を解決してくれるのが「キーチェーン」です。メールやWEBサイト、Wi-Fiアクセスポイントなどに入力するパスワードをMacのログインパスワードに関連付けて保存する機能で、一度登録すれば自動的に入力してくれるため、普段は「どのパスワードを使っているのか」を覚えている必要がありません(確認したい場合にはログインパスワードを使って「キーチェーンアクセス」の中で確認できます)。

加えて、OS Xヨセミテからはクレジットカードの番号もキーチェーンに保存して使えるようになったり、新規にパスワードを作成する場合にランダムな文字列で生成し、自動的に保存してくれる機能も搭載されました。キーチェーンはアイクラウドを使って同期できるので、複数のMacやiOSデバイスでも利用できて便利です。セキュリティと利便性が一挙両得で向上できるキーチェーン、使わない手はありません。

キーチェーンにパスワード管理を任せれば、複雑だったり、文字数の多いパスワードでも労することなく利用できます。

ジェネレータを使って自動生成すると、そもそも「パスワードが何なのか自分も知らない」ため漏洩がなくなるというメリットも。

【安全のために】「プライベートブラウズ」はTPOに合わせてページ単位で

WEBブラウザに履歴やクッキー(アカウント名や最終ログイン履歴などを記録しておく機能)に情報を残さずにページを閲覧できるサファリの「プライベートブラウズ」は、使い方を知っていると非常に便利な機能の1つです。

ヨセミテのプライベートブラウズは[ファイル]メニューから[新規プライベートウインドウ]として独立して利用することができるため、たとえば職場にある共有マシンのサファリを使ってネットバンキングやWEBメールを利用する際に有用です。使い終わったらウインドウを閉じるだけでプライベートブラウズモードは終了します。サファリの履歴に残らないためどのマシンでも気兼ねなく利用できます。

ヨセミテでは独立してのプライベートブラウズ設定が可能になったことにより、履歴を「残す」「残さない」を同時に選べるようになりました。

プライベートブラウズ中は、ツールバーの色が変わります。

【安全のために】身近なファイル共有は「AirDrop」がもっともセキュア

書類や写真、ビデオといったファイルの受け渡し方法には、メールやオンラインストレージ、USBメモリなどさまざまなものがあります。しかし、従来の方法には「ウイルス感染」や「紛失による情報漏洩」などそれぞれセキュリティ上の問題が指摘されるようになってきました。

そこでおすすめなのが「エアドロップ」によるファイル共有です。近くにあるMacとMac、iOSデバイスとワイヤレスで手軽にデータ転送できるのがエアドロップの魅力です。さらに、物理メディアやインターネットサービスを介さずにファイルを受け渡すため、紛失やインターネットサービスによる情報漏洩といった問題が発生せず、安全性が非常に高い点も魅力です。

シンプルなファイル転送ソリューションのエアドロップは、すぐに使える便利さだけでなく安全性も考慮された優れたソリューションです。